花芽ができる時期を知る
アセビは3月から4月に、スズランに似た小さな壺形の花を房状に下げて咲かせます。この花芽は前年の6月から8月に、春に伸びた新しい枝の先で作られます。夏の終わりには枝先に小さな粒の房が見え、秋にふくらみ、冬を越して春に開きます。
つまり花を咲かせるには、春に元気な新芽を伸ばさせ、夏にその枝先を守ることが必要です。秋以降に枝先を切れば花芽ごとなくなり、夏に葉焼けや水切れで枝が弱れば花芽が作られません。
| 時期 | 枝先の様子 | やること |
|---|---|---|
| 3月〜4月 | 房が下がって開花 | 水切れに注意して観賞 |
| 4月下旬〜5月 | 花がらの跡に実、新芽が伸びる | 花がらを摘み剪定を済ませる |
| 6月〜8月 | 新芽が固まり先端に花芽の粒 | 枝先を切らず日よけと水やり |
| 9月〜2月 | 花芽の房がふくらんで越冬 | 秋に肥料、冬は凍結を防ぐ |
花芽と葉芽の見分けは、夏以降に枝先に付く粒の房が花芽、枝の途中の一つ一つの芽が葉芽です。房を見つけたら切らないでおきます。
品種で花色と葉色を選ぶ
アセビの原種は白花ですが、園芸品種にはピンクや赤の花、新芽が赤く色づくもの、葉に白い斑が入るものがあります。花の時期は同じでも、新芽の色は5月の庭を大きく変えます。置き場所の明るさで向く品種が変わります。
| 品種のタイプ | 特徴 | 向く場所 |
|---|---|---|
| 白花の原種系 | 丈夫で花付きが良く大きく育つ | 庭植えの生け垣や庭木 |
| 赤花系(クリスマスチアなど) | 濃い紅色の花が房で下がる | 鉢植えで花を近くで見る場所 |
| 新芽が赤い品種 | 5月に新芽が真っ赤に染まり後に緑へ | 明るい半日陰、暗いと色が出にくい |
| 斑入り品種 | 葉の縁に白い斑、生育はやや遅い | 夏の直射を避けた明るい日陰 |
斑入りと赤い新芽の品種は葉焼けしやすく、原種より一段暗い場所が向きます。生育も遅いので鉢植え向きです。
花を増やす日々の管理
花数を増やす手当ては三つです。花後すぐに花がらを摘んで実を作らせないこと、冬に日を当てて花芽を充実させること、秋にリン酸の多い肥料を少し与えることです。どれも大きな作業ではなく、時期を外さないことが要点です。
- 花がらを摘む
- 房の多くが茶色くなったら付け根で摘みます。実が育つと株の力が種に回り、夏の花芽が減ります。手袋をして手を洗います。
- 冬は日に当てる
- 夏は日陰が必要ですが、冬は日が当たるほうが花芽が太ります。落葉樹の下か、鉢なら11月に日なたへ戻します。
- 秋にリン酸を足す
- 9月下旬にリン酸の多い緩効性の肥料を少量置きます。窒素が多い肥料は枝葉ばかり茂って花が減ります。
- 夏に枝先を守る
- 花芽を作る7月から8月に水切れや葉焼けをさせないことが、そのまま翌春の花数になります。朝の水やりと日よけを続けます。
つぼみから開花までの管理
2月に入ると花芽の房がふくらみ、3月に色づいて開きます。この時期に土を乾かすと、つぼみのまま茶色くなって落ちます。開花中は水切れに気を付け、強い霜が続くときは軒下に寄せると花が長持ちします。
- つぼみが色づいたら水を切らさない
- 鉢は表面が乾いたらすぐ与えます。乾いた翌日に房ごと茶色くなることがあり、これは戻りません。
- 強い霜の日は軒下へ
- 開いた花は霜に当たると茶色く傷みます。晴れて冷え込む予報の夜だけ、鉢を軒下や壁際へ寄せます。
- 花の最中は触らない
- 開花中は植え替えや肥料をしません。根を動かすと花持ちが悪くなり、そのまま新芽の勢いも落ちます。
切り花にするなら房がすべて開く前に枝ごと切ります。これは花後の剪定を兼ねるので、切る位置は葉の付け根の上にします。
鉢植えで花を楽しむ
鉢植えは開花期に玄関や窓辺に寄せて楽しめます。ただしアセビの花は動かしすぎると落ちやすく、暖かい室内に長く置くと一気に咲き終わります。玄関先など戸外に近い場所で、日中だけ見える位置にとどめるのが長持ちのこつです。
| 置き場 | 花持ち | 注意 |
|---|---|---|
| 戸外の軒下 | 二〜三週間 | 霜と乾きだけ気を付ける |
| 玄関の内側 | 二週間前後 | 暖房が当たらない場所に |
| 暖房のある居間 | 一週間ほどで終わる | 乾燥で葉も落ちやすい |
室内に置いた鉢は花後に急に戸外へ出さず、数日かけて慣らします。急な寒さで新芽が傷みます。
花が咲かない原因を見分けて直す
「今年は咲かなかった」と気付くのは春ですが、原因は前年の夏から冬にあります。剪定の時期、花がらの放置、日照、肥料の四つのどれかで、前年に何をしたかを思い出せばほぼ絞れます。原因ごとに直し方が違うので、当てずっぽうに肥料を足さないことが大切です。
| 状態 | 疑う原因 | 直し方 |
|---|---|---|
| 枝先に花芽の房がなかった | 秋冬に枝先を剪定した | 剪定は花後の5月までに限る |
| 花が少なく実がたくさん残っていた | 花がら摘みをしなかった | 花後すぐに房を付け根で摘む |
| 枝が間延びし葉ばかり茂る | 日照不足か窒素の多い肥料 | 明るい場所へ移し肥料をリン酸中心に |
| つぼみは付いたが茶色く落ちた | 冬から早春の水切れか強い霜 | つぼみが色づいたら水を切らさない |
若い苗は株が充実するまで二〜三年花が少ないことがあります。葉の色が良く新芽が元気なら、剪定を花がら摘みだけにして待つのが目安です。葉色を見て判断します。
アセビの花のころに使うもの
木は花の数より、咲いた花が実になるかどうかで穫れる量が決まります。
- 授粉用の毛ばたき・綿棒探す言葉「人工授粉 毛ばたき 園芸」
- 規格の目安
- 柔らかい毛のはたきか、綿棒。
虫が少ない場所や、開花期に雨が続いた年は、花粉が運ばれません。触れて回るだけで実付きが変わります。
- 液体肥料(リン酸多め)探す言葉「液体肥料 開花 リン酸」
- 規格の目安
- 1000 倍希釈の原液。リン酸(P)の数字が高いもの。
窒素が効きすぎていると、枝葉ばかり伸びて花が減ります。花の時期は窒素を控えます。
- 不織布(遅霜よけ)探す言葉「不織布 防寒 べたがけ」
- 規格の目安
- 目付 20〜30g/㎡。
開花中の遅霜は、その年の実をまとめて落とします。冷える予報の夜だけかければ足ります。
- 虫がよく来る場所なら、人工授粉は要りません。
- 開花促進剤より、前の年の剪定と施肥のほうが花数に効きます。
アセビの上手に育てるコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はアセビの育て方にまとめています。
iPhone 対応(Android 版は準備中)。無料で使えます。
この記事は広告を含みます。