まず場所と育て方を決める
アセビは日本の山に自生する常緑の低木で、明るい日陰と酸性の土を好みます。真夏の直射日光と乾いた風が当たる場所では葉が焼けて茶色くなり、逆に一日中暗い場所では花芽が付きません。植える前に、その場所に朝日が当たって午後は日陰になるかを確かめます。
苗を買ったら、鉢で育てるか庭に下ろすかを先に決めます。鉢は置き場所を動かせる代わりに乾きやすく、庭植えは一度根付けば手がかからない代わりに移植を嫌います。迷うなら二年ほど鉢で様子を見てから庭へ下ろすのが安全です。
| 場面 | 向く育て方 | 注意すること |
|---|---|---|
| 東向きの庭で午後は建物の陰 | 庭植え | 水はけの悪い粘土なら土を入れ替える |
| 南向きで一日中日が当たる | 鉢植えで置き場を変える | 夏は西日を避けて葉焼けを防ぐ |
| ベランダで鉢のみ | 鉢植え | 乾きが早いので受け皿ではなく朝の水やりで補う |
| 北向きで一日中暗い | 鉢で明るい場所へ移動 | 暗いままだと花が咲かず枝が間延びする |
アセビは葉も枝も花も全草に毒があります。食べたり口に入れたりしない前提で、子どもやペットの手が届く場所は避けます。
土は酸性に寄せる
アセビはツツジやブルーベリーと同じ仲間で、ペーハーが5前後の酸性の土でよく育ちます。コンクリートのそばやモルタルのくずが混じる場所は土がアルカリに寄り、葉が黄色くなって新芽が育たなくなります。市販のツツジ用かブルーベリー用の土を使えば、細かい調整をしなくても外しません。
- 鉢用土の配合
- 鹿沼土を半分、ピートモスか腐葉土を三割、赤玉土の小粒を二割ほど混ぜます。鹿沼土は酸性で水はけがよく、アセビの細い根に合います。
- 庭土の作り方
- 植え穴の土に、掘り上げた量の三分の一ほどのピートモスと腐葉土を混ぜます。石灰や苦土石灰はアルカリに傾くので入れません。
- 水はけを確かめる
- 植え穴に水を張って、一時間以内に引くかを見ます。引かないなら穴を深くして底に軽石を敷くか、盛り土にして高く植えます。
- コンクリート際は避ける
- 塀や基礎のそばは雨のたびに石灰分が溶け出します。どうしても近くに植えるなら、鉢植えのまま置くほうが土を守れます。
植え付けの時期
植え付けの適期は花が終わったあとの4月から5月と、暑さが落ち着いた9月下旬から10月です。真夏は根が傷みやすく、真冬は根が動かないので活着に時間がかかります。常緑なので落葉樹のように冬に裸で植えるやり方は向きません。
| 時期 | 向き不向き | 理由 |
|---|---|---|
| 3月 | 咲く前なら可 | つぼみが付いた株は花後まで待つ |
| 4月〜5月 | 最適 | 花後に新しい根と芽が動き出す |
| 6月〜8月 | 避ける | 蒸れと乾きで根が傷みやすい |
| 9月下旬〜10月 | 適期 | 冬までに根が落ち着く |
開花中の鉢を買ったときは、花が終わるまでそのまま楽しみ、花がらを摘んでから植え替えます。花の最中に根を触ると花持ちが悪くなります。
庭への植え方
アセビは根が細く浅く広がるので、深く植えるより広く浅く植えるほうが根付きます。根鉢の表面が地面と同じか、やや高くなる位置に据えるのが目安です。深植えにすると根元が蒸れて枯れ込みます。
- 穴は根鉢の二倍の幅
- 深さは根鉢と同じか少し浅く、幅は二倍ほど掘ります。底に混ぜた土を戻して、根鉢の上面が地面より少し高くなるよう調整します。
- 根鉢は軽くほぐす
- ポットから抜いて、底で巻いた根だけを指で軽くほぐします。土を全部落とすと細根が切れて活着が遅れます。
- 水鉢を作って染み込ませる
- 株の周りに土手を作って水をため、二回に分けてゆっくり染み込ませます。土と根の間の空洞が消え、根が土に触れます。
- 株元を覆う
- バークチップや腐葉土を株元に三センチほど敷きます。乾きと地温の上がりすぎを抑え、酸性の土を保つのにも役立ちます。
鉢への植え方と鉢の大きさ
鉢は根鉢より一回り大きいものを選びます。大きすぎる鉢は土が乾かず根が傷むので、六号の苗なら七号か八号が目安です。素焼きやスリット入りの鉢は乾きやすいので、夏の水やりが毎日できないならプラスチックの鉢を使います。
| 鉢の大きさ | 向く株 | 植え替えの目安 |
|---|---|---|
| 5号〜6号 | 高さ30センチまでの若い苗 | 翌年か翌々年 |
| 7号〜8号 | 高さ50センチ前後の株 | 二年に一度 |
| 10号以上 | 高さ1メートル近い株 | 二〜三年に一度、根を整理 |
鉢底には必ず軽石や鉢底石を敷き、鉢底穴に土が詰まらないようにします。水がたまると根が呼吸できず、葉が落ちます。
植えてから根付くまでの管理
植えてから一〜二カ月は根が土に馴染む期間です。この間に土を乾かすと細根が枯れ、葉が丸まって落ちます。表面が乾いたら鉢底から流れるまでたっぷり与え、庭植えも二〜三日おきに株元を見て乾いていれば水をやります。
- 肥料は入れない
- 植え付け直後の肥料は根を傷めます。新しい葉が伸び始めたのを見てから、緩効性の肥料を少なめに置きます。
- 強い日ざしを避ける
- 植えた直後に晴天が続くなら、寒冷紗や遮光ネットで日中の日ざしを弱めます。葉がしおれなくなったら外します。
- 支柱で揺れを止める
- 高さがある株は風で揺れて細根が切れます。支柱を一本立てて幹をゆるく結び、根が張るまで動かないようにします。
植え付けで失敗したときの見分けと直し方
植えて数週間で葉が黄色くなったり丸まったりするのは、土か水か場所のどれかが合っていない合図です。三つを同時に変えると原因が分からなくなるので、症状から一つに絞って直します。
| 症状 | 考えられる原因 | 直し方 |
|---|---|---|
| 葉が全体に黄色く葉脈だけ緑 | 土がアルカリに寄っている | ピートモスを足すか酸性の土へ植え替える |
| 葉が内側に丸まり先が茶色い | 水切れか西日の葉焼け | 水やりを朝にし、午後の日陰へ移す |
| 下葉が黒ずんで落ちる | 水のやりすぎか深植え | 根元を掘り出して浅く植え直す |
| 新芽が出ず枝先が枯れる | 根鉢が乾いたまま植えた | 水鉢を作って何度も染み込ませる |
枝を少し切って断面が緑なら生きています。茶色い枝を生きた部分まで切り戻し、株元を湿らせて待てば新芽が出ることが多いです。
アセビの植え付けに使うもの
木は一度植えたら動かせません。植え穴と支柱をきちんと作るかどうかで、その後の何年かが決まります。
数量は苗木 1 本を単位にしています。
- 完熟堆肥・腐葉土探す言葉「完熟堆肥 バーク 40L」
- 規格の目安
- バーク堆肥か腐葉土。40L 前後の袋。
- 数量の目安
- 植え穴 1 つ(直径 60cm × 深さ 50cm)に 20〜30L を掘り上げた土と混ぜます。
穴を大きく掘って土を入れ替えるのが植え付けの本体です。ここを手抜きすると、根が広がらないまま何年も伸び悩みます。
- 支柱(添え木)探す言葉「園芸支柱 太い 180cm」
- 規格の目安
- 直径 25〜30mm × 長さ 180cm。1 本の添え木か、2 本の二脚(鳥居型)。
根が張るまでの 1〜2 年、風で株元が動くと細い根が切れ続けます。細い支柱では木の重さを支えられません。
- 樹木用の結束テープ探す言葉「樹木 誘引 テープ 幅広」
- 規格の目安
- 幅 20mm 前後の伸びる素材か、麻ひもと当て布。
幹は太ります。細いひもで縛ると食い込み、そこで水の通り道を締めてしまいます。幅の広いもので 8 の字に留めます。
- 緩効性肥料(元肥)探す言葉「緩効性肥料 元肥 樹木」
- 規格の目安
- 粒状で長く効くタイプ。
- 数量の目安
- 植え穴 1 つに 50〜100g。根に直接触れないよう、土を一枚かぶせてから植えます。
植え付け直後は根が傷んでいます。濃い肥料が触れると、そこから傷みが広がります。
- 鉢で育てるなら支柱は短いもので足ります。180cm の添え木は地植え用です。
- 植え穴に石を入れる必要はありません。水はけが悪いなら、盛り土にして高く植えるほうが効きます。
アセビの上手に育てるコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はアセビの育て方にまとめています。
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