剪定の時期は花後の一択
アセビは3月から4月に花が咲き、5月に伸びた新しい枝の先で夏のうちに翌年の花芽を作ります。秋や冬に枝先を切ると、その花芽をまとめて落とすことになります。だから剪定は花が終わってから新芽が固まる前、4月下旬から5月の間に済ませます。
| 時期 | 切ってよいか | 理由 |
|---|---|---|
| 4月下旬〜5月 | 最適 | 花芽ができる前で翌年の花に響かない |
| 6月 | 軽く整える程度 | 新芽が固まり花芽の準備が始まる |
| 7月〜2月 | 枯れ枝以外は切らない | 枝先に翌春の花芽がある |
| 3月の開花中 | 切り花として少しなら可 | 枝ごと切れば花後の剪定を兼ねる |
アセビの樹液は皮膚につくとかぶれることがあります。剪定のときは手袋をし、切り口の樹液に触れたら石けんで手を洗います。
花がら摘みは剪定より大事
アセビは花が終わると房の跡に小さな実を付けます。この実をそのままにすると株は種を作ることに力を使い、夏に作るはずの花芽が減ります。花がら摘み(咲き終わった花の房を取ること)をするだけで、翌年の花の数が目に見えて変わります。
- 房の付け根で摘む
- 茶色くなった花の房を、付け根の枝との境目で指かはさみで取ります。房の下にある新芽を一緒に取らないよう、芽の位置を見てから摘みます。
- 花が八割終わったら始める
- 全部が枯れるのを待たず、房の多くが茶色くなったころに始めます。遅れるほど実が育ち、株の力を使ってしまいます。
- 高い枝は枝ごと切る
- 手が届かない位置の花がらは、房の下の枝を少し切り戻して落とします。これが軽い剪定を兼ね、樹形も整います。
- 手袋をして洗う
- 花がらにも樹液が付きます。素手で長時間触らず、終わったら手を洗います。摘んだ花がらは口に入らない場所に捨てます。
樹形を整える基本の切り方
アセビは放っておいても丸くまとまる木で、強い剪定は要りません。混み合った枝を抜いて風を通し、伸びすぎた枝を全体の輪郭に合わせて切り戻す程度で十分です。切りすぎると新芽が伸びる勢いに使われ、花芽が減ります。
- 枯れ枝と内向きの枝を抜く
- まず枯れた枝、株の内側に向かって伸びる枝、交差する枝を付け根から切ります。輪郭を整える前に抜くと、残す枝が見えやすくなります。
- 飛び出した枝を切り戻す
- 全体から飛び出した枝は、輪郭の内側にある葉の付け根の上で切ります。葉のない裸の部分で切ると、そこから芽が出にくいです。
- 株元の小枝を整理
- 株元から細い枝がたくさん出るなら、太いものを数本残して抜きます。風が通り、株元の蒸れとハマキムシの隠れ場所を減らせます。
- 一度に切るのは三割まで
- 葉の量を一度に大きく減らすと株が弱ります。三割を目安に切り、足りなければ翌年に回します。
大きくなりすぎた株を小さくする
アセビは古い枝からも芽を吹く力が強いので、庭で大きくなりすぎた株は数年かけて小さくできます。ただし一度に全部を切り詰めると、翌年は花がまったく咲かず、株によっては枝枯れが進みます。
| 株の状態 | 切る量 | 花への影響 |
|---|---|---|
| 少し高くなった程度 | 飛び出した枝を輪郭まで | ほとんど影響なし |
| 目標より三割ほど大きい | 太い枝を三分の一ずつ三年で | 切った枝の分だけ翌年減る |
| 倍以上に育ってしまった | 花後に半分まで強く切り戻す | 翌年はほぼ咲かず二年目から戻る |
強く切ったあとは葉がなくなった枝に直射日光が当たり、幹が日焼けします。夏の間は寒冷紗で日ざしを弱めるか、株元を覆って乾きを抑えます。
鉢植えの剪定はコンパクトに保つ
鉢植えは根の量に見合った枝の量を保つことが要点です。枝が増えすぎると水が足りなくなり、夏に葉を落とします。花後の剪定で樹高を鉢の高さの二倍前後に収め、植え替えで根を切った年は枝も同じ割合で減らします。
- 高さを鉢の二倍で止める
- 鉢の高さの二倍を超えた枝は、花後に葉の付け根の上で切り戻します。この高さなら夏の水やりが一日一回で足ります。
- 根を切ったら枝も切る
- 植え替えで根鉢を三分の一崩したら、枝も同じ割合で減らします。根と枝の釣り合いが取れ、しおれずに立ち上がります。
- 斑入りは緑の枝を抜く
- 斑入り品種は先祖返りで緑一色の枝が出ることがあります。勢いが強いので見つけたら付け根から抜き、斑を守ります。
切ってはいけない枝と切り方の注意
アセビは剪定で困ることの少ない木ですが、花芽と新芽の位置を知らずに切ると翌年の花を失います。切る前に枝先をよく見て、何が付いているかを確かめる習慣を付けます。
| 見た目 | 正体 | 扱い |
|---|---|---|
| 夏以降に枝先に付く小さな粒の房 | 翌春の花芽 | 切らずに残す |
| 春に赤く伸びる柔らかい芽 | 新芽 | 花後の剪定で形を整える |
| 花のあとに残る緑の小さな粒 | 実(種) | 花がら摘みで早めに取る |
| 葉が付かず茶色く乾いた枝 | 枯れ枝 | いつ切ってもよい |
切った枝や葉は毒があるので、家畜や鹿が入る場所に捨てません。燃えるごみとして袋に入れて出します。
花が咲かなくなったときの原因と立て直し
剪定のあとで花が咲かない原因のほとんどは、切る時期と量の間違いです。同じ「咲かない」でも、時期の間違いなら翌年に戻り、日照や肥料の問題なら剪定を直しても戻りません。まず前年に何をしたかを思い出して切り分けます。
- 秋冬に切っていたら
- 花芽ごと落としています。翌年は花後の5月まで一切切らず、夏の花芽を守れば翌々年から戻ります。
- 花がらを放置していたら
- 実に力を取られて花芽が減っています。今年から花後すぐに房を摘み、初夏に緩効性の肥料を少し足します。
- 強く切りすぎていたら
- 新芽ばかり伸びて花芽を作る余裕がありません。一〜二年は剪定を花がら摘みだけにして、枝を落ち着かせます。
- 剪定に心当たりがないなら
- 日照不足か肥料切れを疑います。明るい場所へ移し、花後と秋に肥料を与えて様子を見ます。
アセビの剪定に使うもの
剪定でいちばん多い失敗は、切れない道具で無理に切ることです。切り口が潰れると、そこから枯れ込みます。
- 剪定ばさみ探す言葉「剪定ばさみ バイパス 果樹」
- 規格の目安
- 刃渡り 5〜6cm、直径 2cm まで。バイパス式。手の大きさに合ったものを。
生きた枝を切るならバイパス式です。アンビル式は枝を潰すので、切り口がふさがるまでに時間がかかります。
- 剪定のこぎり探す言葉「剪定のこぎり 折込 24cm 生木」
- 規格の目安
- 刃渡り 24cm 前後、生木用の粗い刃。折込式は持ち運べます。
直径 2cm を超えたらのこぎりに切り替えます。太い枝は下側に受け口を入れてから切ると、樹皮が裂けません。
- 癒合剤探す言葉「癒合剤 トップジン 剪定」
- 規格の目安
- ペースト状で刷毛の付いたもの。
直径 3cm を超える切り口に塗ります。乾燥と雨から切り口を守るためで、小さい切り口には要りません。
- 消毒用アルコール探す言葉「消毒用アルコール スプレー」
- 規格の目安
- 濃度 70〜80%。スプレー式。
木を変えるたびに刃を拭きます。切り口から入る病気は、道具が運ぶことが少なくありません。
- 直径 3cm 以下の切り口には癒合剤は要りません。塗りすぎると内側が乾かないこともあります。
- 電動の剪定ばさみは、木が何本もあるようになってからで十分です。
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