葉の見た目から原因を絞る
アセビは病気に強く、困りごとのほとんどは虫と置き場所と土です。葉の表が白くかすれる、葉が丸まって綴られる、葉が黄色くなる、葉が茶色く焼ける、の四つを見分ければ対処が決まります。まず葉の表と裏をひっくり返して見ることから始めます。
| 見た目 | 疑うもの | 確かめ方 |
|---|---|---|
| 葉の表が白くかすれ裏に黒い点 | グンバイムシ | 葉裏に網目の羽の小さな虫がいる |
| 葉が糸で綴られ内側が食われる | ハマキムシ | 綴った葉を開くと小さな青虫がいる |
| 葉脈だけ緑で葉全体が黄色い | 土のアルカリ化 | コンクリート際か石灰を使ったか |
| 葉の表が茶色く乾いて焼ける | 葉焼け | 西日が当たる面だけ傷んでいる |
アセビは全草に毒があり、鹿や家畜が食べないので庭木として重宝されます。反面、人も口にしてはいけません。実や葉を子どもが触ったら手を洗わせます。
グンバイムシは葉裏で増える
アセビでもっともよく出る虫がグンバイムシです。羽が軍配の形をした三ミリほどの虫で、葉の裏に付いて汁を吸います。表から見ると葉が白くかすれ、裏には黒い排せつ物の点が散らばります。5月から10月まで世代を重ねて増え、放置すると株全体の葉が白くなって弱ります。
- 5月から葉裏を見る
- 新芽が固まるころから、下のほうの葉の裏を週に一度めくります。黒い点が数個でも見つかったら発生の始まりです。
- 水で洗い流す
- 数が少ないうちは、葉裏へホースの水を強めに当てて落とします。乾いた場所で増えるので、葉裏を濡らすこと自体が予防になります。
- 広がったら薬を使う
- 株全体に広がったら、庭木用の殺虫剤を葉裏を中心にかけます。表にかけても届かないので、葉をめくるように下から吹きます。
- 落ち葉を片付ける
- 成虫は落ち葉や株元で冬を越します。秋から冬に株元の落ち葉を集めて捨て、翌年の発生源を減らします。
ツツジやサツキにも同じ虫が付きます。近くにあるなら一緒に見回り、片方だけ防いでも移ってきます。
ハマキムシと新芽の虫
春から初夏の柔らかい新芽には、葉を糸で綴って中で食べるハマキムシと、芽先に群れるアブラムシが付きます。どちらも新芽の勢いを止め、放っておくと花芽を作る枝先が傷みます。見つけたら手で取るのが一番早く確実です。
- 綴られた葉は開いて潰す
- 二枚の葉が糸で貼り合わされていたら中に幼虫がいます。葉ごと摘み取るか、開いて虫を潰します。手袋をして行います。
- アブラムシは芽先を見る
- 4月から5月の芽先に緑や黒の粒が群れます。指でこすり落とすか、水で流します。数が多いなら庭木用の殺虫剤を使います。
- 混んだ枝を透かす
- 枝が密になると虫の隠れ場所が増えます。花後の剪定で内向きの枝を抜き、風と光が株の中まで届くようにします。
葉焼けと乾きの障害
虫がいないのに葉が傷む原因は、たいてい強い日ざしと乾きです。アセビは真夏の直射で葉の表が白っぽくかすれたあと茶色く焼けます。焼けた葉は戻りませんが、置き場と水やりを直せば新しい葉は正常に出ます。
| 状態 | 原因 | 直し方 |
|---|---|---|
| 西側の葉だけ茶色く焼ける | 午後の直射日光 | 午後に陰になる場所へ移すか寒冷紗を張る |
| 葉が内側に丸まりしおれる | 水切れ | 鉢底から流れるまで水をやり株元を覆う |
| 冬に葉が茶色く縮れる | 乾いた寒風 | 風上に囲いを立て軒下へ寄せる |
| 新芽が伸びずに小さいまま | 根詰まりか肥料切れ | 鉢底の根を見て花後に植え替える |
焼けた葉は目立ちますが、すぐに取ると株の葉が減りすぎます。新しい葉が出そろってから、傷んだ葉だけを摘みます。
土のアルカリ化と根の障害
アセビは酸性の土でしか鉄分を吸えません。コンクリートの近くや石灰をまいた場所では土がアルカリに寄り、葉脈だけ緑で葉全体が黄色くなります。虫ではないので殺虫剤は効かず、土を直すしかありません。
- ピートモスを足す
- 鉢は表土を削ってピートモスと鹿沼土に替えます。庭植えは株の周りに浅く溝を掘り、ピートモスを混ぜて埋め戻します。
- 石灰から離す
- 周りの畑や芝生で石灰を使うなら、アセビの根の範囲にかからないよう境を作ります。雨で流れ込む位置も避けます。
- 根腐れは水はけを直す
- 下葉から黒ずんで落ちるなら根が傷んでいます。乾いてから水をやるようにし、鉢なら水はけのよい土へ植え替えます。
毒性との付き合い方
アセビは「馬酔木」の名のとおり、馬が食べると酔ったようにふらつく毒を葉や枝、花、実に持ちます。鹿や家畜が食べないので鹿の多い地域でも残る木ですが、人が扱うときは注意が要ります。育てることに問題はなく、口に入れないことと樹液を洗うことを守れば十分です。
- 口に入れない
- 花の蜜も含めて食用にしません。切り花を飾るなら、花瓶の水を子どもやペットが飲まない場所に置きます。
- 樹液に触れたら洗う
- 剪定や花がら摘みのあとは石けんで手を洗います。手袋をすれば安心です。目をこすらないよう作業中も気を付けます。
- 剪定くずの捨て方
- 切った枝や葉は袋に入れて燃えるごみに出します。家畜や動物が入る場所に積んだり、堆肥として野菜の畑に混ぜたりしません。
鹿に庭木を食べられる地域では、アセビは食害を受けずに残る数少ない常緑樹です。生け垣の候補として向いています。
弱った株の立て直しと見分け方
虫や葉焼けで葉を減らした株も、原因を止めれば翌年には葉が戻ります。焦って肥料や強い剪定を足すと、かえって回復が遅れます。原因を一つずつ止めてから、株の力で戻るのを待つ順番を守ります。
- 原因を先に止める
- 虫なら取り除き、置き場なら移し、土なら酸性に戻します。肥料は葉が動き出したのを見てから、少量にとどめます。
- 残った葉は切らない
- 白くかすれた葉でも光合成はしています。茶色く乾ききった葉だけを取り、緑が残る葉は付けたままにします。
- 枝の生死を確かめる
- 枝を少し切って断面を見ます。緑なら生きており、茶色なら緑の位置まで切り戻します。株元から芽が出れば根は生きています。
- 翌年は花を減らす覚悟
- 葉を大きく減らした年は翌春の花が少なくなります。花がら摘みと秋の肥料を丁寧に行えば、翌々年には戻ります。
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