見た目から原因を絞る
文旦の異常は葉に出るものと実に出るものがあります。どこに何が出ているかを見れば、虫か病気か寒さかの見当が付きます。まず全体を見回してから手を打ちます。
| 症状 | 疑う原因 | 最初にすること |
|---|---|---|
| 葉が食われ黒い糞が落ちている | アゲハの幼虫 | 葉裏を見て幼虫を捕る |
| 葉に丸い茶色の斑点、周りが黄色い | かいよう病 | 病葉を取り除き、雨を避ける |
| 葉がかすれて白っぽい | ハダニ | 葉裏に水をかけて流す |
| 新芽が縮れて白い虫 | アブラムシ | 指でつぶすか水で流す |
| 実の表面に灰色の斑点 | そうか病かかいよう病 | 傷んだ実を採り、翌年は予防を |
| 葉が茶色くしおれて落ちる | 寒害 | 防寒を強め、春まで切らない |
アゲハの幼虫は若木の天敵
かんきつの葉はアゲハチョウの幼虫の食草で、文旦の柔らかい新芽は特に狙われます。若木だと一週間で丸坊主になることもあります。春から秋まで、卵と幼虫を見つけ次第取ることが一番の対策です。
- 新芽の裏を毎日見る
- 黄色い小さな卵と、鳥の糞に似た黒い幼虫を探します。五月から九月は三日に一度は確かめる目安です。
- 見つけたら手で取る
- 幼虫は指か割り箸で取り除きます。緑色に育った幼虫は角から臭いを出しますが害はありません。
- 若木は網をかける
- 植えて三年以内の木は、目の細かい防虫網で全体を覆うと産卵を防げます。開花中は外して受粉させます。
- 被害が広いときは薬で
- 数が多く手で追いつかないときは、かんきつに使える殺虫剤を使います。収穫前の日数を確かめて使います。
かいよう病は雨と傷から
かいよう病は葉や実にコルク状の茶色い斑点が出る細菌の病気です。雨のはね返りと風で広がり、アゲハやミカンハモグリガの食い傷から入ります。文旦は特にかかりやすい種類で、一度出ると翌年も残ります。
薬で治すより、雨よけと傷を減らすことで防ぎます。鉢植えは軒下に置くだけでかなり減ります。新芽の伸びる時期にアゲハやハモグリガの食い傷を作らないことも、そのまま予防になります。地植えでは風当たりを弱め、病葉を見つけ次第取ります。
- 病葉と病果を取る
- 斑点のある葉と実は見つけ次第取り、袋に入れて捨てます。落ち葉も残さず拾い、堆肥には入れません。使ったハサミは次の木に移る前に消毒します。
- 春先に銅剤で予防
- 発芽前の三月に、かんきつ用の銅剤を散布すると初期の発生を抑えられます。花の時期は避けます。
- 風と雨を避ける
- 北風の当たる場所では風よけを立て、鉢植えは雨の当たらない軒下に置きます。台風のあとは特に注意して見回ります。
かいよう病の斑点は指で触るとざらつきます。触ってもなめらかなら別の病気か薬害です。斑点の周りに黄色い輪があるかどうかも見分けの目安になります。
ハダニとアブラムシ
乾燥する夏はハダニ、春の新芽にはアブラムシが付きます。どちらも葉裏に潜み、数が増えてから気づくことが多いです。葉の色と艶を目安に、早めに見つけます。
| 虫の種類 | 出やすい時期 | 対処 |
|---|---|---|
| ハダニ | 7〜9月の乾燥時 | 葉裏に勢いよく水をかける、週二回 |
| アブラムシ | 4〜6月の新芽 | 指でつぶす、牛乳を薄めて吹きかける |
| カイガラムシ | 通年、枝と葉裏 | 歯ブラシでこすり落とす |
| ミカンハモグリガ | 夏の新芽 | 白い筋の葉を摘む、新芽の伸びを揃える |
霜と寒風の害
文旦の最大の敵は寒さです。マイナス三度で葉が傷み、マイナス五度が続くと枝まで枯れます。実はマイナス二度で凍って苦くなります。関東の露地では毎年の防寒が前提で、鉢植えは室内に取り込むのが確実です。
- 幹に藁を巻く
- 地際から五十センチの幹に藁やこもを巻き、根元にマルチを厚く敷きます。根と幹の付け根が凍らなければ春に芽が出ます。
- 不織布で全体を覆う
- 初霜の前に不織布で全体を覆います。実が付いている場合は、実に布が触れないよう支柱で浮かせます。
- 鉢は室内の窓際へ
- 最低気温が三度を下回る日が続いたら、明るい窓際に取り込みます。暖房の風が直接当たらない場所を選びます。
- 傷んでも春まで切らない
- 寒さで葉が落ちても、枝はすぐには切りません。三月末に緑の部分を確かめて、枯れたところだけ切り戻します。
寒害で葉が落ちた木は、春に肥料を与えすぎると弱ります。新芽が出るまでは水だけで様子を見ます。
薬を使う前の見分け
斑点や葉の変色は、病気ではなく肥料や水の問題のこともあります。薬をかけても直らない症状を先に外しておくと、無駄な散布を減らせます。
| 見た目 | 病害虫ではないとき | 確かめ方 |
|---|---|---|
| 葉脈だけ緑で葉が黄色い | マグネシウム不足 | 古い葉から出るなら肥料、新しい葉なら根の傷み |
| 葉先が茶色く枯れる | 肥料の与えすぎか塩害 | 土を水で流して二週間様子を見る |
| 葉が内側に巻く | 水切れ | 夕方に戻るか見る、戻らなければ水を |
| 実の皮が割れる | 急な水の変化 | 秋の水やりを一定にする |
文旦の収穫までのコツは作物ページに
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