木の年齢で切り方を決める
文旦の剪定は、実をならせる前の若木と、実がなり始めた成木で目的が変わります。若木は骨格を作るために切り、成木は日当たりと実の数を整えるために切ります。同じ強さで切ると、若木は実がなるのが遅れ、成木は枝ばかり伸びます。
| 木の状態 | 剪定の目的 | 切る強さ |
|---|---|---|
| 植えて1〜3年 | 主枝を3本決めて骨格を作る | 強め、先端を三分の一切り戻す |
| 4〜6年で実がなり始めた | 実がつく枝を増やす | 弱め、混んだ枝を間引くだけ |
| 7年以上の成木 | 日当たりと実の数を整える | 中程度、内側の枝と徒長枝を抜く |
| 実がならなくなった老木 | 枝を若返らせる | 太枝を一本ずつ数年かけて切り戻す |
剪定の時期は三月
文旦は常緑樹で、落葉果樹のような真冬の剪定は寒さの害を呼びます。切り口から冷えが入り、枝が枯れ込むためです。寒さが緩む三月上旬から下旬、新芽が動く直前が適期です。
夏の剪定は最小限にします。強く切ると徒長(枝が勢いよくまっすぐ伸びすぎること)した枝が出て、翌年の花芽が減ります。夏は混んだ部分を軽く透かすだけにとどめます。
- 寒波が終わってから
- 三月でも寒の戻りがある年は、最低気温が氷点下にならなくなってから切ります。一週間の予報を見て判断します。
- 晴れた日に切る
- 雨の日や雨の直前に切ると、切り口から病原菌が入りやすくなります。乾いた日を選び、太い枝の切り口には癒合剤を塗ります。
- 一度に切りすぎない
- 葉の三割以上を一度に落とすと、養分が不足して花が付かなくなります。迷ったら残し、翌年に持ち越します。
若木は主枝三本を決める
文旦は大きな実を支えるために太い骨格が必要です。植えて一年目から三年目のうちに、幹から出る主枝を三本に絞り、それぞれが違う方向へ広がるように育てます。
- 一年目は先端を切る
- 植えた年の三月に、幹の先端を地上五十センチから六十センチで切り戻します。そこから出る新梢の中から、方向の違う三本を主枝候補として残します。
- 二年目は主枝の先を三分の一切る
- 残した三本の先端をそれぞれ三分の一切り戻し、枝分かれを促します。幹から出るほかの枝は根元から切ります。
- 三年目は角度を開く
- 主枝が立ち気味なら、ひもで引いて四十五度前後に開きます。立ったままだと実の重みで裂けやすくなります。
若木のうちに花が咲いたら摘み取ります。実をならせると枝の伸びが止まり、骨格が細いまま固まります。
成木は内側を透かす
実がなり始めたら、切る量を減らして混んだ枝を間引く剪定に切り替えます。文旦の花芽は前年に伸びた充実した枝の先に付くので、その枝を残しながら、日が当たらない内側の枝を抜きます。
- 内向きの枝を根元から
- 幹の方へ向かって伸びる枝、ほかの枝と交差する枝を根元から切ります。内側に日が入ると、内側の枝にも実が付くようになります。
- 徒長枝を抜く
- 夏に一メートル近く真上に伸びた枝は、ほとんど実が付きません。根元から切るか、空いた場所を埋めたいなら三分の一に切り戻して使います。
- 下垂した枝を切り戻す
- 前年に実をならせて垂れ下がった枝は、勢いが弱って翌年の実が小さくなります。上向きの芽のところで切り戻して更新します。
- 枯れ枝と細い枝を除く
- 鉛筆より細い枝は実を支えられません。枯れ枝と一緒に取り除き、太い枝に養分を集めます。
枝が垂れる木の支え
文旦の実は一つで五百グラムを超え、晩白柚なら二キロに達します。秋から冬に実が肥大すると枝が大きく垂れ、放っておくと枝の付け根から裂けます。剪定だけでは防げないので、支柱で受けます。
| 枝の姿 | 起きること | 対処 |
|---|---|---|
| 実が付いて弓なりに垂れる | 付け根が裂ける | 枝の下に又木の支柱を入れて受ける |
| 先端が地面に付く | 実が土に触れて傷む | ひもで上の枝に吊り上げる |
| 一枝に実が3個以上 | 枝が折れる | 9月までに一枝1〜2個に間引く |
| 主枝ごと傾く | 幹の割れ | 太い支柱を斜めに当てて幹を結ぶ |
支柱と枝の間には布や古い靴下を挟みます。直接結ぶとひもが食い込んで枝を傷めます。
切ったあとの手当てと失敗の戻し方
剪定のあとに枝が枯れ込む、翌年に花が付かないというときは、切る量か時期を間違えています。起きたことをたどって、次の年の切り方を変えます。
文旦は切りすぎた年の翌年、その翌年と、二年かけて戻るのが目安です。強く切った直後に肥料で急がせると徒長枝ばかり出るので、翌年は切らずに待つ判断も必要です。
| 起きたこと | 原因 | 戻し方 |
|---|---|---|
| 切り口から枝が枯れ込んだ | 寒い時期に切った | 枯れた部分を緑のところまで切り直し、癒合剤を塗る |
| 翌年に花がほとんど付かない | 切りすぎか夏に強く切った | 翌年は間引きだけにし、肥料も控えめにする |
| 徒長枝が何本も立った | 太枝を一度に切った | 夏に徒長枝の先を摘み、翌春に三分の一を残して整理する |
| 実が小さく数だけ多い | 枝を透かしていない | 内側の枝を抜き、一枝の実を1〜2個に減らす |
文旦の剪定に使うもの
剪定でいちばん多い失敗は、切れない道具で無理に切ることです。切り口が潰れると、そこから枯れ込みます。
- 剪定ばさみ探す言葉「剪定ばさみ バイパス 果樹」
- 規格の目安
- 刃渡り 5〜6cm、直径 2cm まで。バイパス式。手の大きさに合ったものを。
生きた枝を切るならバイパス式です。アンビル式は枝を潰すので、切り口がふさがるまでに時間がかかります。
- 剪定のこぎり探す言葉「剪定のこぎり 折込 24cm 生木」
- 規格の目安
- 刃渡り 24cm 前後、生木用の粗い刃。折込式は持ち運べます。
直径 2cm を超えたらのこぎりに切り替えます。太い枝は下側に受け口を入れてから切ると、樹皮が裂けません。
- 癒合剤探す言葉「癒合剤 トップジン 剪定」
- 規格の目安
- ペースト状で刷毛の付いたもの。
直径 3cm を超える切り口に塗ります。乾燥と雨から切り口を守るためで、小さい切り口には要りません。
- 消毒用アルコール探す言葉「消毒用アルコール スプレー」
- 規格の目安
- 濃度 70〜80%。スプレー式。
木を変えるたびに刃を拭きます。切り口から入る病気は、道具が運ぶことが少なくありません。
- 直径 3cm 以下の切り口には癒合剤は要りません。塗りすぎると内側が乾かないこともあります。
- 電動の剪定ばさみは、木が何本もあるようになってからで十分です。
文旦の収穫までのコツは作物ページに
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