水やりは土と葉を見て決める
地植えは根付いた後、真夏の乾燥時以外は雨まかせで育ちます。鉢植えは土の表面が乾いてから鉢底から流れるまでたっぷり与えるのが基本です。葉が内側に巻いてくると水が足りないサインで、そのままにすると幼い実が落ちます。
秋の実が色づく時期は、やや乾かし気味にすると糖度が上がります。ただし完全に乾かすと実が小さくなるので、葉が巻く前には与えます。
| 時期 | 鉢植えの頻度 | 見るポイント |
|---|---|---|
| 4〜6月 | 二〜三日に一回 | 土の表面が乾いたら |
| 7〜8月 | 毎日、猛暑は朝夕 | 葉が巻き始める前に |
| 9〜11月 | 三〜四日に一回 | やや乾かし気味で甘くする |
| 12〜3月 | 週に一回程度 | 土がしっかり乾いてから |
地植えでも植えて三年以内の木は、夏に一週間雨がなければバケツ二杯の水を与えます。
肥料は年三回
ポンカンは肥料を切らすと葉の色が薄くなり、実が小さく酸っぱくなります。三月の春肥、六月の夏肥、十一月のお礼肥の年三回が基本です。春肥は一年の成長を支える最も多い回で、夏肥は実を太らせ、お礼肥は収穫で消耗した木を回復させます。
- 三月の春肥
- 芽吹き前に油かすか緩効性の化成肥料を、地植えの成木で二〜三握り、十号鉢で大さじ二杯ほど、幹から五十センチ離してまきます。
- 六月の夏肥
- 実が親指の先ほどになったころ、化成肥料を春の半分ほど与えます。実が太る時期に肥料が切れると落果が増えます。
- 十一月のお礼肥
- 収穫の前後に春の半分ほどを与え、木を回復させます。十二月以降は与えず、冬の間は休ませます。
追肥(育ちの途中で足す肥料)は多いほどよいわけではありません。窒素が多すぎると枝ばかり伸びて実が甘くなりません。
置き場所と日当たり
一年を通して日当たりのよい場所に置きます。日照が足りないと枝が間延びして花がつかず、実の色も悪くなります。地植えなら一日六時間以上、鉢植えのベランダなら南か東向きで五時間以上日が当たる場所が目安です。真夏は鉢の側面に日が当たると根が傷むので、鉢を二重にするか日よけを立てます。
| 場面 | 置き場所 | 注意点 |
|---|---|---|
| 春と秋 | 屋外の日なた | 風の強い日は倒れないよう寄せる |
| 真夏 | 葉に日を当て鉢は日陰 | 鉢を二重にする |
| 冬 | 軒下か室内の窓辺 | 暖房の風を直接当てない |
| 室内 | 南向きの窓辺 | 昼は窓を開けて風を通す |
室内に入れる前に葉の裏を確かめ、虫がついていれば洗い流してから取り込みます。
摘果で実の大きさをそろえる
ポンカンは花が多くつき、そのままでは小さな実がたくさんついて木が疲れます。六月下旬から七月、自然に落ちる実が落ち終わったころに、葉二十五枚に実一個を目安に摘みます。摘果をしないと翌年に花がつかない隔年結果が起きやすくなります。
- 生理落果を待つ
- 六月に小さな実が自然に落ちます。これが終わるまでは摘まず、七月に入って残った実から選びます。
- 傷のある実と小さい実を落とす
- 傷や変形のある実、極端に小さい実、枝の先端で日に焼けそうな実から順に摘みます。ハサミで軸を切ります。
- 葉の数で最終調整
- 一枝ずつ葉を数え、二十五枚に一個を目安に残します。鉢植えでは全体で五〜二十個に抑えます。
実が多かった年ほど翌年の花が減ります。多い年は摘果を強めにして、毎年の収穫をならします。
冬越しの仕方
関東平野部では十一月下旬、最低気温が三度を下回る日が出たら鉢植えは軒下か室内へ移します。実がついたままなので、実に霜を当てないことが大切です。地植えは株全体を不織布で覆い、寒波の予報が出たら二重にします。冬の水やりは控えめにし、土の表面が乾いて二〜三日後に与えます。
- 取り込む前に鉢を軽くする
- 枯れ葉と落ちた実を片付け、鉢の表面の古い土を一センチほど取り替えます。虫や卵を持ち込みにくくなります。
- 軒下なら鉢ごと保温
- 鉢を発泡スチロール箱に入れるか段ボールで囲み、株全体を不織布で二重に覆います。日中の暖かい時間は覆いを外して日に当てます。
- 三月に徐々に外へ
- 三月中旬から、まず昼だけ外に出し、一週間かけて慣らしてから戻します。急に出すと葉が焼けます。
室内は五度から十度くらいの明るい場所が理想です。暖かすぎると春を待たずに芽が動きます。
葉の色で足りないものを見分ける
葉の色と形は、水と肥料の過不足を映します。全体が薄い黄緑なら窒素不足、葉脈だけ緑で間が黄色ならマグネシウム不足、葉が小さく硬いなら根詰まりや水不足です。柑橘は葉の変化が早いので、週に一回は葉を見て判断します。
| 見た目 | 原因 | 手当て |
|---|---|---|
| 全体が薄い黄緑 | 肥料不足 | 液体肥料を二週に一回 |
| 葉脈だけ緑で間が黄色 | マグネシウム不足 | 苦土石灰を少量か柑橘用肥料 |
| 葉が内側に巻く | 水切れ | たっぷり与え、敷きわら |
| 葉が黄色く落ちる | 水のやりすぎか寒さ | 乾かし気味にし暖かい場所へ |
新しい葉が濃い緑で大きく出ていれば管理は合っています。古い葉が少し落ちるのは自然な入れ替わりです。
弱ったときの立て直し
葉が半分以上落ちた、枝先が枯れ込んだ、というときは、肥料をやめて水を安定させ、明るく暖かい場所で回復を待ちます。弱った木に肥料を与えると根がさらに傷みます。実がついていれば全部落とし、新芽が出てから薄い液体肥料で少しずつ戻します。
| 状態 | 原因 | 手当て |
|---|---|---|
| 葉が一気に落ちた | 寒さ・環境の急変 | 暖かい場所で肥料を止める |
| 根が黒く柔らかい | 根腐れ | 腐った根を切り新しい用土へ |
| 枝先が枯れ込む | 寒さか切りすぎ | 春に緑の部分まで切り戻す |
| 実だけ落ちる | 水切れ・肥料切れ | 水を安定させ夏肥を確かめる |
回復した年は実をならせず、翌年から再開すると木が長持ちします。
ポンカンの育てている間に使うもの
木の管理は、施肥と草の始末と、幹を守ることです。年に数回しかやらないぶん、道具は長く使えるものを選びます。
数量は植えて数年たった木 1 本を単位にしています。
- 有機質肥料探す言葉「油かす 骨粉 有機質肥料」
- 規格の目安
- 油かすと骨粉の配合。5〜10kg 袋。
- 数量の目安
- 成木 1 本に、寒肥で 1〜2kg。実を穫ったあとのお礼肥に 300〜500g。
樹冠の外側の地面に、浅く溝を掘って埋めます。細い根は幹の近くではなく、枝先の真下に伸びています。量は樹種と樹齢で変わります。
出典: 農林水産省「施肥基準 — 果樹」
- バーク堆肥(マルチング用)探す言葉「バーク堆肥 マルチング 40L」
- 規格の目安
- 40L 前後の袋。株元に厚さ 5cm ほど敷きます。
- 数量の目安
- 株元 1 ㎡ で 50L 前後。
夏の乾きと冬の凍結の両方を和らげます。年々分解して土に混ざるので、土壌改良も兼ねます。
- 幹に巻く防虫テープ探す言葉「カミキリムシ 幹 ネット 防虫」
- 規格の目安
- 幹に巻く網か、専用のテープ。地際から 50cm ほどを覆います。
テッポウムシ(カミキリムシの幼虫)は幹に卵を産みます。入られてからでは手の打ちようが減るので、産ませないのが基本です。
- 草刈り鎌・三角ホー探す言葉「草刈り鎌 園芸」
- 規格の目安
- 刃渡り 15cm 前後の鎌か、刃幅 10〜15cm の三角ホー。
株元の草は、幹に虫を呼び込みます。株元 50cm だけでも空けておくと、幹の様子を確かめられます。
- 若木のうちは寒肥だけで足ります。実を穫るようになってからお礼肥を足します。
- 除草剤は幹の近くでは使わないほうが無難です。根が吸います。
ポンカンの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はポンカンの育て方にまとめています。
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