地域で育て方を決める
ポンカンは温州ミカンより寒さに弱く、氷点下三度を下回る日が続くと葉が傷み、氷点下五度で枝が枯れます。産地が鹿児島や愛媛、高知など暖かい地域に集中しているのはそのためです。関東平野部では、冬に寒風の当たらない南向きの壁際なら地植えできますが、鉢植えで冬に軒下へ移す方が安全です。
まず自分の地域の最低気温を思い出し、氷点下三度を下回る日が年に何回あるかで、地植えか鉢植えかを決めます。迷うなら鉢植えから始め、数年育てて越冬できると分かってから地植えに移す方法もあります。
| 地域 | 育て方 | 冬の扱い |
|---|---|---|
| 寒冷地 | 鉢植えのみ | 十一月から室内の明るい窓辺 |
| 関東平野部 | 鉢植えか壁際の地植え | 地植えは不織布で覆う |
| 暖地 | 地植え | 植えて三年は寒波時に覆う |
実を木につけたまま十二月まで置くので、その時期に霜が降りる場所では実が傷みます。実の収穫まで含めて寒さを考えます。
苗の選び方と品種
苗は二年生以上の接ぎ木苗が育てやすく、幹が鉛筆より太く、葉の色が濃くつやのあるものを選びます。ポンカンには実の形が丸い高しょう系と、平たい低しょう系があり、家庭では甘みが強く皮がむきやすい高しょう系が人気です。品種名で選べるなら、太田ポンカンや吉田ポンカンなどの名前を確かめます。
| 系統 | 実の姿 | 特徴 |
|---|---|---|
| 高しょう系 | 腰高で丸い | 甘みが強く、皮が厚めでむきやすい |
| 低しょう系 | 平たく大きい | 収量が多く、やや酸味が残る |
| 接ぎ木の台木 | カラタチが一般的 | 寒さに強く、木が小さくまとまる |
ラベルに系統が書かれていないことも多いです。分からなければ店で実の形を尋ねるか、皮がむきやすいと書かれたものを選びます。
植える時期
植え付けの適期は三月中旬から四月上旬、新芽が動く直前です。この時期に植えると春のうちに根が張り、夏の暑さと冬の寒さに耐えられます。秋植えは根が張る前に冬になるので、寒さに弱いポンカンには向きません。鉢に入った苗なら五月から六月でも植えられますが、根を崩さないことが条件です。
- 遅霜の終わりを待つ
- 関東平野部では三月下旬までは遅霜があります。天気予報で最低気温が五度を下回らなくなってから植えます。
- 苗を届いたまま置かない
- 冬に届いた苗は、そのままの鉢で室内の明るい場所に置き、春を待ってから植え替えます。乾かさない程度に水を与えます。
- 植える前日に水を吸わせる
- 苗の鉢をバケツの水に十分ほど浸け、根鉢全体に水を含ませてから植えます。乾いた根鉢のまま植えると水が回りません。
梅雨に入ってからの植え付けは、根が張る前に長雨で傷むことがあります。六月中旬までに済ませます。
地植えの手順
南向きで北風を建物や生け垣が遮る場所に、直径と深さ五十センチほどの穴を掘ります。掘り上げた土に腐葉土と堆肥を三割ほど混ぜ、元肥(植える前に土へ混ぜておく肥料)として油かすを一握り加えます。成木は高さ三メートル、幅も同じくらいになるので、隣の木や壁から二メートル以上離します。
- 高めに植える
- 周りの地面より十センチほど高く盛り上げて植えます。柑橘は根に空気が要る木で、低く植えると雨のたびに根が水に浸かります。
- 接ぎ木部分を土に埋めない
- 接いだこぶが地面より上に出る高さに植えます。埋めると台木の性質が失われ、根元から台木の芽が出て手に負えなくなります。
- 支柱と水
- 幹の脇に支柱を一本立てて結び、株の周りに土手を作ってバケツ二杯ほどの水を注ぎます。根付くまでの二週間は乾かさないように見ます。
- 株元に敷きわら
- 植え終えたら幹の周りに敷きわらかバークチップを五センチほど敷きます。乾きが遅れ、冬は根の凍結も防げます。
植えて三年ほどは冬に不織布で株全体を覆います。木が大きくなると少しずつ寒さに強くなります。
鉢植えの手順
最初の鉢は八号から十号が目安です。いきなり大鉢に植えると土が乾かず根腐れしやすくなります。用土は市販の柑橘用培養土か、赤玉土六、腐葉土三、軽石一を混ぜたものを使い、鉢底には軽石を敷いて排水を確保します。二〜三年ごとに一回り大きな鉢に植え替え、最終的には十二号から十五号で落ち着かせます。
| 鉢の大きさ | 苗の状態 | 植え替えまでの年数 |
|---|---|---|
| 8〜10号 | 二年生の接ぎ木苗 | 2年 |
| 12号 | 四〜五年目の結実開始 | 2〜3年 |
| 15号以上 | 成木 | 根詰まりを見て随時 |
鉢植えは根が限られるので、実の数を葉の数で決めます。葉二十五枚に実一個を目安に六月に摘果します。
根付かないときの原因を切り分ける
植えて一か月たっても新芽が動かない、葉が黄色くなって落ちる、というときは、水と温度と根の三つを順に確かめます。柑橘は環境の変化で葉を落としやすい木ですが、枝が緑なら回復します。
| 症状 | 考えられる原因 | 手当て |
|---|---|---|
| 葉が落ちるが枝は緑 | 環境の変化・水切れ | 水を安定させて待つ |
| 葉が黄色く縁から枯れる | 水のやりすぎ・根腐れ | 乾かし気味にし鉢底を確かめる |
| 新芽が出ない | 植え付けが早く低温 | 暖かい場所へ移す・覆う |
| 根元から葉の違う芽 | 接ぎ木部分を埋めた | 台木の芽を切り、土を減らす |
枝の先を少し切って中が緑なら生きています。茶色なら緑になるところまで切り戻し、水を控えて様子を見ます。
ポンカンの植え付けに使うもの
木は一度植えたら動かせません。植え穴と支柱をきちんと作るかどうかで、その後の何年かが決まります。
数量は苗木 1 本を単位にしています。
- 完熟堆肥・腐葉土探す言葉「完熟堆肥 バーク 40L」
- 規格の目安
- バーク堆肥か腐葉土。40L 前後の袋。
- 数量の目安
- 植え穴 1 つ(直径 60cm × 深さ 50cm)に 20〜30L を掘り上げた土と混ぜます。
穴を大きく掘って土を入れ替えるのが植え付けの本体です。ここを手抜きすると、根が広がらないまま何年も伸び悩みます。
- 支柱(添え木)探す言葉「園芸支柱 太い 180cm」
- 規格の目安
- 直径 25〜30mm × 長さ 180cm。1 本の添え木か、2 本の二脚(鳥居型)。
根が張るまでの 1〜2 年、風で株元が動くと細い根が切れ続けます。細い支柱では木の重さを支えられません。
- 樹木用の結束テープ探す言葉「樹木 誘引 テープ 幅広」
- 規格の目安
- 幅 20mm 前後の伸びる素材か、麻ひもと当て布。
幹は太ります。細いひもで縛ると食い込み、そこで水の通り道を締めてしまいます。幅の広いもので 8 の字に留めます。
- 緩効性肥料(元肥)探す言葉「緩効性肥料 元肥 樹木」
- 規格の目安
- 粒状で長く効くタイプ。
- 数量の目安
- 植え穴 1 つに 50〜100g。根に直接触れないよう、土を一枚かぶせてから植えます。
植え付け直後は根が傷んでいます。濃い肥料が触れると、そこから傷みが広がります。
- 鉢で育てるなら支柱は短いもので足ります。180cm の添え木は地植え用です。
- 植え穴に石を入れる必要はありません。水はけが悪いなら、盛り土にして高く植えるほうが効きます。
ポンカンの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はポンカンの育て方にまとめています。
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