適期は5月から9月、選ぶのは充実したつる
発根には20℃以上の温度が要ります。5月から9月なら一、二週間で根が出ますが、10℃台まで下がる時期は一か月かけても出ないまま切り口が傷みます。冬は無理をせず、春まで待つほうが結果が早くなります。
選ぶのは細く間延びした先端ではなく、節が詰まって葉の大きい部分です。節から気根が出ているつるは、そのまま水に入れれば伸び始めるので最も確実に根づきます。
手元のつるがどれに当たるかを先に決めてから切ります。向かないつるを使うと、水を替えても二週間で根が出ず、切り口から溶けて終わります。
| つるの状態 | 挿し穂への向き | 扱い |
|---|---|---|
| 節が詰まり葉が大きい | 最も向く | 2節から3節で切って使う |
| 節から気根が出ている | 向く | 気根ごと水に入れると早く根づく |
| 細く間延びした先端 | 向かない | 切り戻して株の形を整えるのに回す |
| 葉が黄ばんだ古いつる | 向かない | 付け根から切って処分する |
斑の入り方は挿し穂に似ます。斑のきれいな節を選べば斑の入った株に、緑一色の節からは緑の株になります。
水挿しの手順
- 節を二つ以上つけて切る
- 先端から葉が三、四枚、節が二つ以上入る長さで切ります。節が一つだと、根の出る節と芽の出る節を同時に確保できません。
- 下の葉を落とす
- 水に浸かる側の葉を取り除きます。葉が水中に残ると腐って水が濁り、そのまま切り口まで傷みが回ります。
- 浅い水に挿す
- 下の節が沈む程度の浅い水に挿します。深く沈めるほど良いわけではなく、水面に近いほうが酸素が届いて発根が早まります。
- 明るい日陰に置く
- 直射日光の当たらない明るい窓辺に置きます。日なたでは水温が上がって藻が出て、出たての根がすぐ傷みます。
- 水は二、三日で替える
- 濁る前に取り替え、容器のぬめりも洗い流します。替えずにいると、根が出る直前の切り口に雑菌が回って黒くなります。
発根までの目安
根が2センチほどで土に植えると、土の中でうまく吸えずに成長が止まることがあります。5センチほど伸びて細い枝根が出てから移すと、そのまま伸び続けます。急がないことが最大のこつです。
| 経過 | 見えること | やること |
|---|---|---|
| 1〜3日 | 見た目の変化はない | 水を替えるだけで動かさない |
| 4〜10日 | 節が膨らみ白い点が出る | 容器を移動させずに待つ |
| 10〜20日 | 白い根が2、3センチ伸びる | まだ水のまま育てる |
| 3〜5週 | 根が5センチを超え枝分かれ | 土に植えるか水のまま続ける |
水から土へ移す
- 小さめの鉢を選ぶ
- 挿し穂三、四本で3号鉢が目安です。大きな鉢に少数を植えると土が乾かず、根が出たばかりの株には過湿になります。
- 細かい土で植える
- 観葉植物用の培養土に、水はけを補う軽石を少し混ぜます。粗い土だけでは細い根が空気に触れて乾いてしまいます。
- 植えた直後はたっぷり
- 植え付け後は鉢底から出るまで水を与え、以後は表土が乾いたら与えます。水の生活から土の生活への切り替え時期です。
- 二週間は明るい日陰
- 根が土に慣れるまで直射日光を避けます。葉が少し垂れても、土が湿っているなら水を足さずに待つのが正解です。
水で伸びた根は土の根とつくりが違い、移した直後に何本か枯れます。一時的に葉が垂れても、新芽が動けば根が入れ替わっています。
土に直接挿す
水挿しは根の様子が見えて安心ですが、土に直接挿したほうが植え替えの手間がなく、その後の伸びも早くなります。数をそろえたいときは土挿し、一本を確実に育てたいときは水挿しと使い分けます。
- 肥料のない土を湿らせる
- 挿し木用の土か赤玉土の小粒を、あらかじめ湿らせて使います。肥料分の入った土は、切り口を傷めて腐りやすくします。
- 切り口を斜めに整える
- 節の下で斜めに切り、下の葉を落とします。水を吸う断面が広くなり、土にも挿しやすくなります。
- 節が埋まる深さに挿す
- 節が一つ土に埋まる深さに挿し、指で土を寄せて固定します。ぐらつくと、出はじめた細い根が動くたびに切れます。
- 乾かさずに待つ
- 発根までは土を常に湿った状態に保ちます。透明な袋をかぶせて湿度を保つと、発根が一週間ほど早まります。
根が出ないときの切り分け
| 起きていること | 原因 | 対処 |
|---|---|---|
| 切り口が黒く溶ける | 水の交換不足か高温 | 黒い部分を切り直し毎日水を替える |
| 三週間たっても変化なし | 気温が20℃を下回っている | 暖かい部屋の明るい日陰へ移す |
| 葉だけ黄色くなる | 挿し穂が細く体力が足りない | 節の詰まった太いつるから取り直す |
| 根は出たが伸びない | 光が足りない | レースのカーテン越しの窓辺へ移す |
一度に何本も挿すのが最大の保険です。三本挿せば条件が悪くても一本は残り、差が出た原因の見当もつけやすくなります。
増やした株を親株に育てる
- 肥料は一か月後から
- 植えてすぐの施肥は出たての根を傷めます。新芽が二枚開いたら、薄めた液体肥料を二週に一度から始めます。
- 早めに先端を摘む
- つるが20センチほど伸びたら先端を摘みます。摘心(先端を摘んで枝数を増やすこと)といって、先を切って枝数を増やす作業で、一本立ちの間延びを防げます。
- 三本を一鉢に寄せる
- 別々の鉢に分けるより、三本を一鉢に寄せるほうが早くまとまります。密度が出て、市販の鉢に近い見栄えになります。
- 一年後に植え替える
- 順調なら一年で鉢が根でいっぱいになります。翌年の5月から7月に、一回りだけ大きな鉢へ移します。
ポトスの挿し木・株分けに使うもの
鉢ものは剪定した枝がそのまま材料になります。水に挿すだけで根が出る種類も多く、道具はほとんど要りません。
- 挿し木用土(鹿沼土・赤玉土小粒)探す言葉「挿し木 用土 鹿沼土 小粒」
- 規格の目安
- 鹿沼土か赤玉土の小粒、単用。肥料分のないもの。
- 数量の目安
- 3 号ポット 1 個で 0.2L。
肥料分があると、根が出る前に切り口が傷みます。清潔で肥料のない土であることが条件です。
- 水挿し用の容器探す言葉「ガラス 花瓶 小さい 水耕」
- 規格の目安
- 口の細いガラス容器。中が見えるもの。
根の出方を目で確かめられます。水は 2〜3 日に一度替え、切り口が濁ったら洗います。
- よく切れるはさみ・カッター探す言葉「園芸ばさみ 切れ味 ステンレス」
- 規格の目安
- 刃渡り 3〜5cm。使う前にアルコールで拭きます。
切り口が潰れると水を吸えません。節の少し下を斜めに一度で切ります。
- 3 号ポット探す言葉「ポリポット 3号 育苗」
- 規格の目安
- 直径 9cm(3 号)。
根が出るまでは小さい容器のほうが乾き具合を見やすく、失敗しても被害が小さくて済みます。
- 水挿しで根が出る種類なら、用土も発根促進剤も要りません。
- 多肉植物は切り口を数日乾かしてから挿します。水に挿すと腐ります。
ポトスの上手に育てるコツは作物ページに
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