暦ではなく室温で切り替える
ポトスの一年は、生育期(おおむね室温20℃以上)と休眠期(15℃を下回る時期)の二つに分かれます。水やりも肥料も剪定も、この境目でやり方が変わります。まず自分の部屋がいつ境目を越えるかを知ります。
暦の月はあくまで目安です。暖房の効いた部屋なら12月でも新芽が伸び、暖房のない北向きの部屋では4月まで休眠が続きます。温度計を鉢のそばに置けば、以下の表を自分の部屋に合わせて読み替えられます。
以下の表は室温15℃から25℃で推移する一般的な室内を前提にしています。玄関や廊下など暖房の届かない場所に置く鉢は、表より一か月早く冬の管理へ入り、一か月遅く春の管理へ移ると考えます。
| 室温 | 株の見え方 | 切り替えること |
|---|---|---|
| 25度以上 | 新芽が次々に開く | 水はたっぷり、肥料と剪定を続ける |
| 20度前後 | ゆっくり伸び続ける | 表土が乾いたら水。肥料は月に一度 |
| 15度前後 | 伸びが止まる | 水の間隔を倍に空け、肥料を止める |
| 10度を下回る | 葉が垂れて色が抜ける | 断水ぎみにし、窓から離して置く |
室温は人のいる高さではなく、鉢の高さで測ります。床に直接置いた鉢は、部屋の温度より3℃ほど低いことがあります。
春(3〜5月)動き出す時期
植え替えも剪定も増やす作業も5月に集中させると、その後の四か月で回復と成長が済みます。3月に焦って手を入れると、根が動かないまま切り口だけが傷み、一か月分の遅れになります。
| 月 | 株の状態 | やること |
|---|---|---|
| 3月 | まだ休眠。新芽は動かない | 水やりは控えめのまま。傷んだ葉を取る |
| 4月 | 新芽が動き始める | 水やりを通常に戻す。置き場所を明るく |
| 5月 | 本格的に伸び出す | 植え替え・切り戻し・挿し木の適期。施肥開始 |
3月に出た新芽が細く間延びしていたら、光不足の合図です。4月の置き場所を一段明るい位置に決め直します。
夏(6〜8月)最も伸びる時期
締め切った真夏の室内は40℃近くになり、生育期でも株の動きが止まります。窓辺の鉢は昼だけ部屋の奥へ動かすか、レースのカーテンを閉めて温度を下げると、8月も伸び続けます。
| 月 | 株の状態 | やること |
|---|---|---|
| 6月 | つるが一気に伸びる | 支柱へ誘引。液体肥料を二週に一度 |
| 7月 | 鉢の乾きが速い | 乾いたらすぐ水やり。直射日光は避ける |
| 8月 | 高温で伸びが鈍る日もある | 葉水と風通し。葉裏でハダニを確認 |
6月から9月は伸びが速く、二週間で姿が変わります。写真を月に一度残すと、翌年の手入れの目安になります。
秋(9〜11月)減らし始める時期
秋の失敗は、夏の水やりの間隔をそのまま続けてしまうことです。気温が20℃を切ったら乾いて一日おく、15℃を切ったら三日おく、と段階的に空けていくと根を傷めずに冬へ入れます。
| 月 | 株の状態 | やること |
|---|---|---|
| 9月 | まだよく伸びる | 切り戻しと挿し木ができるのはここまで |
| 10月 | 伸びが目に見えて鈍る | 肥料を止める。水やりの間隔を空け始める |
| 11月 | 休眠へ入る | 屋外の鉢は室内へ。夜の窓ぎわの冷えに注意 |
屋外の鉢を取り込む前に、葉裏と鉢底を確認します。虫を室内へ持ち込むと、冬の間に部屋の株全体へ広がります。
冬(12〜2月)耐える時期
冬に葉が数枚黄色くなって落ちるのは、寒さと乾燥に合わせて株が葉を減らしているだけのことがあります。株元と茎に張りが残っていれば、春に新芽が出るので慌てて水や肥料を足しません。
| 月 | 株の状態 | やること |
|---|---|---|
| 12月 | 成長が止まる | 水やりは月に二、三度。肥料は与えない |
| 1月 | 最も寒く傷みやすい | 夜は窓から離す。暖房の風を当てない |
| 2月 | 変化に乏しい | 傷んだ葉だけ取る。植え替えはしない |
冬に落ちた葉の数を覚えておきます。翌年同じ月にそれより多ければ、置き場所か水やりを見直す判断材料になります。
冬越しは何度まで耐えるか
- 10℃以上なら安全圏
- 最低室温を10℃に保てれば、葉をほとんど落とさずに冬を越します。斑の白い品種はこの線を守ると傷みません。
- 5℃が最低ライン
- 5℃を下回ると葉に茶色い斑点が出て、そのまま黒く枯れ込みます。一晩でも下回らせない置き方が要ります。
- 窓ぎわは夜に冷える
- 昼に20℃ある窓辺も、夜間は外気に近づきます。日没後に窓から1メートル離すだけで、鉢のまわりの温度が数℃違います。
- 暖房の風を直接当てない
- 温風が当たると、温度は足りていても葉先から乾いて茶色くなります。吹き出し口の正面を外し、床置きなら台に載せます。
寒さで傷んだ葉は戻りません。春に新芽が動き始めてから、傷んだつるを節の上で切り戻して作り直します。
切り替えを外したときの見分けと立て直し
切り替えの合図は室温です。ただし気づくのが遅れて、冬に水をやり続けたり夏の肥料を秋まで引きずったりすることは珍しくありません。株の見え方から何を外したかを見分けて戻します。
冬に出た不調は春まで完全には戻りません。傷んだ葉を追いかけて切るより、水と肥料を止めて春の新芽を待つほうが早く元の姿になります。
- 室温15℃で水を減らす
- 最低室温が15℃を切った週から、水やりの間隔を倍に空けます。暦ではなくこの数字を切り替えの合図にします。
- 室温20℃で肥料を戻す
- 最低室温が安定して20℃を超えたら、薄い液体肥料を再開します。それ以前は根が吸えず、土に残るだけになります。
- 新芽が二枚開いたら作業
- 植え替えや強い切り戻しは、新芽が二枚開いてからが安全です。芽が動いている株は切り口もすぐふさがります。
- 戸外に出すのは5月から
- 屋外に置くなら遅霜の心配が消える5月以降、日陰から慣らします。10月のうちに室内へ戻すと傷みません。
- 冬に水をやりすぎた
- 葉が黄ばんで根元から落ちるなら過湿です。水やりを止め、鉢の表土が完全に乾くまで待ちます。土が湿ったままなら鉢ごと明るい場所へ移します。
- 寒さで葉が落ちた
- 葉が透けて垂れ、次の日に落ちるのは寒さです。窓から離し、床から持ち上げます。つるが生きていれば春に節から芽が出ます。
- 秋まで肥料を続けた
- 伸びが止まったのに施した肥料は土に残ります。鉢底から水が流れるまで与えて洗い、その冬は追加しません。
水やりの日と室温を記録すると、二年目には自分の部屋での間隔が確定します。翌年の冬がぐっと楽になります。
ポトスの栽培に一年を通して使うもの
鉢ものは、季節ごとに買い足すものがほとんどありません。年に一度の植え替えと、日々の水やりの判断を支えるものだけです。
数量は直径 24cm(8 号)の鉢 1 個を単位にしています。号数は直径 cm を 3 で割った数です。
- 観葉植物用の培養土探す言葉「観葉植物 培養土 水はけ」
- 規格の目安
- 水はけ重視の配合。多肉植物・サボテンならさらに粒の粗い専用土。5〜14L の袋。
- 数量の目安
- 8 号鉢 1 個で約 8L、6 号鉢で約 3L。
室内では土が乾きにくく、水もちのよい土だと根が傷みます。用途の書かれた土を選ぶだけで失敗が減ります。
- 土壌水分計探す言葉「土壌水分計 観葉植物」
- 規格の目安
- 土に挿して読む針式。乾き・適・湿の 3 段階が読めれば十分です。
鉢ものを枯らす原因の筆頭は水のやりすぎです。表面が乾いていても中は湿っていることが多く、測るのがいちばん確実です。
- 緩効性肥料(置き肥)探す言葉「緩効性肥料 観葉植物 置き肥」
- 規格の目安
- 2〜3 か月効く粒状。土の上に置くだけのもの。
- 数量の目安
- 8 号鉢に 10〜15g を、生育期(春から秋)に 2〜3 か月ごと。
冬は生育が止まるので与えません。休眠中に肥料を置くと、吸われずに土に残って根を傷めます。
- サーキュレーター探す言葉「サーキュレーター 静音 小型」
- 規格の目安
- 小型で首振りのあるもの。植物に直接強い風を当てない置き方ができるもの。
室内は風がありません。空気が動かないと土が乾かず、ハダニやカイガラムシも増えます。弱い風を回すだけで変わります。
- 活力剤は肥料の代わりになりません。肥料を与えているなら急ぎません。
- 冬の間は、肥料も植え替えも要りません。水やりの回数を減らすだけです。
ポトスの上手に育てるコツは作物ページに
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