一年の流れをつかむ
ラディッシュは春と秋が主役で、夏と冬は工夫が要ります。畝を丸ごと使わず、他の作物のあいだの空き地に少しずつまいていくのが家庭菜園に合ったやり方です。
下の表は関東平野の露地を基準にしています。暖地では秋にまける期間が半月ほど長く、寒冷地では春の始まりが半月ほど遅くなります。標高や海からの距離でも一週間はずれるので、目安として使います。
| 月 | 主な作業 | ねらい |
|---|---|---|
| 3月 | 畝の準備、下旬から種まき | 土を作って春の作を始める |
| 4月 | 種まき、間引き、収穫 | 二週間おきにまいて続ける |
| 5月 | 種まき、防虫ネット、収穫 | 虫が増える前に採り切る |
| 6月 | 収穫、梅雨前に片づけ | 雨で割れる前に終える |
| 7月〜8月 | 日よけをして少量だけ | 高温期は無理をしない |
| 9月 | 種まき、間引き | いちばん作りやすい時期 |
| 10月 | 種まき、間引き、収穫 | まき時をずらして長く穫る |
| 11月 | 収穫、不織布で保温 | 寒くなる前に採り切る |
春は虫との競争になる
三月下旬から五月は、気温が上がるにつれてキスジノミハムシやアブラムシが増えます。ラディッシュは葉が食われると根も太らないので、まいた日に防虫ネットをかけてしまうのがいちばん確実です。
四月から五月にまいた分は二十日ほどで穫れます。六月に持ち越すと梅雨の雨で割れるので、五月中にまき終えるつもりで計画します。
- まいた日にネットをかける
- トンネル支柱を立てて目の細かいネットをかけ、裾を土で押さえます。芽が出てからでは虫がすでに来ています。
- 二週間おきにまく
- 畝の端から順に少しずつまきます。まいた日を書いた札を立てておくと、採りごろの見当が付きます。
- 五月中にまき終える
- 六月にかかると梅雨と虫で失敗が増えます。最後のまき時を五月下旬と決めておきます。
夏は日よけをして少量だけ
七月と八月は日数が短くなるかわりに、根が太らず葉ばかりになりがちです。作れないわけではないので、寒冷紗で光を弱めて地温を下げ、二列だけ作るというくらいの量に抑えます。
夏まきは水切れが最大の敵です。朝に一度たっぷり与え、日中にしおれる日は夕方にもう一度見ます。乾かしてから与えると必ず割れます。
夏まきは発芽そのものは早く、二日で芽が出ます。問題はそのあとで、日中の高い地温が続くと根がふくらまないまま葉だけが伸びます。地面に敷きわらをして地温を下げると、いくらか結果がよくなります。
- 寒冷紗をかける
- 光を三割ほど弱める寒冷紗を張ると地温が下がります。かけたままで収穫まで通せます。
- 朝に水をやる
- 日が上がる前にたっぷり与えます。日中の水やりは土の温度を上げ下げして根を傷めます。
夏は根が辛くなりがちです。小さいうちに採ると辛みが軽く、生でも食べやすくなります。
秋がいちばん作りやすい
九月から十月は、気温が下がって虫が減り、根がゆっくり締まります。形も味もこの時期がいちばんよく、初めての一回に選ぶならここです。二週間おきに三回まけば十一月まで続きます。
十月下旬を過ぎると気温が下がり、収穫までの日数が三十日から四十日に延びます。遅い分は不織布をかけて保温すると、十一月中に穫り切れます。
| 時期 | まく量の目安 | 採れる時期 |
|---|---|---|
| 9月上旬 | 一条 | 9月下旬から10月上旬 |
| 9月下旬 | 一条 | 10月中旬 |
| 10月中旬 | 一条、不織布あり | 11月中旬 |
畝の空きに合わせて差し込む
ラディッシュは二十日から三十日で片づくので、他の作物の合間に差し込めます。夏野菜の植え付けまでの空き、秋冬野菜を植えるまでの空き、そういう短い期間を埋めるのに向いています。
株間が広い作物の列のあいだにまくのも手です。トマトやナスの株が小さいうちなら日も当たり、収穫のころには本命の作物が大きくなって畝を引き継げます。
- 植え付けまでの空きにまく
- 次の作物を植える日から逆算して三十日以上あるなら、その畝にまけます。片づけが遅れないよう日を決めます。
- 株間に差し込む
- 大きくなる作物の列のあいだにまきます。相手が茂って日陰になる前に採り切るのが条件です。
- アブラナ科の連作を避ける
- 大根や小松菜のあとには続けてまきません。根こぶ病を呼ぶので、二年はあけて場所を回します。
冬と地域差でずれるとき
十二月から二月は、露地ではほとんど育ちません。トンネルや室内の明るい窓辺で作ることはできますが、日数が六十日を超えることもあります。春を待つほうが手間に見合います。
同じ関東でも海沿いと内陸では一週間ずれます。まいた日と初収穫の日を毎回書き残しておくと、翌年からは自分の畑の数字で予定が立てられます。
トンネルを張って冬に作るなら、二重に覆うと日中の温度が上がります。ただし晴れた日の昼は蒸れるので、裾を少し開けて空気を入れる手間がかかります。そこまでして作るかは、他の作物との兼ね合いで決めます。
| 地域 | 春の適期 | 秋の適期 |
|---|---|---|
| 暖地(九州・四国南部) | 3月中旬〜5月 | 9月〜11月上旬 |
| 中間地(関東・近畿) | 3月下旬〜5月 | 9月〜10月下旬 |
| 寒冷地(東北・北海道) | 4月中旬〜6月 | 8月下旬〜9月中旬 |
ラディッシュの栽培に一年を通して使うもの
作業のたびに買い足すより、季節の前にまとめて用意しておくほうが結局は安く済みます。一年を通して使うのは、次の 4 つです。
数量は幅 60cm × 長さ 3m の畝 1 本(約 1.8 ㎡)で計算しています。
- 完熟堆肥探す言葉「完熟堆肥 牛ふん」
- 規格の目安
- 牛ふん堆肥かバーク堆肥。40L 前後の袋で売られています。
- 数量の目安
- 1 ㎡あたり 2〜3kg(およそ 5〜8L)。畝 1 本で 10〜15L。
土の粒をつなぐのは微生物の働きで、その餌になるのが堆肥です。未熟なものは根を傷めるので「完熟」と書かれたものを選びます。
- 苦土石灰探す言葉「苦土石灰 粒状」
- 規格の目安
- 粒状のものが扱いやすく、風のある日でも舞いません。1〜20kg 袋。
- 数量の目安
- 1 ㎡あたり 100〜150g、畝 1 本で 200〜300g。1kg 袋で数畝ぶん。
日本の土は雨で酸性に傾きます。**必要な量は土質で 3 倍ほど違い**、黒ボク土は砂質土よりずっと多く要ります。入れすぎると今度はアルカリ性に寄りすぎるので、pH を測ってから決めます。
- 化成肥料(8-8-8 など)探す言葉「化成肥料 8-8-8」
- 規格の目安
- 窒素・リン酸・カリが同じ比率の粒状。まず 1 袋あればほとんどの野菜に使えます。
- 数量の目安
- 元肥は 1 ㎡あたり 100g、畝 1 本で 150〜200g。追肥は 1 回 1 ㎡あたり 30〜50g。
種類を増やすより、切らさないほうが効きます。作物ごとの正確な量は都道府県が施肥基準として公表しているので、量を詰めたくなったらそちらを見てください。
出典: 農林水産省「都道府県施肥基準等」
- 黒マルチ探す言葉「黒マルチ 95cm」
- 規格の目安
- 幅 95cm、厚さ 0.02mm。株間の決まっている作物は穴あき(株間 30cm・45cm)が楽です。
- 数量の目安
- 畝 1 本(3m)で 4m。50m 巻きなら 10 畝以上。
地温を上げ、雨のはね返りと雑草を抑えます。夏の高温期だけは、地温が上がりすぎるので白黒マルチに替える手もあります。
- 土壌改良材のセット買いは要りません。堆肥と石灰と元肥の 3 つで足ります。
- 連作していない畑なら、土壌消毒剤は要りません。
ラディッシュの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はラディッシュの育て方にまとめています。
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