乾いた球根はゆっくり戻す
ラナンキュラスの球根は、細い根が束になったような小さな乾いた姿で売られています。この状態で土に埋めて水をやると、急に水を吸って割れたり、中まで湿る前に外側から腐ったりして、芽が出ないまま終わることが多いです。植える前に数日かけてゆっくり吸水させ、ふっくらと元の大きさに戻してから植えるのが定石です。
吸水の方法はいくつかありますが、家庭でいちばん失敗が少ないのは、湿らせたバーミキュライトや鹿沼土の中に埋めて冷蔵庫の野菜室か涼しい場所に置くやり方です。水に直接漬ける方法は手軽ですが、時間を間違えると腐りやすいので、初めてなら土に埋める方法を選びます。
| 方法 | 所要日数 | 向き不向き |
|---|---|---|
| 湿らせたバーミキュライトに埋める | 五〜七日 | 失敗が少なく初心者向き |
| 湿らせたキッチンペーパーに包む | 三〜五日 | 少量なら手軽、毎日様子を見る |
| 水に直接漬ける | 六〜十二時間 | 慣れた人向き、長く漬けると腐る |
吸水中は十度前後の涼しい場所に置きます。暖かい部屋では球根が腐りやすく、芽が伸びて植え付けのときに折れます。
バーミキュライトで戻す手順
球根が元の三倍ほどにふくらみ、指で押すと弾力があって、根の先に白い点が見えたら吸水は完了です。ここまで来れば植え付けても腐りにくく、土の中で根が伸び始めます。ふくらみが足りないうちに植えると、そこで止まってしまう球根が出ます。
- バーミキュライトを湿らせる
- 握って固まるが水がしたたらない程度に湿らせ、浅い容器に三センチほど敷きます。乾きすぎると吸水が進まず、水が多いと腐ります。
- 球根を根を下にして埋める
- 細い根の束を下、平らな面を上にして並べ、上からバーミキュライトを一センチほどかぶせます。球根どうしは触れないように離します。
- 冷蔵庫の野菜室に置く
- 容器にふたか袋をかけて乾燥を防ぎ、野菜室か十度前後の涼しい場所で五〜七日待ちます。三日目に一度、腐りが出ていないか確かめます。
- ふくらんだら取り出す
- 元の二〜三倍にふくらみ、白い根の点が見えたら完了です。腐って黒くなった球根は取り除き、健全なものだけを植えます。
植える時期は気温で決める
ラナンキュラスは涼しい気候を好む秋植え球根で、関東平野部では十月下旬から十一月中旬に植えます。最高気温が二十度を下回るころが目安で、暑いうちに植えると球根が腐り、遅すぎると冬までに根が張れず春の花が小さくなります。寒冷地は十月中旬までに植えて防寒するか、鉢植えにして室内で冬越しさせます。
| 地域 | 植え付けの時期 | 冬の管理 |
|---|---|---|
| 暖地 | 11月上旬〜11月下旬 | 露地のままで越冬できる |
| 中間地(関東平野部) | 10月下旬〜11月中旬 | 霜の当たらない場所か不織布で保護 |
| 寒冷地 | 10月上旬〜10月中旬 | 鉢植えにして凍らない場所へ |
植える深さと株間
球根は浅植えが基本で、頂部が地表から二〜三センチ隠れる程度に植えます。深く植えると芽が地上に出るまでに力を使い切り、花が小さくなります。鉢植えなら五号鉢に一球、露地なら株間十五〜二十センチが目安です。土は水はけの良いものを使い、腐葉土と赤玉土を混ぜた草花用の培養土で十分です。
- 土を先に湿らせておく
- 植える前日に土へ水をやり、湿り気を均一にしておきます。植えた直後に大量の水をやると球根が傷みます。
- 根の束を下にして置く
- 細い根の束が下、平らな面が上です。逆さに植えても芽は出ますが、時間がかかって花が遅れます。
- 二〜三センチの覆土
- 球根の頂部が二〜三センチ隠れるまで土をかぶせ、手で軽く押さえます。深植えは芽が出るまでに力を使い切るので、浅めを守ります。
- 植え付け後の水は控えめ
- 植えた直後は土が湿る程度に軽く水をやり、芽が出るまでは表土が乾いたら少量与える程度にとどめます。
鉢植えは鉢底石を厚めに入れ、水がすぐ抜ける状態を作ります。受け皿に水をためないことが腐らせない最大のコツです。
芽が出ない・腐ったときの原因と立て直し
植えて三週間たっても芽が出ないときは、掘り上げて球根の状態を確かめます。指で押して硬くて白い切り口なら生きているので、埋め戻して待ちます。柔らかく黒ずんでいれば腐っているので、その球根はあきらめます。多くの場合、原因は吸水の急ぎすぎか、植え付け後の水のやりすぎ、暖かすぎる時期の植え付けのどれかです。
| 状態 | 考えられる原因 | 立て直し方 |
|---|---|---|
| 芽が出ないが球根は硬い | 気温が低く動きが遅い | そのまま待つ、水は控えめ |
| 球根が柔らかく黒い | 吸水の急ぎすぎ、過湿 | 廃棄し、新しい球根で植え直す |
| 芽が出たあと葉が黄色い | 根が張れず過湿 | 水を減らし、日当たりへ |
| 球根の一部だけ腐った | 傷んだ部分から腐敗 | 腐った部分を切り取り乾かして植える |
苗を買うときの見方
球根からの吸水が面倒なら、十二月から三月に出回るポット苗を買う方法もあります。苗を選ぶときは、葉の色が濃く、株元がしっかりして倒れていないもの、つぼみが上がりかけているものを選びます。徒長(日照不足でひょろ長く伸びること)した苗は花が小さく、倒れやすいので避けます。
買った苗は根鉢を崩さずに植え替え、霜が降りる時期なら日中は日に当て、夜は軒下に取り込みます。開花株を室内に置くと暖かすぎて花が早く終わるので、日当たりの良い涼しい場所で楽しみます。
- 葉が密で株元が太い苗を選ぶ
- 葉が横に広がって株元が締まっているものが良い苗です。茎が長く葉が少ないものは徒長しています。
- 根鉢を崩さず一回り大きい鉢へ
- 根を傷めると回復に時間がかかります。五号か六号の鉢に草花用の培養土で植え、たっぷり水をやります。
ラナンキュラスの植え付けに使うもの
苗も球根も、植えたあとに動かすと根が傷みます。植える日にそろえておくものだけを挙げます。
- 草花用の培養土探す言葉「草花 培養土 元肥入り」
- 規格の目安
- 元肥入り、水はけ重視の配合。14〜25L の袋。
- 数量の目安
- 8 号鉢 1 個で約 8L、65cm プランターで 12〜15L、花壇なら 1 ㎡ あたり 20〜30L。
花壇でも、土が固いところは掘り上げて培養土を混ぜたほうが根が張ります。
- 腐葉土探す言葉「腐葉土 園芸」
- 規格の目安
- 葉の形が残っている完熟のもの。40L 前後の袋。
- 数量の目安
- 花壇 1 ㎡ あたり 5〜10L を掘り上げた土に混ぜます。
土をふかふかにして、水もちと水はけを同時に良くします。花壇の土づくりの基本です。
- 緩効性肥料(元肥)探す言葉「緩効性肥料 元肥 マグァンプ」
- 規格の目安
- 粒状で 1 年ほど効くタイプ。植え穴の底に入れて使います。
- 数量の目安
- 8 号鉢 1 個に 5〜10g、花壇 1 ㎡ あたり 50g 前後。
根に直接触れないよう、土を一枚かぶせてから植えます。触れると濃さで傷みます。量は袋の表示に従ってください。
出典: 農林水産省「都道府県施肥基準等」
- 移植ごて探す言葉「移植ごて ステンレス 目盛り」
- 規格の目安
- 幅 6〜8cm。目盛り付きなら球根の深さを測れます。
球根は「球の高さの 2〜3 倍の深さ」に植えるのが基本で、目分量だと浅くなりがちです。
- 球根植え器は、球根をまとめて植えるようになってからで十分です。移植ごてで足ります。
- 鉢を毎回買い替えなくても、古い鉢を洗って日に当てれば使えます。
ラナンキュラスの長く咲かせるコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はラナンキュラスの育て方にまとめています。
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