枝の一生を知る
ラズベリーの枝は根元から出た年に伸び、翌年に実をつけて枯れます。一季なりは二年目の枝だけに実がつき、二季なりは一年目の枝の先に秋、同じ枝の下の方に翌夏実がつきます。実が終わった枝は枯れるので根元から切り、新しい枝と入れ替えるのが剪定の基本です。
二年目の枝は実が終わると葉が落ちて茶色く枯れ、そのまま残すと株が混んで病気の元になります。役目を終えた枝を早く切り、根元から出る新しい枝に日を当てることが、毎年安定して採るこつです。
| タイプ | 実がつく枝 | 冬に切る枝 |
|---|---|---|
| 一季なり | 前年に伸びた2年目の枝 | 実がなった2年目の枝を根元から。1年目の枝は残す |
| 二季なり(夏秋両方採る) | 1年目の枝の先に秋、同じ枝の下に翌夏 | 秋に実がなった先端だけ切り、翌夏後に根元から |
| 二季なり(秋だけ採る) | 1年目の枝の先 | 冬に全部の枝を根元から刈る |
実がなった枝は茶色く硬くなり、実がまだの一年目の枝は緑がかって柔らかいです。冬に迷ったら枝の色と皮の硬さで見分けます。
二季なりを秋だけ採る場合の剪定
最も簡単な方法で、関東の初心者に向きます。冬に地上部を全部根元から刈り取ると、春に新しい枝が出て、その先に秋に実がつきます。夏の実は諦めますが、剪定で枝を見分ける必要がなく、病気の枝も一緒に片づきます。
- 十二月から二月に全部刈る
- 落葉したら、すべての枝を地際から五センチほどで切ります。刈った枝は病気の元になるので袋に入れて捨てます。
- 春に出た枝を選ぶ
- 四月から五月に根元から出る新しい枝のうち、太いものを一株あたり五本から八本残し、細い枝と株の外に出た芽は抜きます。
- 夏に高さを抑える
- 枝が一メートル五十を超えたら先端を摘心(枝の先を摘んで伸びを止めること)します。脇枝が出て実のつく枝先が増えます。
一季なりの剪定
一季なりは、実がなった二年目の枝を収穫直後の七月に根元から切り、一年目の枝を翌年の結果枝として残します。冬には残した枝の先端を軽く切り詰め、細い枝を間引いて一株五本から八本にします。切りすぎると翌年の実がなくなるので、一年目の枝は絶対に根元から切りません。
- 収穫直後に古い枝を切る
- 七月に実が終わった枝を根元から切ります。茶色く硬い枝が目印で、残す一年目の緑の枝を傷つけないよう注意します。
- 冬に一年目の枝を整える
- 十二月から二月に、残した枝の細いものを抜いて五本から八本にし、先端を一メートル五十ほどの高さで切り詰めます。
- 支柱に結ぶ
- 残した枝を支柱や横に張ったひもに結んで倒れないようにします。枝が広がると内側に日が入り実つきがよくなります。
一季なりの一年目の枝を冬に全部刈ると、翌年は葉ばかりで実がゼロになります。この失敗が最も多いです。
二季なりで夏と秋の両方を採る場合
秋に実がなった枝の先端だけを冬に切ると、同じ枝の下の方に翌年六月から七月に実がつきます。夏の収穫が終わったらその枝を根元から切り、春に出た新しい枝を秋の収穫用に残します。収量は増えますが、枝の見分けと支柱の管理が必要です。
| 時期 | 作業 | 目安 |
|---|---|---|
| 12〜2月 | 秋に実がなった先端を切る | 実の跡がある部分より下で切る |
| 4〜5月 | 新しい枝を選ぶ | 太い枝を5〜8本残す |
| 7月(夏の収穫後) | 実が終わった枝を根元から切る | 茶色く硬い枝を切る |
| 9〜10月 | 新しい枝の先で秋の収穫 | 収穫後は冬まで放置 |
地下茎から出た芽の整理
春から夏にかけて、株から離れた場所に地下茎から芽が出ます。放置すると株が広がり、日当たりと風通しが悪くなって実が小さくなります。株の中心から三十センチ以内の芽だけ残し、外に出た芽は根ごと掘り取ります。掘った芽は苗として使えます。
- 五月から六月に見回る
- 株の周囲を見て、三十センチより外に出た芽を探します。芽が小さいうちなら手で引き抜けます。
- 根ごと掘り取る
- 大きくなった芽はスコップで根茎ごと掘り取ります。地下茎を残すとまた出てくるので、つながっている地下茎も切ります。
- 苗にするなら鉢に植える
- 掘った芽に根がついていれば、鉢に植えて苗にできます。植えた年は日陰で管理し、翌年に実がつきます。
切ったあとうまくいかないときの手当て
剪定後に実がつかない、枝が枯れるといった問題は、切った枝の種類か時期に原因があります。枝の姿を見て切り分け、翌年の剪定で直します。
| 症状 | 原因 | 戻し方 |
|---|---|---|
| 翌年に実がゼロ | 一季なりの1年目の枝を冬に刈った | 今年出た枝を残し、翌年の夏に採る |
| 秋の実が少ない | 二季なりの新枝を夏に切った | 春に出た枝は秋まで切らない |
| 枝が細く実が小さい | 枝を残しすぎた | 一株5〜8本に間引く |
| 実のなった枝が枯れて株が汚い | 収穫後の枝を残した | 7月に茶色い枝を根元から切る |
| 株が広がって収拾がつかない | 地下茎の芽を放置した | 冬に株を掘り上げ、若い根茎だけ植え直す |
ラズベリーの剪定に使うもの
剪定でいちばん多い失敗は、切れない道具で無理に切ることです。切り口が潰れると、そこから枯れ込みます。
- 剪定ばさみ探す言葉「剪定ばさみ バイパス 果樹」
- 規格の目安
- 刃渡り 5〜6cm、直径 2cm まで。バイパス式。手の大きさに合ったものを。
生きた枝を切るならバイパス式です。アンビル式は枝を潰すので、切り口がふさがるまでに時間がかかります。
- 剪定のこぎり探す言葉「剪定のこぎり 折込 24cm 生木」
- 規格の目安
- 刃渡り 24cm 前後、生木用の粗い刃。折込式は持ち運べます。
直径 2cm を超えたらのこぎりに切り替えます。太い枝は下側に受け口を入れてから切ると、樹皮が裂けません。
- 癒合剤探す言葉「癒合剤 トップジン 剪定」
- 規格の目安
- ペースト状で刷毛の付いたもの。
直径 3cm を超える切り口に塗ります。乾燥と雨から切り口を守るためで、小さい切り口には要りません。
- 消毒用アルコール探す言葉「消毒用アルコール スプレー」
- 規格の目安
- 濃度 70〜80%。スプレー式。
木を変えるたびに刃を拭きます。切り口から入る病気は、道具が運ぶことが少なくありません。
- 直径 3cm 以下の切り口には癒合剤は要りません。塗りすぎると内側が乾かないこともあります。
- 電動の剪定ばさみは、木が何本もあるようになってからで十分です。
ラズベリーの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はラズベリーの育て方にまとめています。
iPhone 対応(Android 版は準備中)。無料で使えます。
この記事は広告を含みます。