症状から原因を見分ける
ラズベリーの病害虫は、雨の季節の実の病気と、根や枝を食う虫が中心です。実の症状、葉の症状、株全体の症状に分けて原因を絞り、季節と照らして判断します。
| 症状 | 原因 | 出やすい時期 |
|---|---|---|
| 実に灰色のかびが生えて腐る | 灰色かび病 | 梅雨・秋の長雨 |
| 株全体がしおれ引くと抜ける | コガネムシの幼虫が根を食べた | 8〜10月、鉢植えに多い |
| 枝に穴があき先がしおれる | カミキリムシやハチの幼虫 | 6〜8月 |
| 葉に赤茶色の斑点、裏に黄色い粉 | さび病 | 梅雨〜秋 |
| 葉がかすれて白っぽくなる | ハダニ | 乾燥した真夏 |
| 実が小さく粒がそろわない | 受粉不足・水切れ・枝の残しすぎ | 夏 |
灰色かび病は実を濡らさない
熟した実に灰色のかびが生えて腐る病気で、雨が続く六月と九月から十月に出ます。一季なりの収穫が梅雨と重なる関東で最も多い失敗です。雨に当たった実を放置すると次々に広がるので、傷んだ実は毎日取り、風通しをよくします。
- 傷んだ実を毎日取る
- かびの生えた実と熟しすぎた実を見つけたら取り、袋に入れて捨てます。株の周りに落ちた実も片づけます。
- 枝を間引いて風を通す
- 枝を一株五本から八本にし、支柱で立てて内側に風が通るようにします。密植は病気の最大の原因です。
- 雨よけをする
- 鉢植えは収穫期に軒下へ移します。地植えは列の上にビニールを張ると実の傷みが減ります。
- 殺菌剤を予防で使う
- 毎年出るなら、開花前に果樹に使える殺菌剤を一度散布します。実がついてからは収穫前日数を守ります。
二季なりの秋果に切り替えるのも対策です。九月から十月は梅雨より雨が少なく、実が傷みにくいです。
コガネムシの幼虫は鉢植えの大敵
夏にコガネムシが土に卵を産み、幼虫が根を食べます。鉢植えでは根を全部食われて株が枯れることがあります。株が急にしおれ、引くと簡単に抜けるときは幼虫がいます。土を掘って白い幼虫を取り出し、根が残っていれば新しい土に植え直します。
- 株の様子で判断する
- 水を与えてもしおれが直らず、株元を軽く引くとぐらつくときは根が食われています。鉢を抜いて土を確かめます。
- 幼虫を取り出す
- 土を崩して白いC字型の幼虫を全部取り出します。鉢の土はすべて捨て、新しい土で植え直します。
- 産卵を防ぐ
- 七月から八月に鉢の表面を不織布やバークで覆い、成虫が土に潜れないようにします。株元を覆うと乾きも防げます。
地植えでも幼虫は入りますが、根が広いので枯れることは少ないです。鉢植えは根が限られるので、八月以降に株がしおれたらまず幼虫を疑います。
枝と葉の害虫
枝に穴があいて先がしおれるときは、カミキリムシやハバチの幼虫が枝の中にいます。しおれた枝を切って中を確かめ、幼虫ごと処分します。葉のさび病は下葉から出るので、病斑の出た葉を取り、株元の風通しをよくします。
| 虫・病気 | 見た目 | 対策 |
|---|---|---|
| カミキリムシ・ハバチの幼虫 | 枝に穴、先端がしおれる | しおれた枝を穴の下で切り、幼虫ごと処分 |
| さび病 | 葉裏に黄色い粉、葉に斑点 | 病葉を取り、枝を間引く。翌年は開花前に殺菌剤 |
| ハダニ | 葉がかすれて白っぽい | 葉裏に水をかける。ひどければ殺ダニ剤 |
| アブラムシ | 新芽に群がる小虫 | 指で払うか野菜用の殺虫剤 |
病気ではない障害の見分け方
実が小さい、粒がそろわない、葉が焼けるといった症状は病気とは限りません。受粉不足、水切れ、枝の残しすぎ、西日で起こることが多く、薬を使っても直りません。
| 見た目 | 原因 | 直し方 |
|---|---|---|
| 実の粒が欠けていびつ | 受粉不足 | 開花中に筆で花をなでる。虫が来る環境にする |
| 実が小さく数が多い | 枝を残しすぎた | 5月に枝を5〜8本にする |
| 実が硬く小さいまま | 水切れ | 株元を覆い、雨がなければ水を与える |
| 葉の縁が茶色く焼ける | 西日と乾燥 | 午後に日陰になる場所へ。鉢は移動する |
| 秋の実が熟す前に霜で傷む | 収穫が遅い品種 | 早生の二季なり品種にするか、霜よけをする |
実の粒がそろわないのは受粉不足のことが多いです。ベランダなど虫の少ない場所では、開花中に晴れた日の午前中に筆で花をなでます。
薬を使うときの注意
ラズベリーは家庭園芸向けの登録農薬が少ない果樹です。使うときは果樹類かキイチゴ類に使えると表示のある製品を選び、収穫前の日数を守ります。実を生で食べるので、収穫中は薬を使わず、傷んだ実の除去と風通しで対処します。
- 表示を確かめる
- 製品の適用作物にキイチゴ類か果樹類の記載があるものを使います。収穫前日数の表示を見て、収穫に間に合う時期に使います。
- 散布は朝か夕方に
- 風のない時間に葉裏と枝まで薬液をかけます。日中の高温時は薬害が出るので避けます。
- 収穫中は使わない
- 実が色づき始めたら殺虫剤や殺菌剤を使わず、傷んだ実を毎日取ることと風通しで対処します。実に薬がかからないことを優先します。
ラズベリーの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はラズベリーの育て方にまとめています。
iPhone 対応(Android 版は準備中)。無料で使えます。