今年やるべきかを決める
リプサリスは根が細く、土が古くなると水はけが落ちて傷みます。二年に一度を目安に、下の表に当てはまる合図が出たときに植え替えます。
垂れた茎が大きくなっても、根はそれほど増えません。鉢を大きくしすぎると土が乾かず根が傷むので、必要がなければ同じ大きさで土だけ替えます。
| 株の状態 | 植え替えるか | やり方 |
|---|---|---|
| 水が染み込まず表面を流れる | 今年の春に行う | 同じ鉢で土だけ入れ替える |
| 鉢底の穴から根が出ている | 今年の春に行う | 一回り大きい鉢へ移す |
| 買ってから2年以上そのまま | 今年の春に行う | 根を軽くほぐして新しい土へ |
| 茎が柔らかく株元が黒い | すぐに行う | 健全な茎を切って挿し直す |
買ってきたばかりの株はすぐに植え替えません。二週間ほど同じ場所で環境に慣らしてから作業すると、傷みが軽く済みます。
適期は四月から六月
適期は、最低気温が十五度を安定して超えてから真夏の前までです。関東平野部なら四月から六月がちょうどよく、この時期なら新しい根がすぐ動きます。
秋以降の植え替えは避けます。根が伸びる前に寒さが来ると、湿った土の中で動かないまま冬を越すことになり、そのまま根腐れに進みます。
| 時期 | 植え替えの可否 | 理由 |
|---|---|---|
| 4〜6月 | 最適 | 気温が上がり新しい根がすぐ伸びる |
| 7〜8月 | 避ける | 高温で株が消耗し根が動かない |
| 9月 | やむを得なければ可 | 10月までに根が動けば冬を越せる |
| 10〜3月 | 行わない | 根が伸びず湿った土で傷む |
用土と鉢の選び方
木に着生して育つ植物なので、細かい土でみっちり埋めると根が傷みます。指でつまんで粒がわかるくらい粗く、それでいて保水も少しある土が合います。
- 配合を決める
- 赤玉土の小粒を四割、軽石を三割、バークやヤシがらを三割ほど混ぜます。観葉植物用の土に軽石とバークを足しても構いません。
- 水はけを確かめる
- 鉢に入れて水を注ぎ、数秒で底から流れれば合格です。表面に水がたまるようなら軽石を足してやり直します。
- 鉢は小さめを選ぶ
- 根の量に対して土が多いと乾きません。垂れた茎の大きさではなく、根の量に合わせて一回りだけ大きい鉢を選びます。
- 軽い鉢にする
- 吊す鉢は重さが問題になります。プラスチックの吊り鉢に軽石を多めの用土を入れると、水を含んでも重くなりすぎません。
サボテン用の土をそのまま使うと、水はけはよいものの保水が足りないことがあります。バークやヤシがらを足して調整してください。
植え替えの手順
手順そのものは単純です。茎を束ねてから抜く、細い根を切りすぎない、植えてすぐ水をやらないという三つを守れば、そのあとの回復に迷うことはありません。
- 茎を束ねておく
- 作業の前に長い茎をゆるく束ね、ひもで軽く留めます。垂れた茎を折ったり踏んだりする事故がなくなります。
- 土を乾かしておく
- 作業の三日ほど前から水を止めます。湿ったまま抜くと細い根に土が固まって付き、外そうとして根が切れます。
- 鉢から静かに抜く
- 鉢の側面を軽くたたいてから、株元を持って引き抜きます。茎をつかんで引くと付け根から折れるので注意します。
- 根を確かめて切る
- 白か薄い茶色の根は残します。黒くて指でつまむとつぶれる根だけを、清潔なはさみで切り取ります。
- 数日置いてから水をやる
- 植えた直後は与えず、明るい日陰で三日ほど置いてから与えます。切った根の傷口が乾いてからのほうが安全です。
植え替え後の不調と立て直し
植え替えのあと数週間は成長が止まったように見えます。多くは自然な反応ですが、下の表の左側に当てはまる姿が続くときは手当てが必要です。
| 症状 | 様子見でよいか | 手当て |
|---|---|---|
| 茎の張りが少し落ちる | 様子見でよい | 毎日霧を吹き、明るい日陰で待つ |
| 茎にしわが寄り戻らない | 手当てが要る | 根が働いていない。鉢を小さくし直す |
| 株元が黒く柔らかくなる | 手当てが要る | 健全な茎を切って挿し木でやり直す |
| 新しい茎が3か月出ない | 手当てが要る | 土が細かすぎないか、光が足りるか見直す |
植え替え後一か月は肥料を与えません。切れた根に肥料が触れると傷みが広がり、回復がかえって遅くなります。
水苔と板付けで育てる
- 水苔だけで植える
- 着生する植物なので、水苔だけでも育ちます。乾きが見た目でわかりやすい反面、二年ほどで傷むので定期的に替えます。
- 板に留める
- 板に水苔を敷いて株を置き、テグスで留めます。自生の姿に近く、垂れる茎の姿がいちばんきれいに見える方法です。
- 動かないよう固定する
- 株が揺れると新しい根が伸びません。指で押しても動かない程度にしっかり留めるのが根づかせる条件です。
- 水やりを増やす
- 板付けは鉢植えより乾きが速くなります。夏は毎日、水苔が乾いたら霧を吹くか株ごと水に浸けて含ませます。
板付けは見た目が魅力的ですが、留守がちな家では乾きすぎます。手をかけられるかどうかを考えてから選んでください。
リプサリスの植え替えに使うもの
植え替えは鉢を大きくする作業ではなく、根と土を新しくする作業です。同じ鉢に戻す選択もあります。
数量は直径 24cm(8 号)の鉢 1 個を単位にしています。号数は直径 cm を 3 で割った数です。
- 鉢(ひと回り大きいもの)探す言葉「植木鉢 8号 スリット」
- 規格の目安
- 直径で 3cm(1 号)だけ大きいもの。スリット鉢は根が鉢底で回りません。
急に大きくすると、根の届かない土が湿ったまま残り、根腐れの原因になります。1 号ずつが原則です。
- 培養土探す言葉「観葉植物 培養土 水はけ」
- 規格の目安
- 観葉植物用、または多肉・サボテン用。水はけ重視の配合。
- 数量の目安
- 8 号鉢 1 個で約 8L、6 号鉢で約 3L、10 号鉢で約 15L。
古い土は粒が潰れて水はけが落ちています。土を替えることが植え替えの目的の半分です。
- 鉢底石探す言葉「鉢底石 ネット入り」
- 規格の目安
- 軽石。ネット入りなら次の植え替えでそのまま取り出せます。
鉢底の穴が土でふさがらないようにするためです。ネット入りは繰り返し使えます。
- 根切りばさみ・割り箸探す言葉「根切りばさみ 園芸」
- 規格の目安
- 刃の厚いはさみ。根鉢をほぐすのは割り箸や竹串で足ります。
固まった根鉢は、外側を切ってほぐさないと新しい根が出ません。土をかむので、普通のはさみは傷みます。
- 同じ鉢に戻すなら、新しい鉢は要りません。根を整理して土を替えるだけで十分です。
- 鉢底ネットは、スリット鉢なら要りません。
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