一年の流れを先に見る
リプサリスの一年は、四月から六月の作業期、七月から九月の維持期、十月から三月の休みという三つに分かれます。株に触る作業は春に集めます。
下の表は関東平野部の室内で育てる場合の目安です。年間を通して直射を避けることと、乾かしすぎないことの二つを守れば大きな失敗はありません。
毎月何かをする植物ではありません。春の作業期さえ外さなければ、残りの月は水やりと霧吹き、そして月に一度洗うことだけで一年が回ります。
| 月 | 水やり | 置き場所 | その月の作業 |
|---|---|---|---|
| 1月 | 2〜3週間に1回 | 明るい室内、5℃以上 | 何もしない。霧吹きで乾燥を防ぐ |
| 2月 | 2〜3週間に1回 | 明るい室内 | 茎の張りを確かめる。落ち茎を拾う |
| 3月 | 10日に1回 | レース越しの明るさ | 植え替えの準備。鉢と土をそろえる |
| 4月 | 7日に1回 | レース越しの明るさ | 植え替えの適期。薄い液肥を始める |
水やりの間隔は五号鉢の目安です。吊り鉢や素焼き鉢では乾きが速いので、どの月も間隔を短めに見てください。
春に作業を集める
四月から六月は根も茎もよく動く時期です。植え替え、挿し木、切り戻しといった株に触る作業は、この三か月のうちに済ませてしまいます。
| 月 | 水やり | 置き場所 | その月の作業 |
|---|---|---|---|
| 5月 | 5〜7日に1回 | レース越しの明るさ | 挿し木の適期。屋外なら日陰に置く |
| 6月 | 5日に1回 | 直射を完全に避ける | 伸びた茎を整える。肥料を続ける |
| 7月 | 3〜5日に1回 | 明るい日陰、風の通る場所 | 作業なし。毎日霧を吹く |
| 8月 | 3〜5日に1回 | 明るい日陰 | 高温に注意。冷房の風を避ける |
肥料は四月から九月に与えます。薄い液肥を月に一度ほどで十分で、濃い肥料は細い根を傷めるので避けてください。
秋から冬の管理
秋は水やりの間隔を少しずつ空けて冬に備えます。急に減らすと茎にしわが寄るため、九月から十一月にかけて緩やかに変えていきます。
冬は五度を下回らせないことが条件です。ほかのサボテンのように断水すると茎が細って戻らないので、量を減らしながらも与え続けるという点を覚えておいてください。
| 月 | 水やり | 置き場所 | その月の作業 |
|---|---|---|---|
| 9月 | 5〜7日に1回 | レース越しの明るさ | 肥料を終える。間隔を空けはじめる |
| 10月 | 7〜10日に1回 | 屋外の株は中旬に取り込む | 取り込む前に株全体を洗う |
| 11月 | 10日に1回 | 明るい室内 | 冬の置き場所を決める |
| 12月 | 2〜3週間に1回 | 明るい室内、5℃以上 | 暖房の風と乾燥に注意する |
冬に花を咲かせる種類もあります。小さな白や黄色の花が付いたら、水やりの間隔を少しだけ短くして咲かせきります。
毎日と毎週の手入れ
日々の手入れは短時間で済みます。とくに霧吹きと鉢の重さの確認は、この植物を長く保つうえでどの作業よりも効果があり、慣れれば一日一分もかかりません。
- 朝に霧を吹く
- 乾く時期は毎朝、茎全体に霧を吹きます。夜までに乾く時間帯に行い、ぬれたまま夜を越さないようにします。
- 週に一度鉢を持つ
- 週に一度は鉢を持ち上げて重さを確かめます。軽くなっていれば与えどきで、この習慣だけで与えすぎも水切れも防げます。
- 茎の張りを見る
- 指で軽くつまんで弾力を確かめます。しわが寄る前に気づけば、細くならずに元の姿を保てます。
- 月に一度洗う
- 風呂場でシャワーを当てて株全体を洗います。ほこりが落ちて色が戻り、虫の予防にもなります。
地域と住まいによる調整
表の月は関東平野部の室内が基準です。住まいの環境に合わせて前後させれば、そのまま使えます。判断の基準は最低室温が五度を保てるかどうかです。
| 地域と住まい | 冬の水やり | 気をつけること |
|---|---|---|
| 寒冷地の住宅 | 3週間に1回 | 暖房の乾燥に霧吹きで対応する |
| 関東平野部 | 2〜3週間に1回 | 夜だけ窓から離す |
| 西日本の平野部 | 2週間に1回 | 冬も明るい室内を保つ |
| 暖地(南九州・沖縄) | 10日に1回 | 軒下の日陰で越冬できる |
気密性の高い住宅では冬も室温が下がりにくく、生育が続きます。その場合は表より水やりの間隔を短くしてください。逆にすきま風のある家では長めに空けます。
うまくいかない年の原因を探す
一年育てて茎が細った、色が悪いというときは、月ごとの細かい作業ではなく大きな条件のどれかがずれています。下の表で心当たりを探します。
翌年は一つだけ条件を変えて確かめます。光と水と湿度を同時に変えると、姿がよくなっても何が効いたのかがわからないままになります。
| 一年を通した状態 | 原因 | 翌年に変えること |
|---|---|---|
| 茎が赤茶色に変わった | 直射に当てた | レースを閉めるか窓から離す |
| 茎が細くしわが寄った | 乾かしすぎた | 表面が乾いたら早めに与える |
| 株元から枯れて減った | 水のやりすぎ | 受け皿を毎回空け、間隔を空ける |
| 伸びず色も薄いまま | 光が足りない | 東の窓辺など明るい場所へ移す |
リプサリスの栽培に一年を通して使うもの
鉢ものは、季節ごとに買い足すものがほとんどありません。年に一度の植え替えと、日々の水やりの判断を支えるものだけです。
数量は直径 24cm(8 号)の鉢 1 個を単位にしています。号数は直径 cm を 3 で割った数です。
- 観葉植物用の培養土探す言葉「観葉植物 培養土 水はけ」
- 規格の目安
- 水はけ重視の配合。多肉植物・サボテンならさらに粒の粗い専用土。5〜14L の袋。
- 数量の目安
- 8 号鉢 1 個で約 8L、6 号鉢で約 3L。
室内では土が乾きにくく、水もちのよい土だと根が傷みます。用途の書かれた土を選ぶだけで失敗が減ります。
- 土壌水分計探す言葉「土壌水分計 観葉植物」
- 規格の目安
- 土に挿して読む針式。乾き・適・湿の 3 段階が読めれば十分です。
鉢ものを枯らす原因の筆頭は水のやりすぎです。表面が乾いていても中は湿っていることが多く、測るのがいちばん確実です。
- 緩効性肥料(置き肥)探す言葉「緩効性肥料 観葉植物 置き肥」
- 規格の目安
- 2〜3 か月効く粒状。土の上に置くだけのもの。
- 数量の目安
- 8 号鉢に 10〜15g を、生育期(春から秋)に 2〜3 か月ごと。
冬は生育が止まるので与えません。休眠中に肥料を置くと、吸われずに土に残って根を傷めます。
- サーキュレーター探す言葉「サーキュレーター 静音 小型」
- 規格の目安
- 小型で首振りのあるもの。植物に直接強い風を当てない置き方ができるもの。
室内は風がありません。空気が動かないと土が乾かず、ハダニやカイガラムシも増えます。弱い風を回すだけで変わります。
- 活力剤は肥料の代わりになりません。肥料を与えているなら急ぎません。
- 冬の間は、肥料も植え替えも要りません。水やりの回数を減らすだけです。
リプサリスの上手に育てるコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はリプサリスの育て方にまとめています。
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