用途で場所と株間を決める
サザンカは放っておくと高さ三メートルを超えますが、刈り込みに強いので生け垣や玉仕立てにも向きます。一本立ちで花を見せるのか、目隠しの生け垣にするのかで、場所も株間も変わります。日なたを好みますが、半日陰でも花は減るものの育ちます。
土は水はけがよく、やや酸性の土を好みます。ツバキ科の常緑樹に共通して、乾いた強い風と西日の当たる乾燥地は葉が傷むので、風の通り道は避けます。北風の当たる場所は寒冷地でなければ問題ありません。
| 用途 | 場所の条件 | 株間・余裕 |
|---|---|---|
| 一本立ちの庭木 | 日なた〜半日陰、四方に余裕 | 周囲に一メートル以上 |
| 目隠しの生け垣 | 日なた、幅六十センチの帯 | 株間四十〜五十センチ |
| 玉仕立て・低く刈る | 日なた、通路脇でも可 | 周囲に六十センチ |
| 鉢植え | 日なたのベランダ、八号鉢以上 | 冬の北風を避ける位置 |
生け垣なら細かい葉で枝がよく分かれる小型の品種、一本立ちなら花が大きい品種と、用途で品種も変わります。苗の札で樹高の目安を確かめてください。
苗は根鉢の締まりと葉の艶で選ぶ
苗は秋から春に、根巻き苗やポット苗で出回ります。葉に艶があり、枝の付け根まで葉が詰まっているものを選びます。下葉が落ちて枝がすけているものは、水切れか根の傷みを抱えています。花つきの苗なら、つぼみが多く枝先に分散しているものが翌年も咲きやすいです。
- 葉の艶と枚数を見る
- 葉が濃い緑で艶があり、枝の下のほうまで葉が残っているものを選びます。下葉が落ちて茶色い枝が見える苗は避けます。
- 根鉢を触って確かめる
- 根巻きなら持ち上げて崩れないもの、ポットなら底から根が少し見える程度のものを選びます。根鉢がぐらつく苗は根が少ないです。
- つぼみの数と位置を確かめる
- 秋の苗ならつぼみが枝先に分散してついているものを。一か所に固まっているものは枝の伸びが偏っています。
植え付けは三月から四月、または九月から十月
植え付けの適期は、花が終わって新芽が動く前の三月から四月上旬と、暑さが和らいだ九月から十月上旬です。常緑樹なので真冬の植え付けは根が動かず、乾いた風で葉が傷みます。真夏も根が傷むので避けます。根鉢は崩さず、周囲の土に腐葉土を混ぜて植えます。
- 根鉢の二倍の穴を掘る
- 直径と深さが根鉢の二倍ほどの穴を掘り、掘り上げた土に腐葉土を三割、鹿沼土を一割混ぜます。粘土質なら軽石も足します。
- 元肥は底に入れて土をかぶせる
- 穴の底に緩効性肥料をひと握り入れ、土を五センチかぶせて根に触れないようにします。元肥(植え付け前に土へ入れておく肥料)はこれだけです。
- 根鉢の肩を地面と同じ高さに
- 根鉢の上面が地面と同じか、やや高くなるように置きます。深植えは根が呼吸できず、数年かけて弱ります。
- 水で土を締めて支柱を添える
- 土を戻しながらたっぷり水を注ぎ、根と土のすき間をなくします。高さ一メートル以上の苗は風で揺れないよう支柱を添えます。
根巻きの麻布と麻ひもはそのまま植えて構いません。土の中で分解されます。ビニール製のひもだけは外します。
植えた後の一年目の管理
植えて一年目は根が少ないので、雨が十日以上ないときに株元へたっぷり水をやります。特に春植えの一年目の夏は乾きやすく、葉が内側に丸まってきたら水切れの合図です。株元に腐葉土やわらを敷いておくと乾きが和らぎます。二年目からは雨に任せて構いません。
根付いたかどうかは、春植えなら五月に新芽が伸びるか、秋植えなら翌春に芽が動くかで確かめます。枝を軽く引いて動かなければ根が張っています。一年目の秋につぼみが多くついたら、半分ほど摘んで株の負担を軽くすると翌年の育ちがよくなります。
| 時期 | 一年目にすること | 確かめること |
|---|---|---|
| 植え付け直後 | たっぷり水、支柱 | 株がぐらつかない |
| 5〜6月 | 十日雨がなければ水、芽の伸びを確認 | 新芽が伸びている |
| 7〜8月 | 朝の水やり、株元に敷きわら | 葉が丸まっていないか |
| 10〜11月 | つぼみを半分に摘む | 枝を引いて動かない |
| 翌3月 | 花後に軽く整枝、お礼肥 | 枝先まで葉に艶がある |
根付かない、葉が落ちるときの見分け方
植えて数か月で葉が黄ばんで落ち、新芽も出ないなら、根が傷んで水を吸えていません。株元の土を掘って湿っているのに葉が落ちるなら深植えか過湿で根が腐りかけています。水を止め、株元の土を軽くほぐして風を通します。乾いていれば水切れなので、朝にたっぷりやり、敷きわらをします。
常緑樹でも古い葉は春から初夏に入れ替わりで落ちます。新芽が伸びながら下の古い葉が黄ばんで落ちるのは自然な更新で心配いりません。新芽が出ないのに葉だけ落ちる、あるいは枝先から枯れ込むときだけ、根の状態を確かめます。
- 新芽の有無を先に見る
- 葉が落ちていても枝先に新芽が伸びていれば、古い葉の入れ替わりです。新芽がなく枝先が枯れ込んでいれば根の問題です。
- 株元の土を触る
- 指で株元を掘り、湿っているか乾いているかを確かめます。湿っているのにしおれるなら過湿、乾いていれば水切れです。
- 枝の皮を削って見る
- つめで枝の皮を削り、緑色なら生きています。茶色なら枯れているので、緑の部分まで切り戻して新芽を待ちます。
サザンカの植え付けに使うもの
苗も球根も、植えたあとに動かすと根が傷みます。植える日にそろえておくものだけを挙げます。
- 草花用の培養土探す言葉「草花 培養土 元肥入り」
- 規格の目安
- 元肥入り、水はけ重視の配合。14〜25L の袋。
- 数量の目安
- 8 号鉢 1 個で約 8L、65cm プランターで 12〜15L、花壇なら 1 ㎡ あたり 20〜30L。
花壇でも、土が固いところは掘り上げて培養土を混ぜたほうが根が張ります。
- 腐葉土探す言葉「腐葉土 園芸」
- 規格の目安
- 葉の形が残っている完熟のもの。40L 前後の袋。
- 数量の目安
- 花壇 1 ㎡ あたり 5〜10L を掘り上げた土に混ぜます。
土をふかふかにして、水もちと水はけを同時に良くします。花壇の土づくりの基本です。
- 緩効性肥料(元肥)探す言葉「緩効性肥料 元肥 マグァンプ」
- 規格の目安
- 粒状で 1 年ほど効くタイプ。植え穴の底に入れて使います。
- 数量の目安
- 8 号鉢 1 個に 5〜10g、花壇 1 ㎡ あたり 50g 前後。
根に直接触れないよう、土を一枚かぶせてから植えます。触れると濃さで傷みます。量は袋の表示に従ってください。
出典: 農林水産省「都道府県施肥基準等」
- 移植ごて探す言葉「移植ごて ステンレス 目盛り」
- 規格の目安
- 幅 6〜8cm。目盛り付きなら球根の深さを測れます。
球根は「球の高さの 2〜3 倍の深さ」に植えるのが基本で、目分量だと浅くなりがちです。
- 球根植え器は、球根をまとめて植えるようになってからで十分です。移植ごてで足ります。
- 鉢を毎回買い替えなくても、古い鉢を洗って日に当てれば使えます。
サザンカの長く咲かせるコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はサザンカの育て方にまとめています。
iPhone 対応(Android 版は準備中)。無料で使えます。
この記事は広告を含みます。