挿し木か実生かを目的で決める
親と同じ花を確実に咲かせたいなら挿し木です。サザンカは挿し木がつきやすく、根が出れば三、四年で花が咲きます。種から育てる実生は親と違う花になることが多く、咲くまで五年以上かかりますが、丈夫な台木や生け垣用の苗を数多く作るには向きます。
| 目的 | 方法 | 適期 |
|---|---|---|
| 親と同じ花を数本作りたい | 挿し木(緑枝挿し) | 6月中旬〜7月上旬 |
| 親と同じ花を春に仕込みたい | 挿し木(春挿し) | 3月中旬〜4月上旬 |
| 生け垣用に数を作りたい | 実生(種まき) | 10月〜11月に採りまき |
| 太い苗を一本だけ早く | 取り木 | 4月〜6月 |
初めてなら六月の緑枝挿しが一番確実です。春に伸びた新芽が固まってきたころの枝を使います。
緑枝挿しは六月、固まりかけた新枝を使う
春に伸びた枝が、指で曲げてもすぐ折れない程度に固まった六月中旬から七月上旬が適期です。枝先から十センチほどを切り、上の葉を二、三枚残して下の葉は取ります。残す葉は蒸散を抑えるため半分に切ります。用土は肥料を含まない鹿沼土か赤玉土の小粒で、清潔なものを使います。
- 枝先十センチを切る
- 今年伸びた枝の先から十センチほどを切り、上の葉を二、三枚残して下の葉を取ります。残した葉は半分に切ります。
- 切り口を斜めにして水に浸す
- よく切れる刃で切り口を斜めに切り直し、一時間ほど水に浸けて吸わせます。発根剤を使うなら水から上げた後につけます。
- 穴を開けて挿す
- 湿らせた鹿沼土に割りばしで穴を開け、挿し穂の三分の一が入るように挿して周りを軽く押さえます。押し込むと切り口が傷みます。
- 明るい日陰で二か月
- たっぷり水をやり、風の当たらない明るい日陰に置きます。土を乾かさず、二か月ほどで新芽が動けば発根の合図です。
サザンカの発根は二か月から三か月とやや遅めです。一か月で動きがなくても、葉が緑で張りがあればそのまま待ってください。
挿し木苗を育てて植え出すまで
発根した苗はその年は動かさず、翌年三月に一本ずつポットに上げます。根がまだ弱いので土ごとすくって移し、根を引っ張らないようにします。冬は霜と乾いた北風の当たらない軒下で越します。ポットで一年育て、翌々年の三月か九月に庭か大きめの鉢に植え出します。
- 翌年三月にポットへ上げる
- 新芽が伸びて葉が増えた苗を、土ごとすくって三号ポットに移します。根を引っ張ると切れるので、周りから掘り出します。
- 冬は軒下で凍らせない
- 霜と北風の当たらない軒下に置き、土が乾いたら暖かい日の午前に水をやります。凍らせなければ枯れません。
- 二年目の秋に植え出す
- ポットで一年育てて根が回ったら、九月下旬から十月上旬に庭か六号鉢へ植え出します。花は挿してから三、四年後です。
実生と取り木の手順
十月ごろ、前年の花が結んだ実が割れて茶色い種が見えたら採ります。乾かすと発芽率が落ちるので、採ってすぐに鹿沼土にまくか、湿らせた砂に混ぜて冷蔵庫で保存して三月にまきます。翌春に発芽し、二年ほどポットで育てて植え出します。花は五年以上先で、親と同じ花にはなりません。
取り木は、四月から六月に枝の途中の皮を幅二センチほど環状にはぎ、湿らせた水ごけを巻いてビニールで包む方法です。二、三か月で水ごけの中に根が見えたら、その下で切り離してポットに植えます。挿し木より太い苗が早くできますが、一本ずつしか作れません。
- 種は採ってすぐまく
- 実が割れて種が見えたら採り、乾かさずにその日のうちに鹿沼土へ一センチの深さにまきます。冬は軒下で管理します。
- 取り木は皮を環状にはぐ
- 鉛筆ほどの太さの枝の皮を幅二センチはぎ、湿らせた水ごけを握りこぶし大に巻いてビニールで包み、上下をひもで縛ります。
- 根を確かめて切り離す
- ビニール越しに白い根が水ごけに回っているのを確かめてから、水ごけの下で切り離してポットに植えます。根が少ないうちに切ると枯れます。
根が出ない、苗が枯れるときの見分け方
挿してから三か月たっても新芽が出ず、葉が黄ばんで落ちるなら、水切れか過湿で切り口が腐っています。一本抜いて切り口を見て、黒く柔らかければ失敗なので処分します。白くふくらんでいるか、小さな根の突起があればまだ途中なので、水を切らさず待ちます。八月以降の挿し木は暑さで腐りやすいので、翌年六月にやり直します。
ポットに上げた苗が春に葉を落として芽吹かないときは、上げるときに根を切ったか、冬の乾いた風で葉が傷んだかです。枝の皮を削って緑なら生きているので、水をやって五月まで待ちます。茶色ならあきらめて、次の六月に挿し木からやり直します。
| 状態 | 見分け方 | 対処 |
|---|---|---|
| 挿し穂の葉が黄ばんで落ちる | 抜いて切り口を見る | 黒ければ処分、白ければ待つ |
| 三か月で新芽が出ない | 葉の緑と張りを見る | 張りがあれば待つ、しおれれば処分 |
| ポットの苗が春に芽吹かない | 枝の皮を削って色を見る | 緑なら五月まで待つ |
| 取り木の水ごけに根が見えない | 三か月たっても白い根がない | 皮のはぎ方が浅い、翌年やり直す |
サザンカの挿し芽・株分けに使うもの
挿し芽は、肥料分のない清潔な土に挿すのが基本です。培養土に挿すとうまくいかないのはそのためです。
- 挿し芽用土(赤玉土小粒・鹿沼土)探す言葉「挿し芽 用土 赤玉土 小粒」
- 規格の目安
- 赤玉土の小粒か鹿沼土の単用、または「挿し芽・種まき用」と書かれた土。
- 数量の目安
- 3 号ポット 1 個で 0.2L、育苗箱 1 枚で 2L 前後。
肥料分があると、根が出る前に切り口が傷みます。清潔で肥料のない土であることが条件です。
- 発根促進剤探す言葉「発根促進剤 挿し木」
- 規格の目安
- 粉末を切り口に付けるタイプか、液に浸すタイプ。
根の出にくい種類で成功率が変わります。出やすい草花なら無くても十分です。
- よく切れるはさみ・カッター探す言葉「園芸ばさみ 切れ味 ステンレス」
- 規格の目安
- 刃渡り 3〜5cm。使う前にアルコールで拭きます。
切り口が潰れると水を吸えません。斜めに一度で切るのが基本です。
- 3 号ポット・育苗箱探す言葉「ポリポット 3号 育苗」
- 規格の目安
- 直径 9cm(3 号)のポットか、浅い育苗箱。
根が出るまでは小さい容器のほうが管理しやすく、乾き具合も見えます。
- 発根しやすい草花なら、発根促進剤は要りません。水に挿すだけで根が出るものもあります。
- 密閉できる容器があれば、挿し芽用の温室は要りません。
サザンカの長く咲かせるコツは作物ページに
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