症状から原因を切り分ける
サザンカの不調の大半は虫です。葉裏、枝、幹の付け根の三か所を見れば、何が起きているかほぼ分かります。特にチャドクガは人に被害が出るので、四月と八月末の年二回、葉裏を必ず見回ります。
| 症状 | 考えられる原因 | 最初にすること |
|---|---|---|
| 葉裏に小さな毛虫が横一列に並ぶ | チャドクガ | 触らず枝ごと袋に入れて切る |
| 葉が葉脈だけ残して食われる | チャドクガの食害跡 | 周囲の葉裏を探す |
| 枝や葉裏に白や茶の貝殻状の粒 | カイガラムシ | 歯ブラシでこすり落とす |
| 葉が黒いすすで覆われる | すす病(カイガラムシの排せつ物) | 元の虫を落とす |
| 花びらが茶色く腐りかびが生える | 灰色かび病 | 花がらを掃除し風を通す |
| 葉に茶色の輪の斑点が広がる | 輪紋病・炭そ病 | 病葉を取り殺菌剤 |
チャドクガは触らずに枝ごと切る
チャドクガの幼虫は四月から六月と、八月下旬から十月の年二回発生します。若い幼虫は葉裏に横一列に並んで葉を食べ、大きくなると散らばります。毛に毒があり、触らなくても風で飛んだ毛で腕や首がかぶれます。脱皮した抜け殻や死んだ幼虫の毛にも毒が残ります。
見つけたら決して素手で触らず、幼虫が並んだ葉や枝にビニール袋をかぶせて、袋の上から枝ごと切り落とし、口を縛って捨てます。幼虫が散らばってからでは追いきれないので、小さく並んでいるうちに見つけることが一番の対策です。作業は長袖と手袋、できればめがねをつけて、風上から行います。
- 四月と八月末に葉裏を見る
- 発生の始まりに合わせて、葉裏に黄褐色の毛で覆われた卵の塊や、並んだ小さな幼虫がないかを一枝ずつ確かめます。
- 袋をかぶせて枝ごと切る
- 幼虫の並んだ枝にビニール袋をかぶせ、袋の外から枝を切って袋の中に落とします。口を縛ってごみとして出します。
- 散らばったら殺虫剤
- 幼虫が散らばって手で追えないときは、毛虫用の殺虫剤を葉裏まで丁寧にかけます。死んだ幼虫も触らず、袋でつまんで捨てます。
- 作業後は服を別に洗う
- 作業に使った服は他の洗濯物と分けて洗い、皮膚に毛がついた感じがあれば粘着テープで取ってから流水で洗います。
かぶれて赤い発疹がひどいときは、かかずに皮膚科を受診してください。市販のかゆみ止めで治まらない場合が多いです。
カイガラムシとすす病は冬に幹を確かめる
枝や葉裏に白や茶色の小さな貝殻のような粒がついていたらカイガラムシです。動かないので虫に見えませんが、汁を吸って枝を弱らせ、排せつ物にすす病がついて葉が黒くなります。殻に守られて薬が効きにくいので、古い歯ブラシでこすり落とすのが確実です。
冬から三月の剪定の時期は葉が少なく枝が見やすいので、剪定のついでに枝と幹の付け根を確かめます。粒が多い枝はこするより根元から切って処分します。五月から七月に殻のない幼虫が歩き回る時期だけは殺虫剤が効きます。すす病はカイガラムシを落とせば新しい葉から消えていきます。
- 三月の剪定時に枝をなでる
- 剪定のついでに枝を手でなで、ざらつく粒があれば歯ブラシでこすり落とします。落とした粒は株元に残さず集めます。
- 多い枝は根元から切る
- 粒が枝全体に広がった枝はこすらずに根元から切り、袋に入れて処分します。混んだ枝の整理にもなります。
- 初夏に幼虫を狙う
- 五月から七月に、殻のない黄色い幼虫が枝を歩きます。この時期だけ殺虫剤が効くので、見つけたら枝全体にかけます。
花と葉の病気は掃除と風通しで防ぐ
開花期の雨が続くと、花びらが茶色く腐って灰色のかびが生える灰色かび病が出ます。散った花びらが株元にたまると菌が増えるので、花がらを週に一度掃除し、混んだ枝を抜いて風を通します。かびの生えた花は摘み取って袋に入れます。
葉に茶色い輪のような斑点が広がるのは輪紋病や炭そ病で、梅雨から秋の長雨で出ます。病葉を摘み取り、落ちた葉も片付けて処分します。広がりが早いときは花木用の殺菌剤を葉の表裏にかけますが、同じ薬を続けると効かなくなるので二回目は別の系統にします。日当たりと風通しがよければ、ほとんど出ません。
- 花がらを週一回掃く
- 開花中は株元に落ちた花びらを週に一度掃いて捨てます。湿って重なった花びらが灰色かびの温床です。
- 病葉と落ち葉を片付ける
- 斑点の出た葉は摘み取り、地面に落ちた葉も拾って袋に入れます。株元に残すと翌年の感染源になります。
- 内側の枝を抜いて風を通す
- 三月の剪定で内側の混んだ枝を根元から抜きます。風が通れば、かびも斑点もほとんど出ません。
枝が枯れ込む、株が急に弱るときの手当て
枝先から茶色く枯れ込んで下へ進むのは、剪定の切り口から菌が入ったか、真夏の乾きで枝が弱ったかです。枯れた部分の少し下、皮を削って緑色が見える位置まで切り戻し、切り口を斜めにして癒合剤を塗ります。太い幹に穴があいておがくずが出ていれば、カミキリムシの幼虫が入っているので、針金で穴を突くか専用の殺虫剤を注入します。
株全体の葉が小さくなり艶を失って枝が細くなるのは、根詰まりか、根元にコガネムシの幼虫が入って根を食べているかです。株元を掘って白い幼虫が出てくれば取り除き、土を入れ替えます。鉢植えなら根詰まりが多いので、三月か九月に植え替えます。
| 見た目 | 原因 | 対処 |
|---|---|---|
| 枝先から茶色く枯れ込む | 切り口からの菌・乾き | 緑の部分まで切り戻し癒合剤 |
| 幹に穴があきおがくずが出る | カミキリムシの幼虫 | 穴を針金で突く、専用剤を注入 |
| 葉が小さく艶がなく枝が細い | 根詰まり・根の食害 | 株元を掘って確かめ、植え替え |
| 株の片側だけ葉が落ちる | その側の根の傷み | その側の土を掘って根を見る |
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