挿し木か取り木かを目的で決める
親と同じ花を増やすなら挿し木です。サツキはツツジの仲間でも特に挿し木がつきやすく、六月の刈り込みで出た枝を使えば、一度に何十本も苗が作れます。太い株を一本だけ早く作りたいなら取り木、品種にこだわらず数を作るなら実生もできますが、親と同じ花にはなりません。
| 目的 | 方法 | 適期 |
|---|---|---|
| 親と同じ花を数多く作りたい | 挿し木(緑枝挿し) | 6月中旬〜7月上旬 |
| 太い苗を一本だけ早く | 取り木 | 4月〜6月 |
| 生け垣用に安く数を作る | 実生(種まき) | 採りまきは11月、春まきは3月 |
| 盆栽用に古い枝を生かす | 太枝の挿し木 | 6月、太さ一センチまで |
初めてなら六月の緑枝挿しが一番確実です。刈り込みで出た枝から、固まりかけた新枝を選んで使います。
緑枝挿しは六月、刈り込み枝を使う
花後の刈り込みで出た枝のうち、今年伸びて指で曲げても折れない程度に固まった新枝を使います。枝先から五センチから八センチを切り、上の葉を四、五枚残して下の葉は取ります。用土は肥料を含まない鹿沼土の小粒で、清潔なものを使います。挿し床は浅い箱や鉢で、たくさん挿すなら三センチ間隔で構いません。
- 新枝の先を五〜八センチ切る
- 今年伸びた枝の先から五センチから八センチを切り、上の葉を四、五枚残して下の葉を取ります。花がらやつぼみは取ります。
- 切り口を斜めにして水に浸す
- よく切れる刃で切り口を斜めに切り直し、一時間ほど水に浸けます。発根剤を使うなら水から上げた後につけます。
- 穴を開けて三センチ間隔で挿す
- 湿らせた鹿沼土に割りばしで穴を開け、挿し穂の下半分が入るように挿して周りを軽く押さえます。押し込むと切り口が傷みます。
- 明るい日陰で一か月半
- たっぷり水をやり、風の当たらない明るい日陰に置きます。土を乾かさず、一か月から一か月半で新芽が動けば発根の合図です。
サツキは根が出やすいので、ビニールをかぶせて湿度を保つ手間はいりません。乾かさないことだけ守れば七、八割はつきます。
挿し木苗を育てて植え出すまで
発根した苗は九月に一本ずつポットに上げるか、そのまま挿し床で冬を越させて翌春三月に上げます。根が細かく傷みやすいので、土ごとすくって移し、根を引っ張らないようにします。冬は霜と乾いた北風の当たらない軒下で越します。ポットで一年育て、翌々年の六月か九月に庭や大きめの鉢に植え出します。花は挿してから二、三年目の春です。
- 九月か翌三月にポットへ
- 新芽が伸びて葉が増えた苗を、土ごとすくって二号から三号ポットに移します。鹿沼土の小粒で植えます。
- 冬は軒下で凍らせない
- 霜と北風の当たらない軒下に置き、土が乾いたら暖かい日の午前に水をやります。凍らせなければ枯れません。
- 二年目の六月に植え出す
- ポットで一年育てて根が回ったら、花後の六月か九月下旬に庭か五号鉢へ植え出します。一年目の夏は水切れに注意します。
取り木と太枝挿しの手順
取り木は、四月から六月に枝の途中の皮を幅一センチほど環状にはぎ、湿らせた水ごけを巻いてビニールで包む方法です。サツキは一、二か月で水ごけに根が回るので、根が十分見えたらその下で切り離してポットに植えます。盆栽で幹の一部を独立させたいときにも使います。
太さ一センチまでの古い枝も、六月に挿せば根が出ます。長さ十センチほどに切って葉を数枚残し、緑枝挿しと同じ要領で鹿沼土に挿します。根が出るまで二か月ほどかかりますが、最初から太い幹のある苗ができるので、盆栽の素材作りに向きます。
- 取り木は皮を環状にはぐ
- 鉛筆ほどの太さの枝の皮を幅一センチはぎ、湿らせた水ごけを握りこぶし大に巻いてビニールで包み、上下をひもで縛ります。
- 根を確かめて切り離す
- ビニール越しに白い根が水ごけに回っているのを確かめてから、水ごけの下で切り離してポットに植えます。根が少ないうちに切ると枯れます。
- 太枝は六月に十センチで挿す
- 太さ一センチまでの枝を十センチに切り、葉を数枚残して鹿沼土に半分埋めます。二か月ほど乾かさず待ちます。
根が出ない、苗が枯れるときの見分け方
挿してから二か月たっても新芽が出ず、葉が茶色くなって落ちるなら、水切れか過湿で切り口が腐っています。一本抜いて切り口を見て、黒く柔らかければ失敗なので処分します。白くふくらんでいるか小さな根の突起があれば途中なので、水を切らさず待ちます。八月以降の挿し木は暑さで腐りやすいので、翌年六月にやり直します。
ポットに上げた苗が春に葉を落として芽吹かないときは、上げるときに根を切ったか、冬の乾いた風で傷んだかです。枝の皮を削って緑なら生きているので、水をやって五月まで待ちます。茶色ならあきらめて、次の六月に挿し木からやり直します。サツキは挿し穂がいくらでも取れるので、多めに挿して選ぶのが一番の対策です。
| 状態 | 見分け方 | 対処 |
|---|---|---|
| 挿し穂の葉が茶色くなって落ちる | 抜いて切り口を見る | 黒ければ処分、白ければ待つ |
| 二か月で新芽が出ない | 葉の緑と張りを見る | 張りがあれば待つ、しおれれば処分 |
| ポットの苗が春に芽吹かない | 枝の皮を削って色を見る | 緑なら五月まで待つ |
| 取り木の水ごけに根が見えない | 二か月たっても白い根がない | 皮のはぎ方が浅い、翌年やり直す |
サツキの挿し芽・株分けに使うもの
挿し芽は、肥料分のない清潔な土に挿すのが基本です。培養土に挿すとうまくいかないのはそのためです。
- 挿し芽用土(赤玉土小粒・鹿沼土)探す言葉「挿し芽 用土 赤玉土 小粒」
- 規格の目安
- 赤玉土の小粒か鹿沼土の単用、または「挿し芽・種まき用」と書かれた土。
- 数量の目安
- 3 号ポット 1 個で 0.2L、育苗箱 1 枚で 2L 前後。
肥料分があると、根が出る前に切り口が傷みます。清潔で肥料のない土であることが条件です。
- 発根促進剤探す言葉「発根促進剤 挿し木」
- 規格の目安
- 粉末を切り口に付けるタイプか、液に浸すタイプ。
根の出にくい種類で成功率が変わります。出やすい草花なら無くても十分です。
- よく切れるはさみ・カッター探す言葉「園芸ばさみ 切れ味 ステンレス」
- 規格の目安
- 刃渡り 3〜5cm。使う前にアルコールで拭きます。
切り口が潰れると水を吸えません。斜めに一度で切るのが基本です。
- 3 号ポット・育苗箱探す言葉「ポリポット 3号 育苗」
- 規格の目安
- 直径 9cm(3 号)のポットか、浅い育苗箱。
根が出るまでは小さい容器のほうが管理しやすく、乾き具合も見えます。
- 発根しやすい草花なら、発根促進剤は要りません。水に挿すだけで根が出るものもあります。
- 密閉できる容器があれば、挿し芽用の温室は要りません。
サツキの長く咲かせるコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はサツキの育て方にまとめています。
iPhone 対応(Android 版は準備中)。無料で使えます。
この記事は広告を含みます。