辛い実が出る仕組みを知る
シシトウはトウガラシの仲間なので辛味を作る力を持っていますが、ふだんは働きません。土が乾いたり、高温や実の付けすぎで株が苦しくなったりすると、その力が目を覚まして辛い実が混じります。
つまり辛い実は病気ではなく、株からの合図です。何本かに一本辛いものが出たら、水やりの間隔と肥料の切れを疑って、株が楽になる手当てを先にします。
| 場面 | 辛い実の出やすさ | 先にする手当て |
|---|---|---|
| 梅雨の間 | 低い | 水は控えめでよい。追加の肥料だけ切らさない |
| 7〜8月の乾いた日が続くとき | 高い | 朝にたっぷり水をやり、株元を敷きわらで覆う |
| 実を採り遅れているとき | 高い | 小さいうちに採り、株に付ける実の数を減らす |
| 9月以降の涼しい時期 | 低い | 水は控えめに戻し、肥料は月に一回 |
水は朝にたっぷり、回数は少なく
シシトウの根は地表から二十センチほどに集まっています。少しずつ何度も与えると根が浅いところにとどまり、乾きに弱い株になります。土の表面が乾いたら、株元だけでなく畝の広い範囲にたっぷり与えます。
与える量は一株あたり二リットルから三リットルが目安です。畝の表面が黒く濡れただけでは根まで届いていません。株元から半径三十センチほどの範囲に、ゆっくり二回に分けて流し込むと土の奥まで湿ります。
- 指で土を確かめる
- 株元の土に指を第二関節まで挿し、湿り気を感じなければ水やりどきです。表面の色だけで判断しません。
- 朝のうちに与える
- 日が高くなる前に与えると、根が冷たい水で傷まず、日中の暑さにも耐えられます。夕方の水やりは病気を招きます。
- 敷きわらで乾きを止める
- 梅雨明けまでに株元を敷きわらか刈った草で覆うと、土の乾きが遅くなり水やりの回数を減らせます。
プランターは真夏に一日二回必要になることがあります。鉢底から水が流れ出るまで与えてください。
追肥は二週間に一回
シシトウは霜が降りるまで実を付け続けるので、肥料の切れが収穫の終わりを決めます。追肥(育ちの途中で足す肥料)は最初の実を採ったころから始め、二週間ごとに株元から離した位置へ与えます。
一回の量は化成肥料なら一株あたり大さじ一杯ほどです。多く与えるより、少なく回数を保つほうが実付きが安定します。液体の肥料を使うなら週に一回、規定の薄さで水やり代わりに与えます。
- 最初の実で始める
- 一番花の実を採ったころが一回目の合図です。それより早いと葉ばかり茂って花が落ちます。
- 株元から離してまく
- 株元から二十センチ離した輪の上にまき、軽く土と混ぜます。株元に直接置くと根が傷みます。
- まいたら水をやる
- 肥料は水に溶けて初めて効きます。まいたあとに水をやると、次の日から効き始めます。
肥料が足りているかの見方
肥料の過不足は葉と花で判断します。株の上のほうの葉が小さく色が薄いなら足りず、逆に葉が大きく色が濃いのに花が落ちるなら効きすぎです。実の付き方も合わせて見ると外しません。
| 姿 | 読み取り方 | 次の一手 |
|---|---|---|
| 上の葉が小さく薄い緑 | 肥料切れ | すぐ追加し、以後は二週間ごとに続ける |
| 葉が大きく濃い緑、花が落ちる | 効きすぎ | 三週間止めて水を多めに与える |
| 葉も花も安定、実が続く | ちょうどよい | 同じ間隔と量を保つ |
| 下葉から黄色く落ちる | 肥料切れか根の傷み | 追加してから一週間見て、変わらなければ根を疑う |
真夏に株を休ませる
七月下旬から八月は気温が高く、花粉が働かずに花が落ちます。この時期に無理に実を付けさせようとするより、実を早めに採って株を軽くし、涼しくなるのを待つほうが秋の収穫が伸びます。
株を休ませた分だけ収穫は一時的に落ちますが、九月からの伸びが違います。八月に無理をさせて枯らすより、二週間の我慢で十月まで穫れるほうが、結果として採れる量は多くなります。
- 実を小さいうちに採る
- 長さ五センチほどで次々に採ると株の負担が減り、暑さの中でも枝を伸ばし続けられます。
- 日よけを掛ける
- 西日の強い場所では、午後だけ寒冷紗を掛けると株元の地温が下がり、落花が減ります。
- 水を朝夕に分ける
- 猛暑日が続くときは朝に多め、夕方に軽くと分けて与えます。日中の水やりは根を蒸らします。
実が付かないときの切り分け
花は咲くのに実にならないときは、暑さ、肥料の偏り、日照不足のどれかです。順に確かめれば、切るべきか足すべきかが決まります。株を掘り返す前に、上の三つを一つずつ試します。
| 原因 | 見分けの目安 | 対処 |
|---|---|---|
| 高温 | 日中35度前後の日が続いている | 実を早採りし、日よけと水で株を休ませる |
| 肥料の偏り | 葉が濃く大きい | 肥料を止めて三週間見る |
| 日照不足 | 枝が細長く葉の色が薄い | 枝を間引いて風と光を通す |
| 水切れ | 日中に葉がしおれて夕方戻る | 水やりを朝の一回にまとめ、敷きわらを足す |
シシトウは虫が受粉を助けなくても自分で実を付けます。実が付かない原因を受粉に求める必要はありません。
シシトウの育てている間に使うもの
植え付けたあとにやることは、追肥・除草・水やりの 3 つに集約されます。専用品より、切らさないことのほうが効きます。
数量は幅 60cm × 長さ 3m の畝 1 本(約 1.8 ㎡)で計算しています。
- 化成肥料(8-8-8 など)探す言葉「化成肥料 8-8-8 追肥」
- 規格の目安
- 粒状。ひとつまみがおよそ 5g、大さじ 1 がおよそ 10g です。
- 数量の目安
- 追肥 1 回で 1 ㎡あたり 30〜50g、畝 1 本で 50〜90g。1kg 袋なら 10 回以上もちます。
株から少し離した位置にまいて土と混ぜます。株元に直に置くと、濃さで根が傷みます。作物ごとの量は都道府県の施肥基準が正確です。
出典: 農林水産省「都道府県施肥基準等」
- 液体肥料探す言葉「液体肥料 野菜 原液」
- 規格の目安
- 1000 倍に薄めて使う原液タイプ。800ml 前後の 1 本で、ジョウロ何十杯ぶんにもなります。
粒の肥料は効き始めるまで数日から 1 週間かかります。すぐ効かせたいとき、鉢やプランターで使います。
- 三角ホー(草かき)探す言葉「三角ホー 除草」
- 規格の目安
- 刃幅 10〜15cm、柄の長さ 120cm 前後。立ったまま使える長さを選びます。
雑草は根から抜くより、小さいうちに表土ごと削るほうが早く終わります。かがまずに済むので続けられます。
- 敷きわら・刈り草探す言葉「敷きわら 家庭菜園」
- 規格の目安
- 稲わら 1 束でおよそ 3〜4 ㎡ 分。刈った草を乾かしたもので代えられます。
- 数量の目安
- 畝 1 本で 1 束の半分ほど。
夏の乾きと地温の上がりすぎを抑えます。マルチと違い、そのまま鋤き込んで土に返せます。
- 活力剤は肥料の代わりにはなりません。肥料を切らしていないなら急ぎません。
- 肥料は種類を増やすより、1 袋を切らさないほうが効きます。
シシトウの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はシシトウの育て方にまとめています。
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