まず一番花の位置を探す
シシトウの整枝(枝を選んで残す作業)は、一番花の位置を見つけるところから始まります。最初の花が咲いた節から上は自然に二股、三股に分かれていくので、人が手を入れるのはその下だけです。
- 一番花を確かめる
- 植えてから二週間ほどで、主枝の先に最初の花が咲きます。この花が付いた節が仕立ての分かれ目になります。
- 下の芽を数える
- 一番花より下の葉の付け根から出ている小さな芽を数えます。ふつう三つから五つ出ています。
- 上の枝は残す
- 一番花より上で分かれた枝は、実の付く大事な枝です。ここは切らずにそのまま伸ばします。
一番花の下のわき芽をすべて取る
一番花より下から出るわき芽(枝の付け根から出る芽)は、伸ばしても実がほとんど付かず、株元の風通しだけを悪くします。小さいうちに指でかき取ると傷が小さく済み、病気の入口になりません。
取る作業は晴れた日の午前中に行います。傷口が昼のうちに乾き、細菌が入りにくくなります。雨の日や夕方に取ると、切り口から病気が入って枝が枯れ込むことがあります。
- 指で横に倒す
- 長さ三センチ以下の芽は、根元から横に倒すようにして指でかき取ります。はさみを使うより傷口がきれいです。
- 大きい芽ははさみで
- 見落として十センチ以上に伸びた芽は、清潔なはさみで根元から切ります。刃は株ごとに拭いて使います。
- 週に一度見て回る
- 六月から七月はわき芽の出が早いので、水やりのついでに株元を見て、伸び始めたものを取ります。
作業前にはさみの刃をアルコールで拭くと、株から株へ病気を運ばずに済みます。
三本仕立てに絞る
一番花のすぐ上で分かれた枝のうち、勢いのよい二本を残し、主枝と合わせて三本を柱にします。四本以上残すと枝が込み合って中が暗くなり、落花が増えて実の付きが悪くなります。
どの枝を残すか迷ったら、葉の大きさと節の詰まり方で決めます。葉が厚くて節が詰まっている枝は勢いがあり、実をよく付けます。細くて上へ伸びるだけの枝は落として構いません。判断が付かないうちは切らずに残し、二週間後にもう一度見て決めても遅くありません。
| タイプ | 残す枝の数 | 向いている場面 |
|---|---|---|
| 三本仕立て | 主枝と側枝2本 | 露地で株間50センチ。標準の作り方 |
| 二本仕立て | 主枝と側枝1本 | プランターや株間が狭いとき |
| 四本仕立て | 主枝と側枝3本 | 株間70センチ以上で収穫量を狙うとき |
支柱と誘引で枝を支える
シシトウの枝はナスより折れやすく、実が付いた枝が自分の重さで裂けることがあります。三本の柱それぞれに支柱を立て、二十センチ伸びるごとにひもで結んで支えます。
結ぶときは支柱側できつく、枝側はゆるく八の字にします。こうしておくと枝が太っても食い込まず、風で擦れて傷が付くこともありません。麻ひもなら株を片づけるときにそのまま土に返せます。
- 支柱を三本立てる
- 長さ百五十センチの支柱を、株を囲むように少し外へ開いて挿し、上部を交差させて結びます。
- 枝を八の字で結ぶ
- ひもを支柱に一回巻いてから枝にゆるく回し、こぶし一つ分の余裕を持たせて結びます。
- 伸びたら結び足す
- 枝の先が支柱から離れてきたら、二十センチごとに結び足します。実の重みが増す八月は特に大事です。
夏の切り戻しで秋の実を作る
八月に入ると株が疲れて花が落ちやすくなります。このころに枝先を三分の一ほど切り戻すと、二週間ほどで新しい枝が伸び、九月から十月にもう一度よく穫れるようになります。
切り戻しと同時に株元へ肥料を足し、水をたっぷり与えます。切るだけで肥料と水が足りないと、新しい枝が伸びずに株がそのまま弱ってしまいます。
- 実を全部採る
- 切り戻す前に付いている実をすべて採ります。実を残したままだと株が種を作るほうに力を使い続けます。
- 枝先を三分の一切る
- 混み合った内向きの枝から先に落とし、外側の枝は先端を三分の一だけ切ります。葉は半分以上残します。
- 肥料と水を足す
- 株元から二十センチ離した輪に肥料をまいて土と混ぜ、そのあと株全体にたっぷり水をやります。
枝が伸びすぎたときの直し方
葉ばかり大きく茂って花が落ちるときは、肥料と水が効きすぎて枝が伸びるほうに力が向いています。切る量を増やすより、まず肥料を止めて様子を見るほうが早く戻ります。
逆に枝が伸びず葉も小さいときは、切りすぎか根の傷みを疑います。この場合は切るのをやめ、水と薄い肥料で二週間ほど様子を見ます。新しい葉が出てくれば回復に向かっているので、そこから改めて枝の数を整えます。
| 状態 | 原因 | 戻し方 |
|---|---|---|
| 葉が大きく色が濃い、花が落ちる | 窒素の効きすぎ | 肥料を三週間止め、内向きの枝を間引く |
| 枝が細長く実が小さい | 日照不足と枝の込みすぎ | 枝を三本に絞り直し、下葉を五枚ほど落とす |
| 株の中が暗く葉が黄色い | 誘引不足で枝が垂れている | 支柱に結び直して枝を立て、風を通す |
枝を切るのは一度に三分の一までにします。それ以上切ると光合成が足りず、株が回復せずに終わってしまいます。
シシトウのわき芽かき・整枝に使うもの
この作業でいちばん気をつけるのは、切り口から病気を移さないことです。道具そのものより、使い方に関わるものを挙げます。
- 園芸ばさみ探す言葉「園芸ばさみ ステンレス」
- 規格の目安
- 刃渡り 5cm 前後のステンレス製。細い茎を切るので、剪定ばさみより小回りの利くものを。
よく切れるはさみは切り口が潰れません。潰れた切り口は乾きにくく、病気の入り口になります。
- 消毒用アルコール探す言葉「消毒用アルコール スプレー」
- 規格の目安
- 濃度 70〜80% のもの。スプレー式が作業中に使いやすいです。
ウイルス性の病気は、はさみを介して株から株へ移ります。株を変えるたびに刃を拭くだけで防げます。
- 誘引テープ探す言葉「誘引テープ 園芸」
- 規格の目安
- 幅 10mm 前後。伸びる素材のもの。
整枝したあとは枝の位置が変わります。そのつど留め直すので、切って使える長さのものが便利です。
- わき芽は指で折れる大きさのうちに取れば、はさみは要りません。手で折ったほうが切り口も早く乾きます。
- 癒合剤は太い枝を切る木の作業のもので、野菜には要りません。
シシトウの収穫までのコツは作物ページに
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