水が要る時期は決まっている
大豆は露地なら基本的に雨まかせで育ちますが、花が咲く七月下旬から莢がふくらむ九月上旬までの一か月だけは別です。この時期に乾かすと、咲いた花がそのまま落ちて莢にならず、莢の中の豆も一粒か二粒で止まります。
| 時期 | 水やり | 見るところ |
|---|---|---|
| 6月〜7月中旬 | ほぼ不要 | 梅雨の雨で足りる。畝の水たまりのほうが問題 |
| 7月下旬〜8月 | 晴れが続いたら与える | 昼にしおれ、夕方も戻らなければ乾きすぎ |
| 9月 | 莢がふくらむまで続ける | 莢を触って中の豆の手ごたえを確かめる |
| 10月以降 | 止める | 葉が黄色くなり始めたら乾かして仕上げる |
追肥はほとんど要らない
大豆に追肥(育ちの途中で足す肥料)を多く与えると、葉が濃い緑になって背丈だけ伸び、花が落ちて莢が付かなくなります。根粒菌が窒素を作るので、元肥が控えめなら追肥なしで最後まで育ちます。
足すとしたら花が咲き始めるころに一回だけ、カリ分の多い肥料を軽くまく程度です。葉の色が薄い黄緑で、背丈も伸びていない株に限って与えます。葉が濃い緑なら足りているので何もしません。
- 葉の色で判断する
- 葉が濃い緑なら足りています。全体に黄緑で小さいときだけ、株の周りに一握りの化成肥料をまいて土に混ぜます。
- 花のころに一回だけ
- 与えるなら花が咲き始めた時期の一回です。莢がふくらんでから足しても、葉が茂るだけで豆は増えません。
- 株元に直接かけない
- 肥料は株から十五センチ離した位置にまきます。株元に直接置くと根が傷んで、その株だけ育ちが止まります。
根を掘って白ではなく赤みを帯びた粒が付いていれば、根粒菌がよく働いている証拠です。肥料を足す必要はありません。
土寄せで倒れを防ぐ
大豆は背丈が七十センチから百センチになり、莢が付いた重みと台風の風で倒れます。倒れると莢が土に触れて腐り、収穫のときに拾えなくなるので、倒れる前に土寄せ(株元へ土を寄せて支えること)をしておきます。
土寄せは二回に分けます。本葉が三枚から四枚のころに軽く、花が咲く前にもう一度しっかり寄せると、寄せた土から新しい根が出て支えが強くなります。
- 一回目は本葉四枚
- 畝の間の土をくわで削り、株元に五センチほど寄せます。同時に生えている草も一緒に埋めてしまえます。
- 二回目は花の前
- 七月中旬に、株元が隠れるまで十センチほど寄せます。ここでしっかり寄せておくと台風でも倒れにくくなります。
プランターは水を切らさない
大豆はプランターでも作れますが、根が深く張る作物なので深さ三十センチ以上の容器が要ります。土の量が少ない分、花の時期に一日水を忘れただけで莢が落ちるので、露地より神経を使います。
六十センチのプランターなら二株が限度です。詰めて植えると背丈だけ伸びて倒れ、下の葉が枯れ上がります。日当たりのよい場所に置き、真夏は朝夕の二回水をやります。
- 深い容器を選ぶ
- 深さ三十センチ以上のプランターに、野菜用の培養土を入れます。元肥入りの土なら追加の肥料は要りません。
- 二株までにする
- 六十センチの容器に二株、株間三十センチを守ります。三株入れると根が競って背だけ伸び、莢の数がはっきり減ります。
- 花の時期は朝夕
- 七月下旬から九月は、表面が乾いていたら朝と夕方に与えます。受け皿に水を溜めたままにはしません。
草取りは花が咲く前に終える
大豆は初期の育ちがゆっくりで、六月から七月の草に負けます。逆に葉が茂って畝を覆ってしまえば草はほとんど生えなくなるので、勝負は植えてから一か月半です。
花が咲いてからの草取りは、株を揺らして花を落とすので避けます。どうしても気になる草は根を抜かず、地際で切って畝に敷いておくと土の乾きも防げます。
- 土寄せと同時に取る
- 二回の土寄せのタイミングで、畝の間の草をまとめて削ります。別の作業にしないほうが手間が減ります。
- 花のあとは切るだけ
- 八月以降は根を抜かず、はさみで地際を切ります。抜くと大豆の根も動いて花が落ちます。
水と肥料でつまずいたときの切り分け
葉ばかり茂る、花は咲いたのに莢が付かない、といった症状は、水と肥料のどちらが原因かで手当てが逆になります。葉の色と背丈を見て切り分けてください。
- 葉が濃く背が高い
- 肥料のやりすぎです。以後の追加はやめ、土寄せで倒れを防ぎます。莢は減りますが枯らすほどではありません。
- 花が落ちて莢が無い
- 花の時期の乾きが原因のことが多いです。すぐにたっぷり水をやれば、あとから咲く花で取り返せます。
- 下の葉から黄色い
- 水はけが悪くて根が傷んでいます。畝の間に溝を切って水を抜き、しばらく水やりを止めます。
- 全体が黄緑で小さい
- 土が酸性に寄って根粒が付いていない可能性があります。今年は薄い肥料で補い、来年は石灰を先に入れます。
大豆の育てている間に使うもの
植え付けたあとにやることは、追肥・除草・水やりの 3 つに集約されます。専用品より、切らさないことのほうが効きます。
数量は幅 60cm × 長さ 3m の畝 1 本(約 1.8 ㎡)で計算しています。
- 化成肥料(8-8-8 など)探す言葉「化成肥料 8-8-8 追肥」
- 規格の目安
- 粒状。ひとつまみがおよそ 5g、大さじ 1 がおよそ 10g です。
- 数量の目安
- 追肥 1 回で 1 ㎡あたり 30〜50g、畝 1 本で 50〜90g。1kg 袋なら 10 回以上もちます。
株から少し離した位置にまいて土と混ぜます。株元に直に置くと、濃さで根が傷みます。作物ごとの量は都道府県の施肥基準が正確です。
出典: 農林水産省「都道府県施肥基準等」
- 液体肥料探す言葉「液体肥料 野菜 原液」
- 規格の目安
- 1000 倍に薄めて使う原液タイプ。800ml 前後の 1 本で、ジョウロ何十杯ぶんにもなります。
粒の肥料は効き始めるまで数日から 1 週間かかります。すぐ効かせたいとき、鉢やプランターで使います。
- 三角ホー(草かき)探す言葉「三角ホー 除草」
- 規格の目安
- 刃幅 10〜15cm、柄の長さ 120cm 前後。立ったまま使える長さを選びます。
雑草は根から抜くより、小さいうちに表土ごと削るほうが早く終わります。かがまずに済むので続けられます。
- 敷きわら・刈り草探す言葉「敷きわら 家庭菜園」
- 規格の目安
- 稲わら 1 束でおよそ 3〜4 ㎡ 分。刈った草を乾かしたもので代えられます。
- 数量の目安
- 畝 1 本で 1 束の半分ほど。
夏の乾きと地温の上がりすぎを抑えます。マルチと違い、そのまま鋤き込んで土に返せます。
- 活力剤は肥料の代わりにはなりません。肥料を切らしていないなら急ぎません。
- 肥料は種類を増やすより、1 袋を切らさないほうが効きます。
大豆の収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方は大豆の育て方にまとめています。
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