見回る時期を絞る
大豆の虫は一年中来るわけではありません。莢がふくらむ八月下旬から十月上旬に集中するので、この一か月半だけ数日に一度、朝のうちに株を見て回れば大半の被害を防げます。
| 症状 | 考えられる原因 | 手当て |
|---|---|---|
| 莢が平たいまま、豆が入らない | カメムシが汁を吸った | 朝に捕る。莢の時期に防虫ネットをかける |
| 葉が網目状に食われる | ハスモンヨトウの幼虫 | 葉裏の卵の塊ごと取り除く |
| 莢に小さな穴、中の豆に虫 | マメシンクイガ | 被害の莢は畑から出す。連作を避ける |
| 葉に茶色の斑点が広がる | べと病や斑点の病気 | 下葉を取って風を通す。長雨のあとに出やすい |
カメムシは朝のうちに捕る
大豆の収穫量を最も減らすのはカメムシです。莢に口を刺して中の豆の汁を吸うため、外から見ると莢は付いているのに、中を割ると豆がしぼんでいたり、黒い斑点が残ったりします。
カメムシは気温の低い朝は動きが鈍く、指で払うと下に落ちます。株の下にバケツを構えて揺すり、落ちたところを回収するのがいちばん確実です。日中は飛んで逃げるので効率が落ちます。
- 朝八時までに見回る
- 気温が上がる前なら動きが鈍く、逃げられません。莢の付いた枝を中心に、葉の裏まで目を通します。
- バケツで受けて揺する
- 水に少量の洗剤を入れたバケツを株元に置き、枝を揺すって落とします。触らずに処理できます。
- 畑の周りの草を刈る
- カメムシは周りの雑草で増えてから大豆に移ります。畑の縁の草を八月のうちに刈っておくと飛来が減ります。
どうしても数が減らないときは、莢が付く前から野菜用の防虫ネットでトンネルをかける方法もあります。背丈が高いので支柱をしっかり組んでください。
葉を食べる幼虫への対処
夏はハスモンヨトウなどの幼虫が葉を食べます。ふ化した直後は葉の裏に群れていて、その葉が白くすけて見えるので、この段階で葉ごと取れば一枚で数十匹を処理できます。
大きくなって散らばると手では追えなくなります。大豆は葉を三割ほど食われても収穫にはあまり響かないので、莢の時期でなければ慌てて薬に頼らなくても構いません。
- 白くすけた葉を探す
- 葉の表が白い網目に見える葉は、裏に幼虫の群れがいます。その葉を柄ごと切り取って畑の外に出します。
- 卵の塊を取る
- 葉裏の毛におおわれた薄茶色の塊が卵です。見つけたらその場でつぶすか葉ごと取ります。
- 莢の時期だけ薬を検討
- 莢を食われ始めたら、野菜用の殺虫剤を収穫までの日数を守って使います。それ以外の時期は手で足ります。
病気は風通しと連作の管理で防ぐ
大豆の病気は長雨のあとに出ます。葉に茶色や紫の斑点が広がるものが多く、株が混み合って風が通らない畑ほど広がりが早くなります。株間三十センチと条間六十センチを守るのが最初の予防です。
同じ場所で豆類を続けると、土の中に病原菌が残って毎年出るようになります。三年は空けるか、イネ科の作物と入れ替えると畑が落ち着きます。
- 下葉を早めに取る
- 地面に触れている下の葉は真っ先に病気になります。混んできたら二三枚外して風の通り道を作ります。
- 水を上からかけない
- プランターでは株元に静かに与えます。葉に水をかけると病気の胞子が飛び散って広がります。
- 残った株を片づける
- 収穫が終わった株を畑に放置すると、病原菌が越冬します。刈った株は畑の外で処分します。
実が入らない生理的な障害
虫も病気も見当たらないのに莢が空という年があります。これは高温と乾燥で花粉が働かなかったか、花の時期に水が切れたことが原因で、虫の被害とは対処が違います。
気温が三十五度を超える日が続くと花が落ちます。畑では防ぎようがありませんが、株元に刈った草を敷いて地温を下げ、水を切らさないだけでも落ち方が変わります。
- 莢を割って確かめる
- 空の莢を割って、豆の跡があるかを見ます。しぼんだ豆が残っていればカメムシ、跡がなければ花のときの障害です。
- 株元に草を敷く
- 刈った草やもみ殻を株元に敷いて地温を下げます。水の蒸発も減るので、猛暑の年ほど効果があります。
病害虫でつまずいたときの切り分け
被害を見つけたときは、まず葉なのか莢なのかを分けて考えます。葉の被害は多少なら放っておけますが、莢の被害はそのまま収穫量に直結します。
- 葉だけなら急がない
- 葉が食われているだけなら、全体の三割までは様子を見ます。卵の塊だけ取り除いておけば十分です。
- 莢に穴があれば取る
- 穴の空いた莢は中に幼虫がいます。見つけ次第もいで畑の外に出し、周りの株も点検します。
- 急に広がったら薬
- 数日で被害が倍に増えるようなら、野菜用の殺虫剤を一度使います。収穫までの日数の表示を必ず守ります。
- 毎年同じ症状なら畑を替える
- 同じ病気が毎年出るなら土に原因があります。翌年は別の場所にまき、三年は豆類を作らないようにします。
大豆の収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方は大豆の育て方にまとめています。
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