半年の流れをつかむ
完熟の大豆は、六月にまいて十月下旬から十一月に収穫します。枝豆として食べるなら八月下旬から九月に穫れますが、豆にするならそこから二か月近く畑に置いて枯らします。
半年のうち手がかかるのは六月と七月、そして十一月の三つの山だけです。八月から十月は見回りが中心なので、旅行や帰省の多い時期でも続けやすい作物だといえます。
| 時期 | 作業の山 | かかる手間 |
|---|---|---|
| 6月 | 種まきと鳥よけ | 半日。畝立てを含めても一日で終わる |
| 7月 | 間引き・土寄せ・草取り | この月がいちばん手がかかる |
| 8月〜9月 | 水やりと見回り | 乾いたら水。虫を見つけたら取る |
| 10月〜11月 | 収穫と乾燥・脱穀 | 刈るのは半日。乾かすのに二週間 |
月別のやることカレンダー
関東平野部の露地を前提にした目安です。寒い地域は全体に半月ほど早め、暖かい地域は半月ほど遅らせると収穫の時期が合います。
日付はあくまで目安で、実際には株の姿で判断します。花が咲いたかどうか、莢がふくらんだかどうかを見て、表の行を前後にずらして読んでください。
| 月 | やること | 見るところ |
|---|---|---|
| 5月 | 石灰と堆肥を入れて耕す | 肥料は控えめでよい |
| 6月 | 種まき、鳥よけの不織布 | 本葉三枚で布を外す |
| 7月 | 間引き、土寄せ二回、草取り | 背丈が伸びすぎていないか |
| 8月 | 花が咲く。乾いたら水やり | 花が落ちていないか毎日見る |
| 9月 | 莢がふくらむ。カメムシを取る | 莢を触って豆の手ごたえを確かめる |
| 10月 | 葉が黄色く落ちる。水を止める | 莢を振って音がするころが近い |
| 11月 | 刈り取り、乾燥、脱穀、選別 | 莢がはじける前に刈る |
七月がいちばん忙しい
七月は間引き、土寄せ二回、草取りが重なります。この月に手を入れておけば八月以降はほとんど見回りだけで済むので、休みの日を一日確保して片づけてしまうのが結局は楽です。
- 上旬に間引き
- 本葉二枚のころに一本か二本立ちにします。同時に一回目の土寄せ(株元へ土を寄せて支えること)をして株元を安定させます。
- 中旬に二回目の土寄せ
- 花が咲く前に株元が隠れるまで土を寄せます。台風の前に済ませておくと倒れが減ります。
- 下旬に草を片づける
- 葉が茂って畝を覆うまでの最後の草取りです。ここを越えれば草はほとんど生えません。
- 下旬に見回りの目を作る
- 茂ってきた株の下をのぞき、葉裏に卵の塊がないかを見ます。ここで一度見ておくと、八月以降の異変に気づきやすくなります。
梅雨明けの直後は畑が固くなります。土寄せは雨の翌日など、土が湿ってやわらかいときを選ぶと作業が早く終わります。
十月からは刈り時を待つ
十月に入ると葉が黄色くなって落ち始めます。ここからは水も肥料も要らず、ただ枯れるのを待つ時期です。焦って早く刈ると豆に水分が残り、乾燥の途中でかびます。
刈るのが遅れて莢がはじけると、地面に落ちた豆は拾い切れません。十月下旬からは三日に一度、莢の色と手ざわりを確かめる習慣にしておくと取り逃しがなくなります。
| 状態 | 刈ってよいか | 対応 |
|---|---|---|
| 葉が半分黄色い | まだ早い | そのまま置く。雨の予報だけ気にする |
| 葉がほぼ落ちて莢が茶色 | もうすぐ | 莢を振って音がするか確かめる |
| 振ると豆の音がする | 刈りどき | 晴れの日に株ごと刈り取る |
| 莢がはじけ始めた | 遅い | すぐ刈る。落ちた豆は拾って別に乾かす |
地域でずれる時期の目安
大豆は日の長さで花を咲かせるため、まく時期を変えても開花はあまりずれません。地域差は主に霜が降りる時期の差で、収穫を霜より前に終えられるかで作り方が決まります。
霜が二回降りると株は完全に枯れます。寒い地域では収穫が霜に間に合わないことがあるので、まく時期を五月下旬に早めるか、早く枯れる品種を選んでください。
暖かい地域では十二月まで畑に置けますが、その分だけ次の作物の準備が遅れます。畑の回し方に合わせて、収穫を早めるか遅らせるかを決めてください。
| 地域 | 種まき | 収穫 |
|---|---|---|
| 寒い地域 | 5月下旬〜6月上旬 | 10月上旬〜下旬。霜の前に刈る |
| 関東の平野 | 6月上旬〜7月上旬 | 10月下旬〜11月中旬 |
| 暖かい地域 | 6月中旬〜7月中旬 | 11月中旬〜12月上旬 |
時期の判断で迷ったときは
カレンダーどおりに進まない年もあります。長雨や猛暑で株の育ちがずれたときは、日付ではなく株の姿を見て次の作業を決めてください。
- 背丈が伸びない
- 七月末で三十センチに満たないなら、水と日当たりを見直します。株間を空けすぎた畑では風で乾きすぎます。
- 花が遅い
- 八月に入っても咲かないなら肥料が多い可能性があります。追加をやめて様子を見れば、九月に咲いて莢は付きます。
- 十一月でも青い
- 遅まきの年は枯れが遅れます。霜が二回降りたら青くても刈り、風通しのよい場所で吊るして乾かします。
- 記録を残しておく
- まいた日と花の咲いた日を控えておくと、翌年の判断が楽になります。年ごとの気候の差も、二年分あれば見当が付きます。
大豆の栽培に一年を通して使うもの
作業のたびに買い足すより、季節の前にまとめて用意しておくほうが結局は安く済みます。一年を通して使うのは、次の 4 つです。
数量は幅 60cm × 長さ 3m の畝 1 本(約 1.8 ㎡)で計算しています。
- 完熟堆肥探す言葉「完熟堆肥 牛ふん」
- 規格の目安
- 牛ふん堆肥かバーク堆肥。40L 前後の袋で売られています。
- 数量の目安
- 1 ㎡あたり 2〜3kg(およそ 5〜8L)。畝 1 本で 10〜15L。
土の粒をつなぐのは微生物の働きで、その餌になるのが堆肥です。未熟なものは根を傷めるので「完熟」と書かれたものを選びます。
- 苦土石灰探す言葉「苦土石灰 粒状」
- 規格の目安
- 粒状のものが扱いやすく、風のある日でも舞いません。1〜20kg 袋。
- 数量の目安
- 1 ㎡あたり 100〜150g、畝 1 本で 200〜300g。1kg 袋で数畝ぶん。
日本の土は雨で酸性に傾きます。**必要な量は土質で 3 倍ほど違い**、黒ボク土は砂質土よりずっと多く要ります。入れすぎると今度はアルカリ性に寄りすぎるので、pH を測ってから決めます。
- 化成肥料(8-8-8 など)探す言葉「化成肥料 8-8-8」
- 規格の目安
- 窒素・リン酸・カリが同じ比率の粒状。まず 1 袋あればほとんどの野菜に使えます。
- 数量の目安
- 元肥は 1 ㎡あたり 100g、畝 1 本で 150〜200g。追肥は 1 回 1 ㎡あたり 30〜50g。
種類を増やすより、切らさないほうが効きます。作物ごとの正確な量は都道府県が施肥基準として公表しているので、量を詰めたくなったらそちらを見てください。
出典: 農林水産省「都道府県施肥基準等」
- 黒マルチ探す言葉「黒マルチ 95cm」
- 規格の目安
- 幅 95cm、厚さ 0.02mm。株間の決まっている作物は穴あき(株間 30cm・45cm)が楽です。
- 数量の目安
- 畝 1 本(3m)で 4m。50m 巻きなら 10 畝以上。
地温を上げ、雨のはね返りと雑草を抑えます。夏の高温期だけは、地温が上がりすぎるので白黒マルチに替える手もあります。
- 土壌改良材のセット買いは要りません。堆肥と石灰と元肥の 3 つで足ります。
- 連作していない畑なら、土壌消毒剤は要りません。
大豆の収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方は大豆の育て方にまとめています。
iPhone 対応(Android 版は準備中)。無料で使えます。
この記事は広告を含みます。