地植えと鉢植えで管理を分ける
すだちは柑橘の中でも根が細かく浅いため、鉢植えでは水切れしやすく、地植えでは根付いたあとの水やりがほぼ不要です。肥料は柑橘全般と同じく年に三回が基本で、量は樹の大きさに合わせます。
まず自分の株がどちらか、植えてから何年目かを確かめて、下の表の行を選びます。若木と成木では肥料の量が倍以上違うので、年数の見当が付かないときは幹の太さで判断します。
| 状態 | 水やり | 肥料の回数 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 鉢植え(植え付け1〜2年目) | 土の表面が乾いたらたっぷり | 年3回、少なめ | 夏は朝夕2回になることも |
| 鉢植え(実がなっている) | 土の表面が乾いたらたっぷり | 年3回 | 夏の水切れで実が落ちる |
| 地植え(植え付け1年目) | 雨がなければ週1〜2回 | 年3回、少なめ | 夏の乾きに注意 |
| 地植え(2年目以降) | 基本不要。真夏に2週間雨がなければ | 年3回 | 肥料を株元に直接置かない |
水やりの目安と確かめ方
鉢植えは、土の表面が白っぽく乾いたら鉢底から流れるまでたっぷり与えます。柑橘の葉は水切れすると内側に巻き、それが続くと花や小さな実を落とします。真夏は朝に与えても夕方には乾くことがあるので、葉の巻きを見て夕方にも与えます。
- 葉の巻きを見る
- 葉が縦に丸まって船のようになっていたら水切れの合図です。朝のうちに与えれば昼までに戻ります。
- 土の表面を触る
- 指で表面を触り、乾いてさらさらしていれば与えます。湿っていれば翌日にします。冬は表面が乾いて二〜三日後でかまいません。
- 夏は朝夕の二回も
- 七〜八月の鉢植えは、朝たっぷり与えても夕方に葉が巻くなら夕方にも与えます。日中の高温時は避けます。
- 冬は控えめに
- 十二〜二月は水を吸う量が減るので、表面が乾いて二〜三日後に、暖かい日の午前中に与えます。
受け皿に水をためたままにすると根腐れします。与えたあとは必ず捨てます。
肥料は年三回
すだちは肥料を切らすと葉が薄くなり、実が小さくなります。三月の芽出し前、六月の実が付いたあと、十月の収穫後の三回、柑橘用か果樹用の緩効性肥料を与えます。追肥(育ちの途中で足す肥料)は樹の大きさで量を変え、株元に直接置かず、枝先の真下あたりにまきます。
| 月 | 目的 | 肥料の種類 | 量の目安(地植え・成木) |
|---|---|---|---|
| 3月 | 芽出しと花のための肥料 | 柑橘用の緩効性肥料か油かす | 一握り×樹の幅(メートル) |
| 6月 | 実を太らせる | 化成肥料か柑橘用肥料 | 3月の半分 |
| 10月 | 収穫後の回復と翌年の花芽 | 柑橘用の緩効性肥料 | 3月と同じ |
鉢植えは規定量の半分から三分の一にし、鉢の縁に沿って置きます。多いと葉先が枯れ、根が傷みます。
葉の色で肥料の不足を判断する
柑橘は葉の色に肥料の状態がよく出ます。葉全体が薄い黄緑なら窒素が足りず、葉脈だけ緑で間が黄色いなら鉄やマグネシウムの不足です。冬に葉が少し黄ばむのは寒さによる正常な変化なので、春に緑に戻るかを見てから判断します。
- 葉全体が薄い
- 新しい葉まで色が薄いなら肥料切れです。次の追肥を前倒しにし、液肥を二週間に一回加えます。
- 葉脈の間だけ黄色い
- 古い葉から葉脈の間が黄色くなるならマグネシウム不足です。苦土石灰を株元から離してまくか、微量要素入りの液肥を使います。
- 葉先が茶色く枯れる
- 肥料のやりすぎか、鉢の中に肥料分がたまっています。鉢植えなら水をたっぷり与えて流し、次の追肥を一回飛ばします。
摘果で実の大きさをそろえる
すだちはたくさん花が咲き、自然に多くが落ちて実が残ります。それでも実が多すぎると小さな実ばかりになり、翌年の花が減る隔年結果が起きます。七月に、葉二十〜二十五枚に実一つの目安になるよう摘果(余分な実を取ること)します。
- 七月上旬に数える
- 自然に落ちる六月の落果が落ち着いた七月上旬に、枝ごとの実の数を数えます。葉の枚数も一緒に見て、葉が少ない枝ほど多く落とす前提で印を付けておきます。
- 小さい実と傷んだ実を落とす
- 同じ枝の中で小さい実、傷のある実、混んでいる実から取ります。葉二十枚以上に実一つになるまで減らします。
- 若木は多めに落とす
- 植え付けから三年目までは、実を半分以下に減らして樹を育てることを優先します。若いうちに実をならせすぎると幹が太らず、四年目以降の収穫量が伸びません。
水と肥料のトラブルと立て直し
すだちの不調で多いのは、水切れによる落果と落葉、肥料の過不足による葉の色の変化です。どちらも症状が出てから手を打っても、戻るまで数週間かかります。原因を見分けてから、必要な手当てだけを行います。
| 症状 | 原因 | 立て直し |
|---|---|---|
| 夏に小さな実がぼろぼろ落ちる | 水切れ・実の付けすぎ | 水を切らさない。翌年は七月に摘果する |
| 葉が薄い黄緑で新芽が細い | 肥料不足 | 追肥を前倒しにし、液肥を二週間に一回 |
| 葉先が枯れ、根元の葉が落ちる | 肥料のやりすぎ | 水で流し、次の追肥を一回飛ばす |
| 冬に葉が黄ばんで落ちる | 寒さ・冬の水不足 | 北風を避け、暖かい日に水を与えて春を待つ |
すだちの育てている間に使うもの
木の管理は、施肥と草の始末と、幹を守ることです。年に数回しかやらないぶん、道具は長く使えるものを選びます。
数量は植えて数年たった木 1 本を単位にしています。
- 有機質肥料探す言葉「油かす 骨粉 有機質肥料」
- 規格の目安
- 油かすと骨粉の配合。5〜10kg 袋。
- 数量の目安
- 成木 1 本に、寒肥で 1〜2kg。実を穫ったあとのお礼肥に 300〜500g。
樹冠の外側の地面に、浅く溝を掘って埋めます。細い根は幹の近くではなく、枝先の真下に伸びています。量は樹種と樹齢で変わります。
出典: 農林水産省「施肥基準 — 果樹」
- バーク堆肥(マルチング用)探す言葉「バーク堆肥 マルチング 40L」
- 規格の目安
- 40L 前後の袋。株元に厚さ 5cm ほど敷きます。
- 数量の目安
- 株元 1 ㎡ で 50L 前後。
夏の乾きと冬の凍結の両方を和らげます。年々分解して土に混ざるので、土壌改良も兼ねます。
- 幹に巻く防虫テープ探す言葉「カミキリムシ 幹 ネット 防虫」
- 規格の目安
- 幹に巻く網か、専用のテープ。地際から 50cm ほどを覆います。
テッポウムシ(カミキリムシの幼虫)は幹に卵を産みます。入られてからでは手の打ちようが減るので、産ませないのが基本です。
- 草刈り鎌・三角ホー探す言葉「草刈り鎌 園芸」
- 規格の目安
- 刃渡り 15cm 前後の鎌か、刃幅 10〜15cm の三角ホー。
株元の草は、幹に虫を呼び込みます。株元 50cm だけでも空けておくと、幹の様子を確かめられます。
- 若木のうちは寒肥だけで足ります。実を穫るようになってからお礼肥を足します。
- 除草剤は幹の近くでは使わないほうが無難です。根が吸います。
すだちの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はすだちの育て方にまとめています。
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