一年の流れを表で見る
すだちは五月に白い花を咲かせ、八月下旬から九月に青い実を収穫します。作業の山は三月の剪定と肥料、七月の摘果、九月の収穫です。関東平野部の露地と鉢植えを基準にした月別の目安で、寒冷地は冬の防寒を、暖地は夏の水やりを手厚くします。
| 月 | 樹の様子 | 主な作業 | 水と肥料 |
|---|---|---|---|
| 1月 | 休眠。寒さで葉が少し黄ばむ | 防寒。鉢植えは軒下 | 鉢は乾いて2〜3日後に少量 |
| 2月 | 休眠 | 苗の購入・植え場所の準備 | 同上 |
| 3月 | 芽が動き出す | 剪定・植え付け・植え替え | 3月の肥料(芽出し肥) |
| 4月 | 新芽が伸び、つぼみが見える | アゲハの幼虫の見回り開始 | 鉢は乾いたらたっぷり |
| 5月 | 白い花が咲く | 何もしない。花を触らない | 水を切らさない |
| 6月 | 小さな実が付き、余分は自然に落ちる | 梅雨の病気の見回り | 6月の肥料(実肥) |
| 7月 | 実が親指の先ほどに | 摘果・徒長枝の整理・ハダニ対策 | 水切れ厳禁。鉢は朝夕 |
| 8月 | 実がふくらむ | 水やり・下旬から収穫開始 | 水切れ厳禁 |
| 9月 | 収穫の最盛期 | 青いうちに収穫 | 収穫まで水を切らさない |
| 10月 | 収穫終わり。枝が充実する | 残った実の収穫・樹の回復 | 10月の肥料(お礼肥) |
| 11月 | 生育が止まる | 防寒の準備 | 水を減らし始める |
| 12月 | 休眠に入る | 鉢植えを軒下へ。寒冷紗の準備 | 鉢は控えめに |
春(3〜5月)は剪定・肥料・開花
三月上旬に剪定と芽出しの肥料を済ませ、植え付けや植え替えもこの時期に行います。四月に新芽が伸びると同時にアゲハの幼虫が付き始めるので、週に一度は葉を見回ります。五月に白い花が咲いたら、花には触らず、水を切らさないことだけに気を配ります。
- 三月上旬に剪定と肥料
- 混んだ枝を間引き、枝先の真下に肥料をまきます。植え替えの鉢はこの時期に一回り大きくします。
- 四月は新芽と幼虫を見る
- 新芽の先にアゲハの卵や幼虫がないか、週一回確かめます。若木は葉を食べ尽くされるので、見つけたらすぐ取ります。
- 五月は水を切らさない
- 開花中に水切れすると花が落ちます。鉢植えは毎朝土を触り、乾いていればたっぷり与えます。
初夏〜夏(6〜8月)は摘果と水やり
六月に小さな実が付き、余分な実は自然に落ちます。梅雨の間は葉に黒い斑点が出る病気に注意します。七月に落果が落ち着いたら、葉二十〜二十五枚に実一つの目安で摘果し、真上に伸びた徒長(真上に勢いよく伸びること)した枝(勢いだけで伸びて花が付かない枝)を根元から切ります。七〜八月は水切れで実が落ちるので、鉢植えは朝夕の水やりも考えます。
- 六月に実肥を与える
- 実が付いたのを確かめてから、三月の半分の量の肥料を枝先の真下にまきます。花が多く付いて落果がまだ続いているなら、一週間ほど待って落ち着いてから与えます。
- 七月上旬に摘果する
- 小さい実、傷んだ実、混んだ実から取り、葉二十枚に実一つを目安に減らします。若木は半分以下にします。
- ハダニと水切れを見る
- 葉の色がかすれて白っぽくなったらハダニです。葉裏に勢いよく水をかけます。葉が巻いていたら水切れなので夕方にも水を与えます。
秋(9〜11月)は収穫と回復
八月下旬から九月が収穫の最盛期です。すだちは皮が青く、直径三センチほどのうちに収穫すると香りがもっともよく、黄色くなると酸味も香りも落ちます。収穫が終わった十月に回復のための肥料を与え、十一月から水を減らして冬支度に入ります。
- 青いうちに収穫する
- 直径二・五〜三センチで皮が濃い緑のうちに、はさみでへたのすぐ上を切って収穫します。一度に全部ではなく、使う分ずつ取ります。
- 十月にお礼肥
- 収穫後に三月と同じ量の肥料を与え、実をならせて疲れた樹を回復させます。翌年の花芽はこの時期に作られます。
- 十一月に冬支度
- 水やりを減らし始め、鉢植えは軒下に移す準備をします。地植えは株元にわらや腐葉土を敷いて根を守ります。
冬(12〜2月)は防寒して休ませる
すだちはマイナス五度程度まで耐えますが、乾いた北風と霜で葉が傷み、傷んだ葉が落ちると翌年の花が減ります。鉢植えは軒下か南側の壁際へ移し、地植えは強い冷え込みの夜に不織布か寒冷紗をかけます。冬に葉が少し黄ばむのは正常で、春に緑に戻ります。
- 鉢植えを軒下へ
- 十二月に入ったら、北風の当たらない軒下か南側の壁際に置きます。室内に入れる必要はなく、入れると逆に暖かすぎて葉が落ちます。
- 地植えは霜よけ
- マイナス三度を下回る予報の夜は、不織布を樹全体にかけます。日中は外して日に当てます。
- 冬の水を忘れない
- 鉢植えは乾いて二〜三日後、暖かい日の午前に与えます。冬に水を完全に切ると、春の芽出しが遅れます。
季節ごとのトラブルと見分け方
すだちの不調は季節でほぼ原因が決まります。春の食害はアゲハ、夏の落果は水切れと実の付けすぎ、冬の落葉は寒風です。いつ起きたかを手がかりにすれば、原因の切り分けは難しくありません。
| 時期 | 症状 | 原因 | 立て直し |
|---|---|---|---|
| 4〜6月 | 新芽がなくなり葉が食われる | アゲハの幼虫 | 見つけしだい取る。若木は週二回見回る |
| 5月 | 花がほとんど咲かない | 前年の切りすぎ・肥料不足・冬の落葉 | 枝先を切らず、十月の肥料と防寒を守る |
| 7〜8月 | 実がぼろぼろ落ちる | 水切れ・実の付けすぎ | 水を切らさず、翌年は七月に摘果 |
| 12〜2月 | 葉が黄ばんで大量に落ちる | 寒風・霜 | 北風を防ぎ、不織布で覆う |
すだちの栽培に一年を通して使うもの
木の作業は冬と夏に固まります。冬に剪定と寒肥、生育期に袋かけと防鳥。この 4 つを季節の前にそろえておきます。
数量は植えて数年たった木 1 本を単位にしています。
- 剪定ばさみ探す言葉「剪定ばさみ 果樹」
- 規格の目安
- 刃渡り 5〜6cm、直径 2cm 程度まで切れるもの。バイパス式(刃が交差するもの)。
アンビル式は枝を潰します。生きた枝を切るならバイパス式で、切り口が滑らかなほど早くふさがります。
- 剪定のこぎり探す言葉「剪定のこぎり 折込 24cm」
- 規格の目安
- 刃渡り 24cm 前後の折込式。生木用の刃(目の粗いもの)を選びます。
直径 2cm を超える枝は、はさみで切ろうとすると枝も刃も傷めます。工作用ののこぎりは生木で目が詰まります。
- 有機質肥料(寒肥用)探す言葉「油かす 骨粉 有機質肥料」
- 規格の目安
- 油かすと骨粉の配合肥料。5〜10kg 袋。
- 数量の目安
- 成木 1 本に 1〜2kg。樹冠(枝の広がり)の外周に沿って埋めます。
冬に入れて、春に効き始めるのを狙う肥料です。ゆっくり分解するので、休眠期のうちに入れておきます。樹種と樹齢で必要な量は変わるので、詰めたいときは施肥基準を見てください。
出典: 農林水産省「施肥基準 — 果樹」
- 防鳥ネット探す言葉「防鳥ネット 目合い25mm」
- 規格の目安
- 目合い 20〜25mm。小鳥まで防ぐなら 15mm。
- 数量の目安
- 高さ 2m の木 1 本を覆うのに 4m × 4m 程度。
色づく直前にかけます。目合いが大きすぎると小鳥が入り、細かすぎると風で煽られて枝を傷めます。
- 高枝切りばさみは、木が背を越してからで十分です。低く仕立てるならずっと不要です。
- チェーンソーは家庭の果樹には要りません。剪定のこぎりで足ります。
すだちの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はすだちの育て方にまとめています。
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