収穫の目安を実の姿で判断する
すだちはゆずやかぼすと違い、黄色く熟す前の青い実を使う柑橘です。八月下旬から九月、皮が濃い緑で張りがあり、直径二・五〜三センチになったころが香りも酸味もいちばん強い時期です。黄色くなると酸味が抜けて香りも落ちます。
一度に全部取る必要はなく、使う分だけ順に収穫できます。ただし樹に長く付けておくと黄色くなり、樹の負担も増えるので、十月中には取り終えます。
| 実の姿 | 時期の目安 | 使い方 | 判断 |
|---|---|---|---|
| 直径2センチ以下で皮が硬い | 8月上旬 | 果汁が少なく酸が強い | まだ早い。待つ |
| 直径2.5〜3センチ、濃い緑で張りがある | 8月下旬〜9月 | 焼き魚・鍋・飲み物に最適 | 収穫の盛り |
| 直径3センチ超、緑が薄くなり始めた | 10月 | 果汁が多く、まろやか | 早めに取り切る |
| 黄色くなった | 11月以降 | 酸味が弱く香りも落ちる | 果汁を絞って保存に回す |
収穫の手順
すだちの枝にはトゲがあり、実を引っ張ると枝が傷んだり、隣の実がトゲで傷ついたりします。必ずはさみで、へたのすぐ上を切って収穫します。朝の涼しい時間に取ると、実の水分が多く日持ちがよくなります。
収穫の最中に一番多い失敗は、実を引っ張って枝を折ることと、トゲで隣の実を傷つけることです。傷が付いた実は保存が利かないので、その場で分けておき、その日のうちに果汁にして使い切ります。
- はさみでへたの上を切る
- 実を軽く持ち、へたのすぐ上で枝を切ります。軸を長く残すと保存中に他の実を傷つけるので、へたぎりぎりで切ります。
- 厚手の手袋をする
- トゲで手を刺さないよう、革か厚手の手袋と長袖で作業します。トゲに実が当たらないよう、ゆっくり取り出します。
- 傷のある実は別にする
- かいよう病の斑点や傷のある実は保存に向きません。取り分けて、その日のうちに果汁を絞ります。
- 使う分ずつ取る
- 収穫後は樹に付けておくよりも保存が難しくなるので、一〜二週間で使う分ずつ取り、残りは樹で待たせます。
収穫は晴れた日の朝、露が乾いてからにします。濡れた実を袋に入れると数日でかびが出ます。
冷蔵での保存
収穫したすだちは、常温では一週間ほどで皮が黄色くなり香りが抜けます。冷蔵庫の野菜室なら二〜三週間、緑を保てます。ポイントは乾燥を防ぐことと、実同士がぶつからないようにすることです。
- 洗わずに拭く
- 水で洗うと傷みが早まります。乾いた布で軽く拭くだけにし、使う直前に洗います。泥や虫の跡が気になる実は、洗ったその日のうちに使い切ります。
- 一つずつ包む
- キッチンペーパーか新聞紙で一つずつ包み、ポリ袋に入れて口を軽く閉じます。乾燥と皮同士の傷を防げます。
- 野菜室に入れる
- 冷蔵室より温度の高い野菜室に入れます。二〜三週間が目安で、皮が黄ばみ始めたら果汁を絞って保存に回します。
冷凍と果汁での保存
たくさん取れたときは、丸ごと冷凍するか、果汁を絞って冷凍します。丸ごと冷凍したものは、凍ったまますりおろすと皮の香りが楽しめ、半解凍で切れば絞れます。果汁は製氷皿で小分けにすると使いやすく、半年ほど香りが保てます。
- 丸ごと冷凍する
- 洗って水気を拭き、一つずつラップで包んで冷凍用の袋に入れます。三〜四か月が目安です。
- 果汁を絞って冷凍する
- 半分に切って絞り、種を取り除いてから製氷皿に入れて凍らせます。固まったら袋に移します。
- 皮も使う
- 絞る前に皮をすりおろして冷凍しておくと、薬味として使えます。白い部分は苦いので、緑の部分だけをおろします。
- 塩やはちみつに漬ける
- 薄切りにして塩やはちみつに漬けると、冷蔵で一か月以上保存できます。飲み物や料理の香りづけに使えます。
- 冷凍した実の使い方
- 丸ごと冷凍した実は、凍ったまま皮をすりおろして薬味にし、半解凍にして半分に切れば絞れます。一度解凍したものは再冷凍せず、その日のうちに使い切ります。
収穫のトラブルと立て直し
「実が付かない」「実が小さい」「保存中にすぐ傷む」が収穫まわりの困りごとです。原因はその年の管理か、前年の管理にさかのぼることが多いので、症状から原因を確かめて次の年に生かします。
| 症状 | 原因 | 立て直し |
|---|---|---|
| 花は咲いたが実がほとんど残らない | 開花中の水切れ・肥料不足・若木 | 五月に水を切らさず、六月の肥料を守る。若木は三年待つ |
| 実が小さく数だけ多い | 実の付けすぎ | 七月に葉二十枚に実一つまで摘果する |
| 去年はたくさん、今年はほとんどならない | 隔年結果(実の多い年と少ない年を繰り返すこと) | 多い年に摘果し、十月の肥料で回復させる |
| 保存中に皮が茶色く傷む | 収穫時の傷・洗ってから保存した | へたぎりぎりで切り、洗わずに包んで野菜室へ |
植え付けから三年目までは、実がならなくても正常です。樹が育てば四年目ごろから毎年安定して実が付きます。
すだちの収穫に使うもの
木の実は、落として拾うと傷みます。高さのあるところから、傷めずに下ろすための道具です。
- 収穫ばさみ(先丸)探す言葉「収穫ばさみ 果樹 先丸」
- 規格の目安
- 刃先が丸く、刃渡り 5cm 前後。
引っぱって穫ると、枝が裂けて翌年の芽まで落ちます。軸を残して切るのが基本です。
- 高枝切りばさみ(採果器付き)探す言葉「高枝切りばさみ 採果」
- 規格の目安
- 伸ばして 2〜3m。切った実を受ける籠の付いたもの。
脚立で無理な姿勢を取るより安全です。籠付きなら、切った実がそのまま落ちません。
- 収穫かご・コンテナ探す言葉「収穫かご 果樹 コンテナ」
- 規格の目安
- 20L 前後。浅めのものは実を重ねずに済みます。
深い容器に積むと、下の実が自分の重さで傷みます。柔らかい果実ほど浅い容器で。
- 保存用の緩衝材探す言葉「果物 緩衝材 ネット」
- 規格の目安
- 果実用のネットキャップか、新聞紙。
一つずつ包むと、傷んだ実から隣へ移りません。長く置く実ほど効きます。
- 手の届く高さに仕立てているなら、高枝切りばさみは要りません。低く保つほうが管理も楽です。
- 専用の収穫かごでなくても、浅い箱に新聞紙を敷けば足ります。
すだちの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はすだちの育て方にまとめています。
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