作りたいお茶で摘み方を選ぶ
茶の新芽は摘む時期と加工の仕方でいろいろなお茶になります。家庭で作りやすいのは蒸して揉む煎茶と、フライパンで炒る釜炒り茶で、どちらも道具は台所にあるもので足ります。下の表で目的に合う行を選んでください。
| 用途 | 摘む部分と時期 | 加工の要点 |
|---|---|---|
| 煎茶(蒸し製) | 一番茶を一芯二葉で。4月下旬〜5月上旬 | 蒸して揉んで乾かす |
| 釜炒り茶 | 一番茶か二番茶を一芯二〜三葉で | フライパンで炒って揉む |
| 紅茶 | 二番茶を一芯二葉で。6月下旬 | しおれさせて揉み、発酵させる |
| 番茶(ほうじ茶向き) | 秋に伸びた固めの葉。10月 | 蒸して乾かし、飲む前に炒る |
一番茶の摘み時を見極める
関東では四月下旬から五月上旬、立春から数えて八十八日目の八十八夜前後が一番茶の摘み時です。新芽が三〜四枚開き、先端の芽がまだ巻いている状態が目安で、開ききると葉が固くなり渋みが増します。
摘むのは先端の巻いた芽と、その下の柔らかい葉二枚までの一芯二葉です。三枚目まで摘むと量は増えますが味が落ちます。一番茶を摘み終えて四十〜五十日後、六月下旬に二番茶が摘めます。
- 新芽の開き具合を見る
- 新芽が三〜四枚開き、先端の芽が巻いていれば摘み時です。株全体の八割がその状態になったころに一斉に摘みます。
- 一芯二葉を指で折り取る
- 先端の芽と下の葉二枚の下を、親指と人差し指で挟んで折ります。引っぱると茎が裂けるので、折るように摘みます。
- 午前中の乾いた時間に摘む
- 朝露が乾いた午前中に摘みます。雨の日や露の残る葉は蒸すときに水っぽくなり、仕上がりが落ちます。
新芽を触って柔らかく、指で折ってぱきっと折れる葉が適期です。曲がって折れない葉は固くなっています。
煎茶を作る手順
摘んだ葉はその日のうちに加工します。蒸して酵素の働きを止め、揉んで細く形を作り、乾かして水分を抜けば煎茶になります。家庭では蒸し器とフライパン、手を使えば作れます。生葉二百グラムから乾いた茶葉四十〜五十グラムが目安です。
- 蒸し器で三十〜四十秒蒸す
- 湯気の立った蒸し器に葉を薄く広げ、三十〜四十秒蒸します。葉が鮮やかな緑に変わり、青臭さが抜けたら取り出して広げて冷まします。
- 手で揉んで水分を出す
- 冷ました葉をざるの上で両手で押しながら転がすように揉みます。水分がにじんで葉が細くよれてきたら、広げてほぐします。
- フライパンで乾かしながら揉む
- 弱火のフライパンに葉を入れ、焦げないように手で転がしながら乾かします。熱ければ取り出して揉み、戻すを繰り返します。
- 細くよれたら仕上げの乾燥
- 葉が細くよれて針のようになったら、弱火でさらに十〜二十分乾かします。手で砕けるまで乾けば完成です。
蒸しすぎると葉がべたついて揉めなくなります。最初は三十秒で試し、青臭さが残るなら十秒ずつ延ばします。
釜炒り茶と紅茶の作り方
蒸す代わりにフライパンで炒ると、香ばしい釜炒り茶になります。紅茶は蒸さずに葉をしおらせてから揉み、数時間置いて発酵させます。どちらも煎茶より失敗が少なく、初めてなら釜炒り茶から始めると要領がつかめます。
- 釜炒り茶は強火で炒る
- 熱したフライパンに葉を入れ、両手で返しながら二〜三分炒ります。しんなりしたら取り出して揉み、弱火で乾かします。
- 紅茶は葉をしおらせる
- 摘んだ葉を日陰に広げ、半日から一晩置いてしんなりさせます。手で強く揉んで葉を傷つけ、汁を出します。
- 紅茶は湿らせて発酵させる
- 揉んだ葉を濡れ布巾で覆い、二十五度ほどの場所に二〜四時間置きます。葉が赤茶色に変わり甘い香りがしたら、弱火で乾かします。
保存と飲み方
作った茶葉は湿気と光と匂いを嫌います。密閉容器に入れて冷暗所に置き、一か月ほどで飲み切るのが目安です。長く置くなら冷凍庫に入れ、使うときは容器ごと室温に戻してから開けます。
| 種類 | 保存方法 | おいしく飲める期間 |
|---|---|---|
| 煎茶 | 密閉容器で冷暗所。長期は冷凍 | 一か月。冷凍で半年 |
| 釜炒り茶 | 密閉容器で冷暗所 | 二〜三か月 |
| 紅茶 | 密閉容器で常温 | 半年 |
| 番茶 | 密閉容器で常温。飲む前に炒る | 半年から一年 |
自家製の煎茶は七十〜八十度の湯で一分ほど。熱湯を使うと渋みが強く出ます。二煎目は熱めの湯で短く出します。
摘み取りやお茶作りで失敗したときの立て直し
摘む時期を逃したり、加工で失敗したりしても、株は翌年また芽を出します。状態を見て原因を確かめ、次に生かします。手作りのお茶は、最初の年は量より工程に慣れることを目標にします。
| 状態 | 原因 | 立て直し |
|---|---|---|
| 葉が固くて渋いお茶になった | 摘む時期が遅れた | 刈り込みで面を整え、二番茶を早めに摘む |
| 蒸した葉がべたついて揉めない | 蒸しすぎか水分が多い | 広げてしばらく乾かしてから揉む。次回は短く蒸す |
| 仕上がりが黒ずんで青臭い | 蒸しが足りず酵素が止まらなかった | 香ばしく炒り直してほうじ茶にする |
| 摘んだ後に新芽が出ない | 摘みすぎか乾燥 | 株元を覆って水を与え、六月に軽く刈る |
茶の収穫と乾燥に使うもの
ハーブは穫るところより、乾かしてしまうところで香りが決まります。早く乾かすほど香りが残ります。
- 収穫用のはさみ探す言葉「園芸ばさみ ハーブ 収穫」
- 規格の目安
- 刃渡り 3〜5cm、ステンレス製。細い茎を切るので小さいもので足ります。
手でちぎると茎が裂けて、そこから枯れ込みます。節のすぐ上で切ると、そこから新しい枝が出ます。
- 乾燥ネット(三段)探す言葉「ハーブ 乾燥ネット 三段」
- 規格の目安
- 直径 45cm 前後の三段。畳めるものが置き場所を取りません。
風の通る日陰に吊るします。直射日光に当てると、香りの成分が飛んで色も抜けます。
- 密閉できる保存瓶探す言葉「保存瓶 密閉 スパイス」
- 規格の目安
- 遮光性のある瓶か、暗い場所に置ける透明瓶。100〜200ml。
完全に乾いてから入れます。少しでも湿りが残っているとカビます。手で揉んで砕けるまでが目安です。
- ラベル探す言葉「ラベルシール 手書き 保存瓶」
- 規格の目安
- 瓶に貼れるシール。品種名と乾かした日を書きます。
乾いたハーブは見分けが付きません。日付があれば、香りが落ちる前に使い切れます。
- 風通しのよい日陰があるなら、乾燥ネットは無くても麻ひもで吊るせます。
- 食品乾燥機は、量が出るようになってから考えれば十分です。
茶の収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方は茶の育て方にまとめています。
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