株の状態に合わせて刈り方を選ぶ
茶の刈り込みは目的によって深さが違います。毎年の面を整える浅い刈り込み、伸びすぎた株を戻す深い刈り込み、老化した株を若返らせる台刈りの三つで、株の姿を見て選びます。下の表で自分の株に近い行を選んでください。
| 株の姿 | 刈り方 | 時期 |
|---|---|---|
| 面が平らで新芽がそろう | 面から五センチ上を平らに刈る | 一番茶の後と十月 |
| 面がでこぼこで高くなった | 面から十〜十五センチ下で刈り直す | 一番茶の後の五月下旬 |
| 枝が細く新芽が小さくなった | 地面から三十〜四十センチで深く刈る | 五月下旬か六月上旬 |
| 幹が太く老化して葉が少ない | 地面から十〜二十センチで台刈り | 五月下旬。三年に一度まで |
刈り込みの時期と道具
刈り込みは一番茶を摘み終えた五月下旬から六月上旬と、伸びた秋の枝を整える十月上旬が基本です。真夏と真冬は避けます。刈った後は新しい芽が出るまで一か月ほどかかるので、その間の水切れに注意します。
- 刈り込みバサミを研いでおく
- 切れないハサミで刈ると切り口がつぶれて枯れ込みます。刈り込みバサミは使う前に研ぎ、枝が太い部分は剪定バサミで切ります。
- ひもを張って高さをそろえる
- 面を平らにするには、支柱に水糸を張って高さの目安にします。目で見て刈ると中央が高くなりがちです。
- 刈った葉を株元に敷く
- 刈った枝葉は株元に敷いて覆いにします。虫の付いた枝だけは取り除きます。厚く敷きすぎると株元が蒸れるので、三センチほどの厚さにとどめます。
毎年の面を整える手順
一番茶を摘んだ後、伸び残った枝を面の高さで刈りそろえます。刈った面から均一に新芽が出て、次の摘み取りがしやすくなります。十月にはもう一度軽く刈り、冬に向けて面を整えます。
- 一番茶の後に五センチ上で刈る
- 五月下旬、前年の面より五センチほど高い位置で平らに刈ります。毎年五センチずつ上がるので、高くなりすぎたら深く刈り直します。
- 側面も垂直に刈る
- 面の端は垂直かやや内側に傾けて刈ります。横に広がりすぎると株の内側に光が入らず、下の葉が落ちます。
- 十月に秋の枝を整える
- 秋に伸びた枝を面と同じ高さで刈り、飛び出した枝を切ります。深く刈ると翌春の一番茶が減るので、飛び出しを切る程度にします。
面の高さは腰の高さ、六十〜八十センチが摘みやすい目安です。座って摘むなら五十センチでも構いません。
伸びすぎた株を戻す深い刈り込み
毎年五センチずつ上げていくと、数年で面が高くなり摘みにくくなります。また、面の下の枝が古くなって新芽が小さくなります。そのときは一番茶の後に面より十〜十五センチ下で刈り直し、若い枝に更新します。
- 一番茶を摘んでから刈る
- 五月下旬、一番茶を摘み終えてから刈ります。その年の二番茶は取れませんが、翌年の一番茶は勢いを取り戻します。
- 葉を残す位置で切る
- 深く刈っても、切り口の下に葉が残るようにします。葉が全くない位置で切ると、芽が出るまで時間がかかり枯れることもあります。
- 刈った後は水を切らさない
- 深く刈った株は葉が減って根の力が落ちます。一か月は株元の覆いを厚くし、雨がなければ水を与えます。
老化した株の台刈り
十年以上たって幹が太くなり、新芽が細く小さくなった株は、地面から十〜二十センチの高さで切る台刈りで若返らせます。その年と翌年は収穫できませんが、三年目から若い枝で摘み取りが再開できます。株の寿命を延ばすための作業です。
- 五月下旬に地際近くで切る
- 一番茶の後、地面から十〜二十センチの高さで太い幹を剪定バサミかノコギリで切ります。切り口は斜めにして水がたまらないようにします。
- 出てきた芽を選ぶ
- 夏に切り株から多くの芽が出ます。勢いの良い芽を五〜六本残し、他は付け根で取ります。残した芽が翌年の骨格になります。
- 翌年から高さを作り直す
- 翌年の六月と十月に三十センチ、四十センチと段階的に刈りそろえ、植え付け直後と同じ手順で面を作り直します。
台刈りは株の体力を大きく使うので、弱っている株や植えて五年未満の株には行いません。深い刈り込みで様子を見ます。
刈り込みで失敗したときの戻し方
刈りすぎや時期の間違いで芽が出ない、面がでこぼこになったといった失敗は、茶なら翌年までに直せます。状態を見て原因を確かめ、次の適期に合わせて手当てします。
| 状態 | 原因 | 戻し方 |
|---|---|---|
| 刈った後に芽が出ない | 葉のない位置で切った、真夏に刈った | 水を切らさず秋まで待つ。出た芽を育てる |
| 面の一部だけ枯れた | ハサミの切れ味が悪く切り口が傷んだ | 枯れた枝を付け根で切り、周りの枝で埋める |
| 新芽が細く数が少ない | 刈りすぎか肥料不足 | 二月の肥料を増やし、翌年は浅く刈る |
| 面がでこぼこで高さがそろわない | 目で見て刈った | 次回は水糸を張り、高い部分だけ先に刈る |
茶の剪定・切り戻しに使うもの
切り戻しは株を若返らせる作業です。切る位置と、切り口を乾かすことに関わるものだけで足ります。
- 剪定ばさみ探す言葉「剪定ばさみ 園芸 ステンレス」
- 規格の目安
- 刃渡り 5cm 前後。バイパス式(刃が交差するもの)は切り口がきれいです。
アンビル式(刃が台に当たるもの)は茎を潰します。生きた枝を切るならバイパス式を選びます。
- 消毒用アルコール探す言葉「消毒用アルコール スプレー」
- 規格の目安
- 濃度 70〜80%。スプレー式。
株を変えるたびに刃を拭きます。病気の株から健全な株へ、はさみが運んでしまうのを防げます。
- 園芸用手袋探す言葉「園芸手袋 背抜き」
- 規格の目安
- 手のひらにゴムを張った背抜きタイプ。細かい作業ができる薄手のもの。
茎の汁でかぶれる植物があります。厚い革手袋だと、切る位置を指で確かめられません。
- 柔らかい茎の草花は、指で摘めばはさみは要りません。
- 癒合剤は木の太い枝を切るときのもので、草花には要りません。
茶の収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方は茶の育て方にまとめています。
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