増やし方は挿し木が基本
タイムは種からも育ちますが、種は一ミリに満たないほど細かく、発芽が揃いにくいうえ、品種の性質が出ないことがあります。家庭では挿し木が確実で、親株と同じ香りの株が二か月ほどで作れます。這い性の品種は地面に触れた茎から根が出るので、株分けでも増やせます。
適期は四月から五月と、九月から十月です。真夏は蒸れて腐り、真冬は根が出ません。三年から四年で株元が木質化するので、二年目には挿し木を作っておくと更新が途切れません。
| 目的 | やり方 | 時期 | 収穫までの目安 |
|---|---|---|---|
| 同じ香りの株を確実に増やす | 挿し木 | 4〜5月、9〜10月 | 二〜三か月 |
| 広がった這い性を分ける | 株分け | 3〜4月、9〜10月 | 一か月 |
| 親株から切らずに根を出す | 取り木 | 5〜6月 | 二か月 |
| 安く大量に作る | 種まき | 4〜5月 | 半年以上 |
挿し木の手順
若くて緑色の枝の先を五センチから八センチ切り、下半分の葉を落として、湿らせた清潔な土に挿します。土は挿し木用の土か、赤玉土の小粒に軽石を混ぜたもので、肥料の入っていないものを使います。明るい日陰に置いて土を乾かさないようにすると、三週間から一か月で根が出ます。
枝は茶色く木質化した部分ではなく、今年伸びた緑の柔らかい部分を使います。硬すぎる枝は根が出にくく、柔らかすぎる先端はしおれやすいので、指で曲げてしなる程度の枝を選びます。
- 緑の枝を五センチから八センチ切る
- 今年伸びた緑の枝の先を、朝のうちに清潔なはさみで切ります。指で曲げてしなる硬さの枝が向きます。
- 下半分の葉を落とす
- 土に埋まる下半分の葉を指でしごいて落とします。葉が土に触れると腐る原因になります。
- 水に三十分浸けてから挿す
- 切り口を水に三十分ほど浸けて水を吸わせ、割りばしで開けた穴に二センチから三センチの深さで挿します。
- 明るい日陰で乾かさない
- 直射日光の当たらない明るい場所に置き、土の表面が乾いたら霧吹きで湿らせます。三週間ほどで根が出ます。
- 新芽が動いたら鉢上げ
- 枝を軽く引いて抵抗があり、新芽が動き始めたら根が出ています。三号ポットに移して日なたに慣らします。
一度に十本ほど挿すと、半分根付けば十分な数になります。全部が根付くわけではないので多めに挿します。
這い性は株分けと取り木で
クリーピングタイムなど這い性の品種は、地面に触れた茎から自然に根が出ています。三月か十月に株の外側を掘り上げ、根の付いた部分を切り分けて植えれば、一か月で根付きます。立ち性の品種は株分けすると株元が傷むので、挿し木のほうが安全です。
取り木は、株から伸びた枝の途中を土に埋めて根を出させる方法です。五月から六月に枝を曲げて土に押さえ、針金で留めておくと二か月ほどで根が出ます。根が出たら親株から切り離して植えます。
- 外側の根付いた茎を探す
- 株の外側の茎を軽く持ち上げ、根が出ている部分を見つけます。這い性なら地面に触れた節に細い根があります。
- 根ごと切り分けて植える
- 根の付いた茎を親株から切り離し、根鉢を崩さずに株間二十センチで植えます。一か月は土を乾かしません。
- 取り木は枝を土に留める
- 伸びた枝の途中を軽く土に埋め、針金で押さえます。二か月後に根が出ていれば親株から切り離します。
根が出たあとの育て方
根が出た挿し木は三号ポットに移し、一週間は明るい日陰に置いてから日なたに慣らします。ポットの土は親株と同じく、培養土に軽石を三割混ぜた水はけのよいものを使います。この時期に肥料を与えると根が傷むので、植え付けまで肥料は要りません。
本葉が増えて草丈が十センチほどになったら、先端を軽く摘んで枝を増やします。ポットに根が回ったら、定植か一回り大きな鉢に植え替えます。挿してから定植まで二か月から三か月が目安です。
- 三号ポットに移して日陰で一週間
- 根を傷めないようにそっと掘り上げ、軽石を混ぜた土で三号ポットに植えます。一週間は明るい日陰に置きます。
- 十センチで先端を摘む
- 草丈が十センチほどになったら、枝の先を一センチほど摘み取ります。脇から枝が出て、丸い株になります。
- 根が回ったら定植
- ポットの底から根が見えたら、日なたに株間三十センチで浅植えします。植えた日だけたっぷり水を与えます。
挿し木でつまずいたときの見分け
挿し木がしおれる、黒くなる、根が出ない、根が出たあと枯れる。原因は枝の選び方と水の量にあることがほとんどです。タイムは何度でも挿し直せるので、原因を一つ直して再挑戦します。
- 挿してすぐしおれた
- 枝が柔らかすぎるか、日に当てました。しなる硬さの枝を選び直し、明るい日陰に置いて霧吹きで葉を湿らせます。
- 切り口が黒く腐った
- 土が湿りすぎか、葉が土に触れています。新しい乾き気味の土に挿し直し、下半分の葉を確実に落とします。
- 一か月たっても根が出ない
- 枝が硬すぎるか、時期が寒いか暑すぎます。四月から五月か九月から十月に、緑の枝でやり直します。
- 鉢上げしたら枯れた
- 根が短いうちに動かしたか、肥料を与えました。新芽が動いてから移し、定植まで肥料は与えません。
タイムの挿し芽・株分けに使うもの
ハーブは挿し芽で増やしやすいものが多く、水に挿すだけで根が出る種類もあります。
- 挿し芽用土(赤玉土小粒)探す言葉「挿し芽 用土 赤玉土 小粒」
- 規格の目安
- 赤玉土の小粒か鹿沼土の単用。肥料分のないもの。
- 数量の目安
- 3 号ポット 1 個で 0.2L。
肥料分があると、根が出る前に切り口が傷みます。清潔で肥料のない土が条件です。
- よく切れるはさみ探す言葉「園芸ばさみ 切れ味 ステンレス」
- 規格の目安
- 刃渡り 3〜5cm。使う前にアルコールで拭きます。
切り口が潰れると水を吸えません。節の少し下を斜めに一度で切ります。
- 3 号ポット探す言葉「ポリポット 3号 育苗」
- 規格の目安
- 直径 9cm(3 号)。
根が出るまでは小さい容器のほうが乾き具合を見やすく、管理も楽です。
- ミントやバジルのように水挿しで根が出るものは、用土も促進剤も要りません。
- 発根促進剤は、根の出にくい木質のハーブ以外では急ぎません。
タイムの収穫までのコツは作物ページに
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