料理用なら立ち性、覆う用なら這い性
タイムは香りの強さと育ち方で品種が分かれます。料理に使うなら、茎が立ち上がって刈りやすいコモンタイムが基本です。地面を覆いたいなら、横に広がるクリーピングタイムが向きます。レモンの香りがするレモンタイムは料理にもお茶にも使えて育てやすい品種です。
苗は四月から五月と、九月から十月に園芸店に並びます。葉の色が濃く、株元が込み合っていて、鉢の縁まで根が回っていないものを選びます。ひょろ長く伸びて株元の葉が落ちている苗は、店で日照が足りなかった株なので避けます。
| 品種 | 姿 | 香り | 向く使い方 |
|---|---|---|---|
| コモンタイム | 立ち性、高さ二十〜三十センチ | 強い | 肉や魚の料理、乾燥保存 |
| レモンタイム | 半立ち性、やや広がる | レモンの香り | ハーブティー、魚料理 |
| クリーピングタイム | 這い性、高さ五センチ | やや弱い | グランドカバー、鉢の縁 |
| シルバータイム | 立ち性、葉に白い縁 | 中くらい | 寄せ植え、料理も可 |
場所は乾いた日なた、土は水はけ最優先
タイムは地中海沿岸の乾いた斜面に育つハーブで、日本では梅雨と夏の湿気がいちばんの敵です。一日六時間以上日が当たり、風が抜ける場所を選びます。庭の低い場所や、雨のあと水がたまる場所は避け、可能なら十センチほど高く盛った畝か、レイズドベッドに植えます。
土は野菜用の培養土に軽石か川砂を三割ほど混ぜて、水はけを良くします。肥料は少なめで、元肥(前もって入れる肥料)は野菜の半分で足ります。酸性の土を嫌うので、地植えなら二週間前に苦土石灰を一平方メートルに百グラムほどまいて中和します。
- 二週間前に石灰をまく
- 苦土石灰を一平方メートルに百グラムまいて二十センチの深さまで耕します。酸性が弱い土なら半分の量で構いません。
- 軽石か川砂を三割混ぜる
- 植え場所の土に軽石か川砂を三割ほど混ぜ、腐葉土を少量足します。手で握ってすぐ崩れるくらいが目安です。
- 十センチ高く盛る
- 地植えなら幅六十センチ、高さ十センチの畝を作ります。雨のあとに水が引きやすく、根腐れを防げます。
鉢植えなら素焼き鉢が向きます。プラスチック鉢より乾きが早く、タイムの根に合います。
植え付けは浅く、株間は広めに
植え付けは四月から五月か、九月から十月です。真夏と真冬は根付きが悪いので避けます。ポットから抜いたら根鉢は崩さず、根鉢の上面が土と同じ高さになるように浅く植えます。深く植えると株元が蒸れて枯れる原因になります。
株間は立ち性なら三十センチ、這い性なら二十センチほど取ります。一年で直径三十センチほどに広がるので、小さな苗でも詰めて植えないようにします。植え付け直後にたっぷり水を与え、そのあとは土が乾くまで待ちます。
- ポットから抜いて根を見る
- 根鉢を崩さずに抜き、白い根が回っていれば底を軽くほぐします。黒く腐った根があれば取り除きます。
- 根鉢の上面を土と同じ高さに
- 植え穴を根鉢より一回り大きく掘り、根鉢の上面が地面と同じか、やや高くなるように置いて土を戻します。
- 株間三十センチ
- 立ち性は三十センチ、這い性は二十センチ離して植えます。一年後の広がりを見越して間をあけます。
- 植えたらたっぷり、その後は乾くまで待つ
- 植え付け直後だけ鉢底から流れるまで水を与えます。以後は土の表面が白く乾いてから与えます。
鉢植えは素焼きの五号から
ベランダなら五号から六号(直径十五センチから十八センチ)の素焼き鉢に一株が目安です。鉢底には軽石を二センチ敷き、ハーブ用か、野菜用培養土に軽石を三割混ぜた土を使います。日当たりと風通しのよい場所に置き、雨の当たる場所なら梅雨だけ軒下に移します。
鉢植えは二年ほどで根が回るので、春か秋に一回り大きな鉢に植え替えます。植え替えのたびに古い土を三分の一ほど落とし、伸びすぎた根を切り詰めます。
- 鉢底に軽石を二センチ
- 鉢底ネットの上に軽石を二センチほど敷き、水はけの通り道を作ります。受け皿の水は毎回捨てます。
- 軽石を混ぜた土で浅植え
- 培養土に軽石を三割混ぜ、根鉢の上面が鉢の縁から二センチ下になるように植えます。株元に土をかぶせません。
- 梅雨は軒下へ
- 長雨が続くころは軒下や雨の当たらない場所へ移し、株元が乾く時間を作ります。晴れ間には日なたへ戻して光を当てます。
植え付けでつまずいたときの切り分け
植えたあとに葉が落ちる、株元が茶色くなる、伸びない。タイムの植え付け直後の不調は、水の与えすぎと深植えがほとんどです。土を触って湿っているかを確かめ、乾いていないなら水を止めることから始めます。
- 葉がぽろぽろ落ちる
- 水の与えすぎです。土を触って湿っているなら、表面が完全に乾くまで水を止めます。鉢なら風通しのよい場所に移します。
- 株元が茶色く蒸れた
- 深植えか、株元に土がかぶっています。株元の土を指でどけて茎を出し、込み合った枝を三分の一ほど切って風を通します。
- 一か月たっても伸びない
- 根付くまでの休みなら問題ありません。新芽の先が緑なら待ちます。日照が六時間に満たないなら移動を考えます。
- 葉が黄色く柔らかい
- 肥料の与えすぎか日照不足です。肥料を止め、いちばん日の当たる場所に移します。黄色い葉は戻らないので切り取ります。
タイムの苗づくりに使うもの
本葉が出てからポットに移し、根が回ってから花壇や鉢へ。この 2 段階に必要なものです。
- ポリポット(9cm)探す言葉「ポリポット 9cm 園芸」
- 規格の目安
- 直径 9cm が標準。生育の早いものは 10.5cm。
セルトレイのまま育てると根が回りきって傷みます。本葉 2〜3 枚でポットへ移します。
- 育苗用の受け皿トレイ探す言葉「育苗トレイ 受け皿 底面給水」
- 規格の目安
- ポットが並ぶ大きさで、水を張れる深さのあるもの。
上から水をやると小さな苗が倒れます。下から吸わせると茎が締まります。
- 液体肥料探す言葉「液体肥料 苗 薄め」
- 規格の目安
- 1000 倍希釈の原液。苗には規定より薄めて使います。
種まき用土には肥料分がほとんどありません。本葉が出たら薄い液肥で足します。
- 苗を買って植えるなら、育苗の資材は要りません。
- 育苗箱の加温は、春まきの一部を除けば要りません。
タイムの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はタイムの育て方にまとめています。
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