咲かない原因を順に確かめる
フジが咲かない原因は、だいたい決まっています。実生苗でまだ若い、日当たりが足りない、肥料が多くてつるが暴れる、冬に花芽を切っている、の四つです。植えてからの年数と苗の種類をまず思い出し、次に一日の日当たり時間を測り、最後に肥料と剪定を振り返ります。順に消していけば、たいてい一つか二つに絞れます。
| 状態 | 疑う原因 | 確かめ方 |
|---|---|---|
| 実生苗で植えて五年以内 | まだ若い | 接ぎ目のこぶがなければ実生。待つしかない |
| 日が当たるのは半日以下 | 日照不足 | 晴れた日に朝から日の当たる時間を数える |
| つるが毎年数メートル伸びる | 肥料過多、根が広がりすぎ | 肥料を止めて一年様子を見る |
| 冬に短い枝ごと切っている | 花芽を落としている | 冬は長いつるだけ切る |
| 棚が北側や建物の陰 | 日照不足 | 鉢なら移す。庭なら周りの木を切る |
花芽ができる仕組み
フジの花芽は、七月から九月にかけて、その年に伸びた枝の短い部分にできます。この時期に株が「伸びる」より「蓄える」状態になっていることが条件で、日をよく浴び、肥料が控えめで、長いつるを切り戻された株が花芽を作ります。逆に日が足りず、肥料が多く、つるが伸び続けている株は、いつまでも花芽を作りません。
できた花芽は冬を越して四月から五月に開きます。冬の間に花芽を切ったり、寒さで傷んだりすると、その年は咲きません。花芽は秋に見ると葉芽よりひと回り大きく丸いので、落葉後に枝を見て数えておくと翌春の花の見込みが分かります。
- 七月に切り戻す
- 伸びたつるを付け根から三〜五節残して切ります。残った節の付け根に短い枝が出て、そこに花芽ができます。
- 秋まで日に当てる
- 八月から九月の日照が花芽の充実を左右します。鉢植えは一番日の当たる場所に置きます。
- 冬は花芽を守る
- 冬の剪定では丸い花芽を残します。寒冷地では強い寒風で花芽が傷むので、北風をよける工夫をします。
咲かせるための一年計画
接ぎ木苗で日当たりがよいのに咲かないなら、一年かけて肥料と剪定を立て直します。二月の寒肥をやめ、五月まで通常通り育て、七月と九月に切り戻し、翌年二月に花芽の付いた短い枝を残して整理する。これで翌春には多くの株が咲きます。それでも咲かなければ根切りに進みます。
| 月 | 作業 | ねらい |
|---|---|---|
| 2月 | 寒肥をやめる、長いつるだけ整理 | つるの勢いを抑える |
| 5〜6月 | 花後の整理、お礼肥は控えめ | 株を疲れさせない |
| 7月 | つるを三〜五節で切り戻す | 短い枝を出させる |
| 9月 | 再び伸びたつるを切り戻す | 花芽の充実 |
| 12〜1月 | 根切り(それでも咲かない場合) | 根の勢いを抑える |
| 翌2月 | 花芽を残して整理 | 花芽を切らない |
鉢植えで確実に咲かせる
庭植えで咲かない株も、鉢に上げると根が制限されて咲きやすくなります。鉢植えなら日当たりのよい場所に動かせ、根の量も管理できます。あんどん仕立てなら一メートルほどの高さで数房の花を楽しめ、ベランダでも育てられます。二年に一度の植え替えで根を三分の一切ることが、そのまま根切りの効果になります。
- 日当たりの一等地に置く
- 春から秋は一日六時間以上日の当たる場所に置きます。日陰に置いた鉢植えは咲きません。
- つるを支柱に巻く
- 伸びたつるを三本の支柱にらせん状に巻き、先端が上に出たら切ります。巻いた部分に短い枝と花芽ができます。
- 植え替えで根を切る
- 二月から三月に鉢から抜き、外側と底の根を三分の一切って同じ鉢に戻します。根詰まりも解消できます。
開花中と花後の管理
四月下旬から五月上旬、房の上から順に開いていきます。開花中は水を切らさず、強い風と雨の当たらない場所に鉢を置くと花が長持ちします。庭植えは動かせないので、棚の下に落ちる花びらを掃除する程度です。咲き終わった房は付け根から切り、さやを作らせないことで株の体力を残します。
- 水を切らさない
- 開花中に水切れすると房の先が咲かずに落ちます。鉢植えは毎朝土を確かめ、乾いていれば鉢底から流れるまでやります。
- 咲き終わった房を切る
- 房の花が三分の二ほど散ったら、付け根の枝の部分で切ります。さやができる前に済ませます。
- お礼肥は控えめに
- 花後に緩効性肥料をひとつかみ与えます。多いとその後のつるが暴れて花芽ができないので、少なめを守ります。
花が少ない、房が短いときの直し方
咲いても房が短い、花が少ない、房の先が咲かないといった不満は、株の体力と開花期の管理で決まります。前年の秋に日照が足りないと花芽が小さく房が短くなり、開花中の水切れや寒さで房の先が落ちます。房の長さは品種で決まっている部分も大きいので、品種の性質を確かめてから対処します。
| 症状 | 原因 | 戻し方 |
|---|---|---|
| 房が短く花がまばら | 前年秋の日照不足か株の疲れ | 秋に日を当て、お礼肥を少し増やす |
| 房の先が咲かず落ちる | 開花中の水切れか低温 | 水を切らさず、鉢は風雨を避ける |
| 花芽が冬に落ちた | 寒風と乾燥 | 北風をよけ、鉢は軒下へ |
| 数年前より花が減った | 根詰まりか剪定不足 | 鉢は植え替え、庭は根切りと夏の切り戻し |
フジの花を咲かせ続けるのに使うもの
つぼみが上がってからやることは決まっています。摘む・支える・足す、の 3 つです。
- 液体肥料(リン酸多め)探す言葉「液体肥料 開花 リン酸」
- 規格の目安
- 1000 倍希釈の原液。N-P-K の真ん中(P)の数字が高いもの。
つぼみを作る時期はリン酸が要ります。窒素の多い肥料を続けると、葉ばかり伸びて花が上がりません。
- 花がら摘み用のはさみ探す言葉「園芸ばさみ 花がら摘み」
- 規格の目安
- 刃渡り 3〜5cm、先の細いもの。
種を作らせないことが、次の花を咲かせる条件です。花の下の節まで切り戻すのが基本です。
- 支柱(草花用)探す言葉「園芸支柱 草花 リング」
- 規格の目安
- 直径 8mm・長さ 90〜150cm の細い支柱か、株ごと囲むリング支柱。
花の重みで倒れると、そこから茎が折れます。咲いてから立てるのでは間に合わないので、つぼみのうちに。
- 誘引用の麻ひも探す言葉「麻ひも 園芸 誘引」
- 規格の目安
- 太さ 2mm 前後。目立たない色のもの。
きつく縛ると茎が食い込みます。8 の字にゆるく掛けて、茎が太る余地を残します。
- 開花促進剤は、肥料と日当たりが足りているなら急ぎません。
- リング支柱がなくても、細い支柱 3 本を株の周りに立てて麻ひもで囲めば同じことができます。
フジの長く咲かせるコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はフジの育て方にまとめています。
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