花芽と葉芽の見分け方
フジの剪定で一番大切なのは、花芽を切り落とさないことです。花芽は夏から秋にかけて、その年に伸びた枝の付け根近くの短い枝にできます。冬に見ると、花芽は丸くふっくらして大きく、葉芽は細く小さくとがっています。長く伸びたつるの先には花芽はほとんど付かないので、長いつるは切っても花は減りません。
剪定の道具は、細い枝用の剪定ばさみと、太い枝用の剪定のこぎりの二つがあれば足ります。切れ味の悪い刃で枝をつぶすと、切り口から枯れ込みます。作業の前に刃を研ぎ、使う前後に消毒しておきます。
| 見た目 | 判断 | 冬の扱い |
|---|---|---|
| 丸くふくらんで大きい芽 | 花芽 | 残す。この芽の先で切る |
| 細くとがった小さい芽 | 葉芽 | 整理してよい |
| 一〜二メートル伸びた長いつる | 花芽がほぼない | 付け根から三〜五芽残して切る |
| 十センチ以下の短い枝 | 花芽が付きやすい | 切らない |
花芽と葉芽の判断に迷ったら、二月に芽を一つ切って中を見ます。花芽は断面に小さなつぼみの粒が見えます。
夏の剪定で花芽を作る
花が終わった後、六月から七月にかけてつるが勢いよく伸びます。この長いつるを放っておくと株の力が全部つるに向かい、花芽ができません。七月ごろ、伸びたつるを付け根から三〜五節残して切り戻すと、残った節の付け根に短い枝が出て花芽ができます。棚に絡ませたい枝だけは切らずに誘引します。
- 七月に長いつるを切る
- 一メートル以上伸びたつるを、付け根から葉三〜五枚残して切ります。切った後に出る短い枝が翌年の花になります。
- 棚に必要な枝は残す
- 棚をまだ覆っていないなら、骨格にする枝は切らずに棚に沿わせて結びます。骨格が完成した棚では全部切って構いません。
- 九月にもう一度
- 七月に切った後に再び伸びたつるは、九月に同じように切り戻します。十月以降は切りません。
冬の剪定で姿を整える
十二月から二月、葉が落ちて芽がよく見える時期に整理します。夏に切り残した長いつる、込み合った枝、枯れ枝を取り、花芽の付いた短い枝を残します。花芽の付いた枝は先端の花芽の一つ上で切ると、房がきれいに垂れます。
- 長いつるを付け根近くで
- 夏に切り残したつるは、花芽が二〜三個付いた位置の上で切ります。花芽がなければ三芽残して切ります。
- 込んだ枝を透かす
- 枝が交差している部分や、内側に向かって伸びた枝を付け根から抜きます。日が中まで入る密度にします。
- 花芽の枝は触らない
- 短い枝に丸い芽が並んでいれば、それが花です。切らずに残し、房が垂れる空間を下に空けておきます。
つるが太くなると切りにくくなります。太い枝は剪定のこぎりを使い、切り口には癒合剤を塗ります。
花後の整理
花が終わったら、房の付け根から花がらを切り取ります。放っておくと豆のようなさやができて、種を作ることに力を取られます。さやは有毒なので、子どもやペットが口にしないよう早めに取り除きます。同時に、棚からはみ出したつるや、根元から出た台木の芽も整理します。
- 花房を付け根で切る
- しおれた花房を、房の付け根の枝の部分で切ります。花だけ落とすと軸が残ってさやになります。
- 台木の芽をかく
- 株元の接ぎ目より下から出た芽は台木のものです。葉の形が違うので見分け、見つけ次第かき取ります。
- ひこばえを抜く
- 根元から出る太い若い枝は、放つと主幹と競って花が減ります。棚に使う予定がなければ地際で切ります。
伸びすぎた株の仕立て直し
何年も剪定せず、つるが絡み合って花が咲かなくなった株は、冬に思い切って骨格の枝だけ残して切り戻します。フジは太い枝を切っても新しい芽を出す力が強いので、株が枯れることはまずありません。ただし切り戻した翌年は花がほとんど咲かず、二年目から戻ってきます。
- 骨格の枝を三〜五本決める
- 棚の形に沿った太い枝を三〜五本選び、他は付け根から切ります。骨格の枝も棚の端で切り詰めます。
- 一度に切るか二年に分けるか
- 株が弱っていれば、半分を今年、残りを翌年に分けます。元気な株なら一度に切っても構いません。
- 翌夏の管理
- 切り戻した翌年は勢いのよいつるが多数出ます。七月に必要な枝だけ残して切り戻し、花芽を作らせます。
剪定で失敗したときの直し方
剪定の失敗で多いのは、冬に短い枝を花芽ごと切ってしまうこと、夏の切り戻しをせずにつるを伸ばし放題にすること、逆に切りすぎて株が弱ることです。どの失敗も一年で戻せます。今年の芽の付き方を見て、来年の切り方を決めます。
| 症状 | 原因 | 戻し方 |
|---|---|---|
| 春に花が咲かなかった | 冬に花芽の枝を切った | 夏の切り戻しだけ行い、冬は長いつるだけ整理する |
| つるばかりで花芽がない | 夏の切り戻しをしていない | 七月と九月に長いつるを三〜五節で切る |
| 切りすぎて葉が少ない | 冬に強く切った | 肥料を控え、夏は切らずに葉を茂らせて回復させる |
| 切り口から枯れ込む | 太い枝を無処理で切った | 枯れた部分を切り直し、癒合剤を塗る |
フジの剪定・切り戻しに使うもの
切り戻しは株を若返らせる作業です。切る位置と、切り口を乾かすことに関わるものだけで足ります。
- 剪定ばさみ探す言葉「剪定ばさみ 園芸 ステンレス」
- 規格の目安
- 刃渡り 5cm 前後。バイパス式(刃が交差するもの)は切り口がきれいです。
アンビル式(刃が台に当たるもの)は茎を潰します。生きた枝を切るならバイパス式を選びます。
- 消毒用アルコール探す言葉「消毒用アルコール スプレー」
- 規格の目安
- 濃度 70〜80%。スプレー式。
株を変えるたびに刃を拭きます。病気の株から健全な株へ、はさみが運んでしまうのを防げます。
- 園芸用手袋探す言葉「園芸手袋 背抜き」
- 規格の目安
- 手のひらにゴムを張った背抜きタイプ。細かい作業ができる薄手のもの。
茎の汁でかぶれる植物があります。厚い革手袋だと、切る位置を指で確かめられません。
- 柔らかい茎の草花は、指で摘めばはさみは要りません。
- 癒合剤は木の太い枝を切るときのもので、草花には要りません。
フジの長く咲かせるコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はフジの育て方にまとめています。
iPhone 対応(Android 版は準備中)。無料で使えます。
この記事は広告を含みます。