年間の流れ
フジの一年は、冬の剪定と寒肥に始まり、春の開花、夏の切り戻し、秋の花芽の充実、と続きます。作業の山は二月と七月で、この二つを外さなければ大きく失敗することはありません。毎年同じ暦で作業するより、芽の動きやつるの伸びを見て一〜二週間前後させると、株に合った時期になります。
| 月 | 作業 | 株の姿の目安 |
|---|---|---|
| 1月 | 休眠中、植え付けの適期 | 葉が落ちて芽がよく見える |
| 2月 | 冬の剪定、寒肥、鉢の植え替え | 花芽が丸くふくらんでいる |
| 3月 | 芽が動き始める、株元に堆肥 | 芽の先が緑を帯びる |
| 4月 | 葉が展開、つぼみが伸びる | 房が下がり始める |
| 4月下旬〜5月上旬 | 開花、水を切らさない | 房の上から順に咲く |
| 5月下旬〜6月 | 花がら切り、お礼肥、病害虫の確認 | つるが伸び始める |
| 7月 | つるの切り戻し、誘引 | 一メートル以上伸びたつるが多数 |
| 8月 | 水やり、カイガラムシの確認 | 短い枝に花芽ができ始める |
| 9月 | 二回目の切り戻し | 再び伸びたつるを整理 |
| 10〜11月 | 落葉、植え付け準備 | 葉が黄色くなって落ちる |
| 12月 | 落ち葉の掃除、冬剪定の準備 | 休眠に入る |
冬の作業(12〜2月)
十二月に葉が落ちたら、落ち葉を集めて処分します。葉に病気の胞子や虫の卵が残るので、株元に放置しません。一月から二月は植え付けと植え替えの適期で、休眠しているため根を動かしても傷みが少ないです。二月の剪定では、丸い花芽と細い葉芽をよく見て、花芽の付いた短い枝を残し、長いつると込んだ枝を整理します。同時に株から離れた位置に寒肥を埋めます。
- 12月:落ち葉の掃除
- 落ち葉と棚に残ったさやを集めて捨てます。さやは有毒なので子どもの手の届く場所に置きません。
- 1〜2月:植え付けと植え替え
- 苗の植え付けと鉢の植え替えを行います。凍る日は避け、暖かい日を選びます。鉢は根を三分の一切って同じ鉢に戻します。
- 2月:剪定と寒肥
- 花芽を残して長いつると込んだ枝を切ります。株から一メートル離して溝を掘り、堆肥と骨粉を埋めます。
春の作業(3〜5月)
三月に芽が動き始めたら株元に堆肥を敷き、鉢植えは水やりを増やします。四月につぼみの房が伸びてきたら、鉢植えは風雨の当たらない場所に置き、水を切らさないようにします。四月下旬から五月上旬にかけて開花し、二週間ほど楽しめます。咲き終わった房は早めに切り、六月の初めにお礼肥を控えめに与えます。
- 3月:堆肥と水やり
- 株元に堆肥を三センチ敷きます。鉢植えは表面が乾いたらたっぷりやる管理に戻します。
- 4〜5月:開花
- つぼみが下がり始めたら水を切らしません。花の後半で房を付け根から切り、さやを作らせないようにします。
- 5〜6月:お礼肥と虫の確認
- 花後に緩効性肥料をひとつかみ。この時期からアブラムシとカイガラムシが出るので葉の裏を見ます。
夏の作業(6〜9月)
六月からつるが急に伸び、七月には一メートルを超えます。七月中旬ごろ、このつるを付け根から三〜五節残して切り戻し、棚に必要な枝だけ誘引します。八月は鉢植えの水切れに注意し、庭植えは日照りが続くときだけ深く水をやります。九月に再び伸びたつるをもう一度切り戻し、十月以降は切りません。
- 7月:切り戻しと誘引
- 長いつるを三〜五節で切ります。棚の骨格にする枝は切らずに棚の竹や針金に結びます。
- 8月:水と虫
- 鉢植えは毎朝水をやります。葉の裏のカイガラムシと、幹の株元の虫のふんを確かめます。
- 9月:二回目の切り戻し
- 七月以降に伸びたつるを同じように切ります。この後は切らず、花芽を充実させます。十月に入ったら刃物は使いません。
秋の作業(10〜11月)
十月からは作業がほとんどありません。葉が黄色く色づいて落ち始めたら、翌年の植え付けや棚の補修の準備をします。この時期に肥料をやると花芽が葉芽に変わることがあるので、肥料は一切与えません。鉢植えは水やりを徐々に減らし、落葉したら週に一度ほどにします。
- 10月:肥料をやらない
- 秋の肥料は花芽を壊します。株元に堆肥を足すのも三月まで待ちます。落ち葉を集めて捨てる作業だけにします。
- 11月:棚の補修
- 落葉して枝が見えるようになったら、棚の腐った竹や緩んだ針金を直します。つるの重みで棚が傾いていないか見ます。
- 落葉後:水を減らす
- 鉢植えは葉が落ちたら週に一度の水やりに減らします。乾かしきると花芽が傷むので、完全には断ちません。
時期を逃したときの戻し方
二月の剪定を忘れて芽が動き出しても、四月上旬までなら長いつるの整理はできます。七月の切り戻しを逃したら、九月上旬までに一度だけ行います。十月以降に切ると花芽を作る時間がないので、翌年の花はあきらめて夏から立て直します。どの作業も一年遅れるだけで株が枯れることはありません。
| 場面 | 影響 | 戻し方 |
|---|---|---|
| 2月の剪定を逃した | つるが込み合う | 四月上旬までに長いつるだけ切る。花芽の枝は触らない |
| 7月の切り戻しを逃した | 花芽が少ない | 九月上旬までに一度切り戻す |
| 10月以降に切ってしまった | 翌年の花が減る | 翌年七月からやり直す |
| 寒肥を忘れた | 大きな影響はない | 三月に株元へ堆肥を敷くだけで足りる |
| 秋に肥料をやってしまった | 花芽が葉芽に変わる | 翌年は肥料を止めて夏の切り戻しを徹底する |
フジの栽培に一年を通して使うもの
咲かせるための買い物は、野菜とは比率が違います。窒素を効かせすぎると葉ばかり茂って花が減るので、そこを外さないものを挙げます。
- 草花用の培養土探す言葉「草花 培養土 元肥入り」
- 規格の目安
- 元肥入り、14〜25L の袋。水はけを重視した配合のもの。
- 数量の目安
- 直径 24cm(8 号)の鉢 1 個で約 8L、65cm プランター 1 個で 12〜15L。
野菜用の土は肥料分が多く、草花では葉ばかり伸びることがあります。袋の表示で用途を確かめます。
- 緩効性肥料(置き肥)探す言葉「緩効性肥料 草花 置き肥」
- 規格の目安
- 粒状で 2〜3 か月効くタイプ。リン酸の比率が高い「花用」と書かれたもの。
- 数量の目安
- 8 号鉢 1 個に 10〜15g(大さじ 1 強)を 2〜3 か月ごと。
置いておくだけで少しずつ溶けるので、水やりのたびに考えなくて済みます。夏の高温期は効きが強く出るので量を控えます。
- 液体肥料探す言葉「液体肥料 花 リン酸」
- 規格の目安
- 1000 倍希釈の原液。リン酸(P)の数字が高いものが花向きです。
つぼみが上がる時期だけ、週 1 回のペースで足します。効きが早いぶん、切れるのも早いのが液肥です。
- 花がら摘み用のはさみ探す言葉「園芸ばさみ 花がら摘み」
- 規格の目安
- 刃渡り 3〜5cm、先の細いもの。
咲き終わった花を残すと種を作りに養分が回り、次の花が減ります。摘み続けられるかどうかで花期の長さが変わります。
- 活力剤は肥料の代わりになりません。肥料を与えているなら急ぎません。
- 「花用」「野菜用」で土を分けるのは、両方を育てるようになってからで十分です。
フジの長く咲かせるコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はフジの育て方にまとめています。
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