症状から原因を絞る
フジは丈夫な花木で、病気で枯れることはまれです。困るのは幹に入る虫で、放っておくと枝が枯れたり幹が折れたりします。株元や幹の途中におがくずのような粉が出ていないか、葉の裏に虫や粉が付いていないかを、五月から九月の間、月に一度は見て回ります。
見回りのときは、幹の株元、葉の裏、新芽の三か所を順に確かめます。粉が出ていたら虫が幹に入っている合図、葉の裏に粒があればカイガラムシ、新芽に小さな虫が群れていればアブラムシと判断できます。早く見つけるほど手当ては簡単です。
| 症状 | 疑う原因 | 確かめ方 |
|---|---|---|
| 株元や幹におがくずのような粉 | コウモリガ、カミキリムシの幼虫 | 粉の出ている場所に穴がある |
| 葉の裏や枝に白や茶色の粒 | カイガラムシ | 爪で削ると取れる |
| 葉に小さなこぶが多数 | フジハバチやタマバエの虫こぶ | こぶを割ると幼虫がいる |
| 葉が丸く切り取られる | ハキリバチ | 被害は軽い。放っておいてよい |
| 新芽や房に小さな虫 | アブラムシ | 春に多い |
| 葉が白い粉をかぶる | うどんこ病 | 初夏と秋に出る |
幹に入る虫
コウモリガの幼虫は初夏に株元近くの幹に食い入り、木くずと糸で作った袋のような塊を作ります。カミキリムシの幼虫は幹の内部を食べ進み、穴から粉を出します。どちらも幹の内部を空洞にするので、風で枝が折れたり、その枝から先が枯れたりします。見つけたら穴に針金を差して幼虫を刺すか、幹に入る虫用の薬剤を穴に注入します。
- 株元の粉を見つける
- 五月から九月、株元と幹の分かれ目におがくずのような粉や、糸で固めた塊がないかを見ます。
- 穴に針金を差す
- 粉を取り除くと穴が見えます。細い針金を穴に沿って差し込んで幼虫を刺します。穴の向きに合わせて曲げます。
- 薬剤を注入する
- 針金で届かなければ、幹に入る虫用のスプレーを穴に注入し、穴を粘土や癒合剤でふさぎます。
- 株元をきれいに保つ
- 株元の草や落ち葉を取り、コウモリガの成虫が卵を産みにくくします。幹の下部に不織布を巻くのも効きます。
太い幹に何か所も穴があいて空洞になった枝は、思い切って切り戻します。フジは根が生きていれば新しい枝を出します。
カイガラムシとアブラムシ
カイガラムシは枝や葉の裏に付いて汁を吸い、排泄物に黒いすす病が出て葉が汚れます。冬の剪定で枝を透かし、休眠期にマシン油乳剤をかけると翌年の発生が減ります。アブラムシは春の新芽と花房に付き、房を汚します。数が少ないうちに水で流すか、花木用の殺虫剤で早めに手当てします。
- 冬にマシン油乳剤
- 葉のない一月から二月に、枝全体にマシン油乳剤をかけます。殻の中で越冬している虫を窒息させます。
- 歯ブラシでこすり落とす
- 枝に付いたカイガラムシは、古い歯ブラシでこすり落とします。落とした虫は集めて捨てます。
- 春のアブラムシは早めに
- 四月のつぼみに付いたアブラムシは、花を汚す前に水で洗い流すか、花木用の殺虫剤をかけます。
葉の虫こぶと食害
初夏に葉に小さなこぶが多数できることがあり、タマバエやハバチの幼虫が中にいます。株全体が枯れることはありませんが、見た目が悪く光合成も落ちるので、こぶの付いた葉を早めに摘んで捨てます。ハキリバチが葉を丸く切り取るのは巣材にするためで、被害は軽く放っておいて構いません。
- こぶの葉を摘む
- こぶが出た葉を見つけ次第摘み取り、袋に入れて捨てます。中の幼虫が土に落ちると翌年また出ます。
- 落ち葉を残さない
- 秋の落ち葉に幼虫やさなぎが残るので、株元に放置せず集めて処分します。堆肥にも混ぜないようにします。
- 丸い切り取りは放置
- 葉の縁が丸く切られているのはハキリバチです。株への影響はほとんどないので何もしません。
病気
初夏と秋に葉が白い粉をかぶるうどんこ病は、風通しの悪い棚で出ます。枝を透かして風を通し、ひどい葉は摘み取ります。ほかに葉に褐色の斑点が出る病気がありますが、いずれも株を枯らすほどではありません。株元が腐って幹が黒くなる白紋羽病は深刻ですが、水はけの悪い土で長年育てた古い株に限られます。
| 症状 | 病名 | 手当て |
|---|---|---|
| 葉が白い粉をかぶる | うどんこ病 | 枝を透かして風を通し、花木用の殺菌剤をかける |
| 葉に褐色の斑点 | 褐斑病 | 斑点の葉を摘み、落ち葉を処分する |
| 株元が腐り白い菌糸 | 白紋羽病 | 土を掘り上げて菌糸を取り、水はけを直す。重症なら株を処分 |
| 枝の一部が急に枯れる | 枝枯れ病か虫害 | 枯れた枝を健全な部分まで切り、切り口に癒合剤 |
管理が原因の障害と戻し方
病害虫ではなく管理で起きる障害もあります。多いのは夏の水切れによる葉焼け、鉢の根詰まりによる生育不良、支柱や結束ひもが幹に食い込む障害です。特にひもの食い込みは、幹が太るにつれて締まり、その上が枯れます。年に一度、結んだひもと支柱を見直します。
| 症状 | 原因 | 戻し方 |
|---|---|---|
| 葉の縁が茶色く縮れる | 夏の水切れか肥料焼け | 水を深くやり、肥料を止める |
| ひもの位置で幹がくびれている | 結束の食い込み | ひもを切ってゆるく結び直す |
| 鉢の葉が小さくつるが伸びない | 根詰まり | 二月に植え替えて根を三分の一切る |
| さやをペットが食べた | 有毒のさや | すぐ獣医に相談。さやは花後に必ず取る |
フジの種とさやには毒があります。花後に房を切ってさやを作らせないことが、子どもやペットのいる家では特に大切です。
フジの長く咲かせるコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はフジの育て方にまとめています。
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