株が倒れるのは性質であって失敗ではない
ズッキーニは節間が詰まった太い茎を立てて伸びますが、上へ伸びるほど頭が重くなり、収穫が進むころには茎が寝て地面を這います。これは病気でも肥料の問題でもなく、株の作りによるものです。
寝たまま放置すると、地面に接した茎から下の葉が蒸れ、うどんこ病と灰色かびの温床になります。倒れる前提で支えを用意しておくと、収穫期間が数週間伸びます。
- 倒れ始める時期
- 定植から1カ月ほど、草丈が40センチを超えるころに傾き始めます。この時点で支柱を立てると、茎を無理に起こさずに済みます。
- 倒れてから立てる場合
- 寝た茎は無理に起こさず、寝かせたまま支えます。急に起こすと株元で裂け、そこから腐りが入って株ごと失います。
- 土寄せで補う
- 寝た茎の下部に土を寄せると、節から不定根が出て株が安定します。支柱と併用すると、株元のぐらつきがほとんど止まります。
支柱は太く長いものを1本
実が付いた株は数キログラムの重さになります。細い支柱では途中で曲がるので、太さ16〜20ミリ、長さ180センチ前後のものを1株に1本、株元から10センチ離して深く挿します。
- 挿す位置
- 株元の真横ではなく、株が傾く側に10センチ離して挿します。真横だと根鉢を貫き、根を切って生育を止めます。
- 結びかた
- ひもを8の字にひねり、支柱側で固く、茎側でゆるく留めます。直接巻き付けると茎が太ったときに食い込んで折れます。
- 結び直す間隔
- 2週間ごとに結び目の位置を上げます。生長点が支柱の頭を越えたら、隣に長い支柱を継ぎ足すか、斜めに寝かせて誘引します。
| 部材 | 目安 | 理由 |
|---|---|---|
| 支柱の長さ | 180〜210センチ | 土中に30〜50センチ埋める |
| 支柱の太さ | 直径16〜20ミリ | 株の重さで曲がらない |
| 結ぶ間隔 | 20〜30センチごと | 重心が上がるたびに追加する |
| ひもの遊び | 1〜2センチ | 茎が太るので締めない |
下葉かきは1果につき1枚
収穫のたびに、採った実のすぐ下の葉を1枚落とします。これが1果1葉の考え方で、葉の枚数を一定に保ちながら古い葉だけを入れ替える方法です。まとめて落とすより株が乱れません。
- 落とす葉の選びかた
- 収穫節より下の、色があせて硬くなった葉から順に落とします。まだ濃い緑の葉は残します。光合成の主力は上位の若い葉です。
- 残す枚数
- 生長点から下に10〜12枚を目安に残します。これより減らすと実の肥大が鈍り、増やすと株元が蒸れて病気が回ります。
- 切りかた
- 葉柄を2〜3センチ残して切ります。株元ぎりぎりで切ると茎に傷が付き、そこから腐りが入ります。切り口は晴れた日の午前に乾かします。
- 切った葉の処分
- 畝に置かず畑の外へ出します。うどんこ病の胞子が付いた葉を株元に残すと、そこが翌週の発生源になります。
はさみは株ごとに刃を拭きます。ウイルス病は切り口から汁液で移るため、同じ刃で全株を切ると1株の病気が畝全体に広がります。
追肥と水やりの間隔
最初の実を収穫したときが追肥(育てている途中で足す肥料)の開始点です。以後は収穫が続くかぎり切らさず、10日から2週間ごとに続けます。肥料切れは実の先が細る形ではっきり出るので、症状が出る前に回します。
| 時期 | 追肥 | 水やり |
|---|---|---|
| 定植から2週間後 | 1株30グラム | 土の表面が乾いたら |
| 最初の収穫のころ | 1株30グラム | 2〜3日に1回たっぷり |
| 収穫の最盛期 | 10〜14日ごと | 朝に1回、猛暑日は増やす |
| 8月の高温期 | 半量に減らす | 朝夕に分けて与える |
よくある不調の見分け
葉の色と株元の状態を見れば、原因の大半は切り分けられます。ズッキーニは変化が早いので、週2回見に行けば手遅れになりません。
| 見えるもの | 考えられる原因 | 対処 |
|---|---|---|
| 下葉が黄色く枯れ上がる | 肥料切れか老化 | 追肥を戻し古い葉をかく |
| 葉柄が間延びして立たない | 日照不足と窒素過多 | 追肥を減らし込み合いを解く |
| 株元がぐらつき昼に萎れる | 根が浮いている | 土寄せして支柱に留め直す |
| 葉脈の間だけ白い斑 | 品種本来の斑入り | 病気ではないので放置する |
葉の白い模様が斑入り模様か病気かは、指でこすると分かります。粉のように取れるならうどんこ病です。
摘果で株を保たせる
- 同時に太らせる数
- 1株につき2〜3果までにします。それ以上残すとどれも肥大が遅れ、結果として採れる本数も総量も減ります。
- 形の悪い実は早く外す
- 曲がった実や先が細い実は早めに摘みます。太らない実にも養分は流れており、残すぶんだけ次の実が遅れます。
- 株が疲れたとき
- 収穫が細ったら、実を一度すべて外して10日ほど休ませます。追肥と水やりを続ければ株が回復し、秋口まで採れます。
- 休ませたあとの追肥
- 実を外した直後に1株30グラムを施し、新しい葉が2枚展開してから授粉を再開します。すぐ着果させると株が戻りません。
株を休ませる判断は8月中旬までに行います。それ以降に切り戻しても、気温が下がって回復が間に合いません。
ズッキーニの育てている間に使うもの
植え付けたあとにやることは、追肥・除草・水やりの 3 つに集約されます。専用品より、切らさないことのほうが効きます。
数量は幅 60cm × 長さ 3m の畝 1 本(約 1.8 ㎡)で計算しています。
- 化成肥料(8-8-8 など)探す言葉「化成肥料 8-8-8 追肥」
- 規格の目安
- 粒状。ひとつまみがおよそ 5g、大さじ 1 がおよそ 10g です。
- 数量の目安
- 追肥 1 回で 1 ㎡あたり 30〜50g、畝 1 本で 50〜90g。1kg 袋なら 10 回以上もちます。
株から少し離した位置にまいて土と混ぜます。株元に直に置くと、濃さで根が傷みます。作物ごとの量は都道府県の施肥基準が正確です。
出典: 農林水産省「都道府県施肥基準等」
- 液体肥料探す言葉「液体肥料 野菜 原液」
- 規格の目安
- 1000 倍に薄めて使う原液タイプ。800ml 前後の 1 本で、ジョウロ何十杯ぶんにもなります。
粒の肥料は効き始めるまで数日から 1 週間かかります。すぐ効かせたいとき、鉢やプランターで使います。
- 三角ホー(草かき)探す言葉「三角ホー 除草」
- 規格の目安
- 刃幅 10〜15cm、柄の長さ 120cm 前後。立ったまま使える長さを選びます。
雑草は根から抜くより、小さいうちに表土ごと削るほうが早く終わります。かがまずに済むので続けられます。
- 敷きわら・刈り草探す言葉「敷きわら 家庭菜園」
- 規格の目安
- 稲わら 1 束でおよそ 3〜4 ㎡ 分。刈った草を乾かしたもので代えられます。
- 数量の目安
- 畝 1 本で 1 束の半分ほど。
夏の乾きと地温の上がりすぎを抑えます。マルチと違い、そのまま鋤き込んで土に返せます。
- 活力剤は肥料の代わりにはなりません。肥料を切らしていないなら急ぎません。
- 肥料は種類を増やすより、1 袋を切らさないほうが効きます。
ズッキーニの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はズッキーニの育て方にまとめています。
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