1年の流れを月で見る
ズッキーニの栽培期間は半年に届きません。3月から4月に種をまき、5月に植え、6月から8月に採り、9月には片づけます。短いぶん、1カ月の遅れが収穫期間をそのまま削ります。
| 月 | 暖地 | 中間地 | 寒冷地 |
|---|---|---|---|
| 3月 | 種まき | 土づくり | 土づくり |
| 4月 | 定植 | 種まき | 種まき |
| 5月 | 収穫開始 | 定植 | 定植 |
| 6月 | 収穫の最盛期 | 収穫開始 | 初期の管理 |
| 7月 | 収穫と病害対策 | 収穫の最盛期 | 収穫開始 |
| 8月 | 収穫の終盤 | 収穫と病害対策 | 収穫の最盛期 |
| 9月 | 片づけ | 片づけ | 収穫の終盤 |
表の月は平地の目安です。標高が高い場所では中間地の予定を2週間ほど後ろへずらして考えます。
3月から4月 種まきと土づくり
育苗は加温できる場所が要ります。発芽には25〜30℃が必要で、この温度が確保できないなら無理に早まきせず、市販の苗を買うほうが確実です。育苗期間はおよそ25〜30日です。
- 種をまく
- 直径9〜12センチのポットに1粒ずつまきます。種は平たいので横向きに置き、1センチほど覆土して発芽まで乾かしません。
- 苗を管理する
- 発芽後は日によく当て、夜も15℃を下回らせません。暗いと葉柄が間延びし、定植後に倒れる苗になります。
- 畑を作る
- 植える2週間前に堆肥と苦土石灰を入れ、1週間前に化成肥料を入れて畝を立てます。幅90センチ、高さ15センチが目安です。
- マルチを張る
- 定植の1週間前に黒マルチを張り、地温を上げておきます。植える当日に張っても地温は間に合いません。
5月 定植と初期の管理
最低地温が12℃を超えたら植えます。この月にやるべきことは、活着させることと害虫から守ることの2つで、実の話はまだ先です。焦って追肥(育てている途中で足す肥料)すると葉ばかり茂ります。
- 本葉3〜4枚で植える
- 株間90センチの1条植えにします。根鉢を崩さず、地面と同じ高さに植えて、たっぷり水を与えます。
- 行灯で囲う
- ウリハムシと風から2週間守ります。囲いを外すのは、葉が囲いの高さを超えてからにします。
- 最初の追肥
- 定植から2週間後に1株30グラムを株の周囲にまきます。以後は収穫の開始まで追肥しません。
- 最初のつぼみを摘む
- 株が小さいうちの1〜2番花はつぼみのうちに摘みます。株を大きくしてからのほうが、結果として総収量が増えます。
定植の適期は2週間ほどしかありません。地温が上がるのを待ちすぎると、収穫期が真夏の病害期にそのまま重なります。
6月 授粉と収穫の開始
雌花が続けて咲き始めます。この月から毎朝の授粉と、数日おきの収穫が同時に走ります。梅雨で訪花昆虫が減るため、6月は人工授粉の必要度が最も高い月です。
- 毎朝9時までに授粉
- 当日咲いた雄花で柱頭をなぞります。雨の日は前日に採った雄花を使い、授粉した日付を控えます。
- 支柱を立てる
- 草丈が40センチを超えたら支柱を立てて誘引します。倒れてから立てると株元が裂けるので、傾く前に済ませます。
- 収穫と下葉かき
- 開花から4〜7日で採り、そのつど下葉を1枚落とします。収穫が始まったら追肥を10〜14日ごとに戻します。
- うどんこ病の初発を見る
- 下葉の葉裏に白い粉がないか週2回確認します。見つけた葉はその日のうちに畑の外へ出します。
7月から8月 高温期の乗り切りかた
収穫が最も多い時期であると同時に、うどんこ病と高温障害が重なる時期です。日中35℃を超える日が続くと花粉の質が落ち、授粉しても実が止まります。着果より株の維持を優先します。
- 毎日収穫する
- 高温期は1日で3センチ以上伸びます。朝に見て20センチに届いていれば採り、翌日に回しません。
- 水を切らさない
- 朝にたっぷり与え、猛暑日は夕方にも与えます。乾かすと実の先が細り、うどんこ病にも弱くなります。
- 追肥を半量にする
- 高温期は肥料の効きが荒れます。量を半分にして回数を保つほうが、株が持ちこたえます。
- 株を休ませる
- 収穫が細ったら実を全部外して10日休ませます。追肥と水やりを続ければ、涼しくなってから再び採れます。
敷き草を厚めに入れると地温の上がりすぎを抑えられます。株元が乾きにくくなるので、風通しの確保と併せて行います。
9月 終了の判断と片づけ
上位葉までうどんこ病に覆われ、新しい雌花が止まったら終了です。株を抜いたあとの残さは畑に残さず、翌年の発生源を持ち越さないようにします。
- 終わりの見きわめ
- 生長点付近の葉が白く覆われ、実が10センチで止まるようなら回復しません。無理に引っ張らず片づけます。
- 残さの処分
- 葉と茎は畑の外へ出します。すき込むとウリ科の病原が土に残り、翌年の同じ場所での栽培に響きます。
- 次作への準備
- 同じ場所でのウリ科の栽培は2〜3年空けます。跡地は秋冬の葉物や根菜に回すと、土の休ませかたとして無理がありません。
収穫の記録と、うどんこ病の初発日を残しておくと、翌年は予防の手を2週間早く打てます。
思うように進まないときの切り分け
月ごとの予定どおりに進まない年のほうが多いものです。遅れの原因は地温と受粉と病気の三つに絞れるので、まず株の見た目から当てはまるものを探します。
| 症状 | 考えられる原因 | 打つ手 |
|---|---|---|
| 苗が伸びず葉が黄色い | 地温不足か根の傷み | 晴れた日に敷きわらを外し、地温を上げる |
| 実が付かずに落ちる | 低温か高温による受粉不良 | 朝の早い時間に人工授粉をやり直す |
| 葉が白く粉をふく | うどんこ病の初発 | 下葉を外し、風の通る形に整える |
| 夏に急に株が枯れる | 疫病か根の障害 | 抜いて畑の外へ出し、同じ場所は空ける |
暦より株の姿が先です。手当ての効きは二週間ほど遅れて出るので、変化がないうちに次の手を重ねないことです。
ズッキーニの栽培に一年を通して使うもの
作業のたびに買い足すより、季節の前にまとめて用意しておくほうが結局は安く済みます。一年を通して使うのは、次の 4 つです。
数量は幅 60cm × 長さ 3m の畝 1 本(約 1.8 ㎡)で計算しています。
- 完熟堆肥探す言葉「完熟堆肥 牛ふん」
- 規格の目安
- 牛ふん堆肥かバーク堆肥。40L 前後の袋で売られています。
- 数量の目安
- 1 ㎡あたり 2〜3kg(およそ 5〜8L)。畝 1 本で 10〜15L。
土の粒をつなぐのは微生物の働きで、その餌になるのが堆肥です。未熟なものは根を傷めるので「完熟」と書かれたものを選びます。
- 苦土石灰探す言葉「苦土石灰 粒状」
- 規格の目安
- 粒状のものが扱いやすく、風のある日でも舞いません。1〜20kg 袋。
- 数量の目安
- 1 ㎡あたり 100〜150g、畝 1 本で 200〜300g。1kg 袋で数畝ぶん。
日本の土は雨で酸性に傾きます。**必要な量は土質で 3 倍ほど違い**、黒ボク土は砂質土よりずっと多く要ります。入れすぎると今度はアルカリ性に寄りすぎるので、pH を測ってから決めます。
- 化成肥料(8-8-8 など)探す言葉「化成肥料 8-8-8」
- 規格の目安
- 窒素・リン酸・カリが同じ比率の粒状。まず 1 袋あればほとんどの野菜に使えます。
- 数量の目安
- 元肥は 1 ㎡あたり 100g、畝 1 本で 150〜200g。追肥は 1 回 1 ㎡あたり 30〜50g。
種類を増やすより、切らさないほうが効きます。作物ごとの正確な量は都道府県が施肥基準として公表しているので、量を詰めたくなったらそちらを見てください。
出典: 農林水産省「都道府県施肥基準等」
- 黒マルチ探す言葉「黒マルチ 95cm」
- 規格の目安
- 幅 95cm、厚さ 0.02mm。株間の決まっている作物は穴あき(株間 30cm・45cm)が楽です。
- 数量の目安
- 畝 1 本(3m)で 4m。50m 巻きなら 10 畝以上。
地温を上げ、雨のはね返りと雑草を抑えます。夏の高温期だけは、地温が上がりすぎるので白黒マルチに替える手もあります。
- 土壌改良材のセット買いは要りません。堆肥と石灰と元肥の 3 つで足ります。
- 連作していない畑なら、土壌消毒剤は要りません。
ズッキーニの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はズッキーニの育て方にまとめています。
iPhone 対応(Android 版は準備中)。無料で使えます。
この記事は広告を含みます。