結論
- 穴の形で犯人を絞る。大きな不規則な穴はアオムシかヨトウムシ、表皮を残した小さな透けた穴はコナガ、丸い小さな穴が無数ならダイコンハムシ
- 今日やるのは、葉裏と株元を見て虫と卵を手で取り、防虫ネットをかけ直すこと。結球が始まる前 (植えて 3〜4 週間) までに止めれば玉はできる
- 穴のあいた外葉はそのまま残す。外葉は玉を作る工場なので、見た目が悪くても取らない
まず穴の形と場所を見る
白菜の葉の穴は、虫の種類によって形が違います。葉をひっくり返して、穴の縁・大きさ・ふんの有無を確認してください。犯人が分かれば探す場所と時間帯が決まり、無駄なく対処できます。
| 穴の様子 | 犯人 | 見つけ方 |
|---|---|---|
| 葉の縁から大きく不規則に食われ、緑のふんが葉にある | アオムシ (モンシロチョウの幼虫) | 日中、葉裏か葉の付け根に緑色の幼虫。葉裏に黄色い卵 |
| 表皮 1 枚を残して薄く透ける小さな穴。葉が白くかすれて見える | コナガの幼虫 | 葉裏に 1cm ほどの細い緑の幼虫。触ると糸を引いて落ちる |
| 夜のうちに大きく食われ、朝には虫がいない。株元に黒っぽいふん | ヨトウムシ | 日中は株元の土の中や外葉の重なりに潜む。夕方以降に出てくる |
| 直径 2〜3mm の丸い穴が無数にあき、葉がレース状になる | ダイコンハムシ (黒い小さな甲虫) | 葉の上に黒い丸い虫。近づくと落ちる。幼虫は葉裏 |
原因 1: アオムシ (いちばん多い)
9〜10 月はモンシロチョウが最も多く飛ぶ時期で、白菜の葉裏に卵を産みます。孵った幼虫は 1 週間で葉を大きく食い荒らします。緑色で葉に紛れているので、まず葉に付いた緑色のふんを探し、その真上の葉裏を見ると見つかります。
対処は手で取り除くのがいちばん確実で早い方法です。卵は葉裏に淡黄色で 1 粒ずつ付いているので、見つけたら指でつぶします。畑にモンシロチョウが飛んでいる間は、2〜3 日に 1 回は葉裏を見る習慣にしてください。
原因 2: コナガ (小さいが数が多い)
コナガの幼虫は 1cm に満たない小ささで、葉の表皮を 1 枚残して食べるため、穴というより「透けた窓」のような跡になります。数が多く世代交代も速いので、気づいたときには株全体が白っぽくかすれていることがあります。触ると糸を吐いてぶら下がって逃げるのが特徴です。
手で取り切るのは難しいので、防虫ネットで成虫の産卵を止めるのが基本になります。ネットの目合いは 1mm 以下でないと成虫が通り抜けます。すでに入り込んでいる幼虫は、葉裏を洗い流すように水をかけるか、見つけ次第つぶします。
コナガとアオムシは同じ株に同居していることが多いです。大きな穴だけ見て安心せず、葉裏の透けた跡も一緒に確認してください。
原因 3: ヨトウムシ (夜に食べる)
日中に葉を見ても虫がいないのに、翌朝には新しい大きな穴が増えている場合はヨトウムシです。昼は株元の土の中や外葉の重なりに隠れ、夜に出てきて食べます。ふんは黒っぽく粒が大きく、株元の土の上に落ちています。
見つけるなら夕方の暗くなりかけた時間か、早朝です。懐中電灯で葉と株元を照らすと、太い茶色や緑の幼虫が見つかります。日中に探すなら、株元の土を指で 2〜3cm 掘ってみてください。若い幼虫は群れで葉裏にいるので、その葉ごと取ります。
原因 4: ダイコンハムシ (黒い小さな甲虫)
葉に直径数ミリの丸い穴が無数にあき、レース状になっていたらダイコンハムシです。黒くて丸い 4mm ほどの甲虫で、近づくと葉から転げ落ちて逃げます。幼虫も葉裏で同じように食べます。大根や小松菜と隣り合っていると、そこから移ってきます。
対処は成虫を見つけ次第つぶすか、株の下に容器を置いて葉を揺すって落とすのが実用的です。落ち葉や雑草の下で越冬するので、周囲の草を刈っておくと翌年の発生が減ります。
今日やる手順
結球が始まる前なら、外葉が多少食われていても玉はできます。植え付けから 3〜4 週間 (関東露地で 10 月中〜下旬) が結球の入り口なので、それまでに虫の数を減らしておくことが目標です。
- 全株の葉裏と株元を見て、幼虫・卵・ふんを取り除く。取った虫は畑の外へ
- 株元の土を軽く掘ってヨトウムシを探す。見つけたら取る
- 防虫ネットをかけ直す。裾に土をかぶせて隙間をなくし、ネットが葉に触れないよう支柱で浮かせる
- ネットの内側に虫がいないか、かける前に確認する。中に閉じ込めると被害が広がる
- 周囲の雑草と落ち葉を片付けて隠れ場所をなくす
- 3 日後にもう一度同じ確認をする
穴のあいた外葉を切り落とさないでください。白菜は外葉で作った養分を玉に送ります。外葉を減らすと結球が遅れたり、小さい玉で終わります。取るのは黄色く枯れた葉だけです。
失敗と戻し方
「ネットをかけていたのに穴があいた」は、ネットの中にすでに虫や卵がいたか、裾の隙間から入ったか、目合いが粗くてコナガが通ったかのどれかです。ネットをいったん外して株を確認し、虫を取ってからかけ直します。裾は土で埋め、目合いは 1mm 以下に替えてください。
「外葉がほとんど食われて芯だけ残った」場合、9 月中なら新しい葉が出て回復することがあります。10 月中旬を過ぎていたら結球は難しいので、苗を買い直して早生の品種に植え替えるか、その株は葉を摘んで食べる用に切り替えます。寒冷地では 9 月下旬が植え替えの限界です。結球しないときの見方は「白菜が結球しない」も参照してください。
今日やること
- 葉の穴の形を上の表と見比べて、犯人を 1 つに絞る
- 今日中に全株の葉裏と株元を確認し、虫と卵を取ってから防虫ネットをかけ直す
- 見つけた虫の種類と数を Gadenin アプリに記録して、3 日後の再確認を通知で受け取る
よくある質問
- 薬を使わずに止められますか?
- 9〜10 月の白菜なら、手取りと防虫ネットで実用上は止められます。ポイントは頻度で、2〜3 日に 1 回の確認を結球が始まるまで続けます。薬剤を使う場合は、対象の虫と作物が記載された製品を表示どおりに使ってください。
- 穴があいた白菜は食べられますか?
- 食べられます。穴のある外葉をむけば中はきれいです。虫のふんが挟まっていることがあるので、葉を 1 枚ずつはがして洗ってください。
- 来年は最初から防ぎたいです。いつからネットをかけますか?
- 植え付けか発芽の直後からかけます。苗を植える場合は、植える前に苗の葉裏に卵が付いていないか確認してからネットをかけてください。詳しくは「秋野菜の防虫ネット」の記事で説明しています。
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