結論
- 1 日 3〜4 時間の日照があれば、小松菜・ほうれん草・ミズナなどの葉物は秋に問題なく育つ。実をつける野菜は難しい
- 半日陰は日なたより生育が 1〜2 週間遅れるので、まき時を 9 月中旬までに早める。10 月まきは収穫が 12 月にずれ込む
- 失敗の原因は日照不足そのものより、水のやりすぎと密植による徒長と蒸れ。株間を広く、水は土が乾いてから
「日陰」の程度をまず測る
日陰と一口に言っても、まったく日が差さない場所と、午前中だけ日が当たる場所ではまるで違います。秋の葉物に向くのは 1 日に 3〜4 時間、できれば午前中に直射日光が入る半日陰です。建物の北側で一日中日が当たらない場所は、明るくても葉物が徒長しやすく、収穫まで持っていくのが難しくなります。
- 晴れた日に 9 時・12 時・15 時の 3 回、その場所に直射日光が当たっているか見る
- 午前中に日が当たるなら合格。午後だけなら西日で土が乾きやすいので水やりに注意
- 秋は太陽が低くなり、9 月に日が当たった場所が 11 月には陰ることがある。建物の南側でも確認する
- 反射光 (白い壁・明るい床) があるなら、直射がなくても明るさが補われる
半日陰に向く秋の野菜
葉を食べる野菜は光合成の産物をそのまま葉にためるので、少ない光でも収穫にたどり着けます。実や根を太らせる野菜は、光が足りないとそこまで養分が回りません。秋に半日陰で作るなら、次の表の「向く」から選んでください。
| 向き | 野菜 | 半日陰での目安 |
|---|---|---|
| 向く | 小松菜・ミズナ・チンゲンサイ | 日なたより 1〜2 週間遅れて収穫。葉はやわらかく仕上がる |
| 向く | ほうれん草 | 低温に強く、10〜11 月の日照が短い時期でも育つ。酸度調整は必要 |
| 向く | リーフレタス・春菊・パセリ | 強い日差しを嫌うので半日陰の方が葉質がよいことも |
| やや向く | ラディッシュ・カブ (小型) | 根が太るまで日なたの 1.5 倍かかる。密植は避ける |
| 向かない | 大根・白菜・ブロッコリー | 光不足で結球せず、根も太らない。日なたに回す |
まき時を 1〜2 週間早める
半日陰では日なたより生育が遅れるので、関東の露地基準で小松菜は 9 月上〜中旬、ほうれん草は 9 月中〜下旬までにまきます。10 月にまくと、収穫が 12 月にずれ込み、寒さで生育が止まって小さいまま終わることがあります。
寒冷地ではさらに 2 週間早め、暖地では 10 月上旬まで許容できます。日陰の温度は日なたより 2〜3℃ 低いので、その場所の体感に合わせて前倒しする方向で考えてください。逆に 9 月上旬の残暑は日陰の方が凌ぎやすく、発芽はむしろ安定します。
同じ種を日なたと半日陰に 1 週間ずらしてまくと、収穫時期が分散して長く食べられます。半日陰の方を先にまきます。
徒長と蒸れを防ぐ株間と水やり
半日陰で失敗する原因のほとんどは、日照不足そのものより、光を求めて伸びる徒長と、乾きにくい土での過湿です。株間は日なたより広く取り、小松菜なら 5〜6cm、ほうれん草なら 6〜8cm に間引きます。詰めて植えると互いに陰を作って、ひょろひょろの株ばかりになります。
水やりは表面が乾いてからで十分です。日陰の土は乾きが遅く、毎日水をやると根が酸欠になり、下葉が黄色くなります。プランターでは指を 2cm 差して湿っていればやらない、を守ってください。
- 間引きは早めに、日なたより 1 段階広い株間で
- 水やりは表面が乾いてから。朝にやり、夕方は控える
- 不織布は日照をさらに減らすので、虫よけには目の粗い防虫ネットを使う
- 追肥は控えめ。窒素が多いと徒長が進む
プランターなら場所を動かす
プランターの利点は、日の当たる時間に合わせて動かせることです。午前中は東側、午後は南側と移動できれば、日照時間を 2 倍近くに増やせます。キャスター付きの台に乗せておくと毎日の移動が苦になりません。
動かせない場合は、壁際に白い板や反射シートを立てて光を補う方法があります。ただし反射光は熱も持つので、9 月中は葉焼けに注意して昼間だけ外す判断も必要です。
日陰の畑や鉢では、ナメクジやヨトウムシの被害が日なたより増えます。夕方に葉裏と株元を確認し、見つけたら取り除いてください。株元の落ち葉や枯れ葉は隠れ場所になるので片付けます。
失敗と戻し方
「茎ばかり伸びて葉が小さい」は徒長です。抜いて早めに食べるか、株元に土を寄せて倒れないようにし、間引きを進めて光を入れます。伸びた株は元に戻らないので、次回は株間を広げてまき時を早めます。
「下葉が黄色くなり、土がいつも湿っている」なら過湿です。水やりを止め、プランターなら日の当たる場所に移して土を乾かします。露地なら株元の土を軽くほぐして空気を入れます。10 月中なら、条件のよい場所にまき直す方が早いこともあります。
今日やること
- 育てたい場所に、晴れた日の 9 時・12 時・15 時に直射日光が当たるかを見る
- 3〜4 時間当たるなら、小松菜かほうれん草を 9 月中旬までにまく。株間は日なたより広く
- まいた日と場所の日照時間を Gadenin アプリに記録して、日なたの株と生育差を見比べる
よくある質問
- 北向きのベランダでも小松菜は作れますか?
- 直射日光がほぼ入らない北向きは難しいですが、空が開けて明るければ、リーフレタスやミツバなら収穫できます。小松菜は葉が薄く小さくなりますが、ベビーリーフとして早めに摘めば食べられます。
- 日陰だと虫は減りますか?
- アブラムシやコナガは減る傾向がありますが、ナメクジ・ヨトウムシ・ダンゴムシは増えます。湿った環境を好む虫が多いので、株元を乾かして隠れ場所をなくすのが対策になります。
- 冬に向けて日照がさらに減ります。いつまで収穫できますか?
- 関東なら 9 月中旬まきの小松菜は 11 月中に、ほうれん草は 12 月上旬までに収穫を終えると安定します。それ以降は生育がほぼ止まるので、小さくても採って食べ切ってください。
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