自分の部屋の条件から置き場所を決める
エスキナンサスは東南アジアの森で木の幹や枝に根を張って暮らす着生植物です。頭上の葉ごしに漏れる光と、枝の間を抜ける風が生まれつきの環境なので、室内でもレースのカーテン越しの光と空気の動きを再現すると、葉がつやを保ち、秋に花が上がります。
同じ部屋でも窓の向きと距離で光は大きく変わります。下の表で自分の部屋に近い行を見つけ、そこに書いた対処から読むと、置き直しの回り道が減ります。
| 場面 | 株の見た目 | この記事で先に読む節 |
|---|---|---|
| 南の窓辺に吊るしている | 葉の縁が赤茶けて薄くなる | 真夏の直射は葉を焼く |
| 北向きの部屋の奥に置いている | 茎の間が伸びて葉がまばら | 光が足りないと茎が間延びする |
| エアコンの風が当たる位置 | 葉先が乾いて落ちる | 風は欲しいが冷風と温風は避ける |
| 冬に窓辺で夜間十度を切る | 葉が黒ずんでぽろぽろ落ちる | 季節で置き場所を動かす |
明るい日陰とはどの程度の明るさか
目安は、日中に照明を消しても本が読める明るさです。東向きか南向きの窓から一〜二メートル離した位置、あるいはレースのカーテン越しの窓辺がちょうどよく、葉の表面に手をかざして影の輪郭がぼんやり見える程度なら足りています。
- 手で影を確かめる
- 昼に葉の上へ手をかざし、影がくっきり黒く落ちるなら光が強すぎ、影がほとんど見えないなら弱すぎます。輪郭がにじむ程度を目安に距離を調整します。
- 吊るす高さで調整する
- 吊り鉢は窓の上部に近づくほど光が強くなります。葉焼けが出たら吊り位置を三十センチ下げるか、窓から離すだけで戻ることが多いです。
- 週に一度鉢を回す
- 窓側の茎ばかりが伸びて片寄るので、水やりのたびに鉢を四分の一ずつ回します。全体に光が回ると垂れ下がる茎が均等に育ちます。
真夏の直射は葉を焼く
七月から九月の直射日光は、つやのある葉でも数時間で白く抜けたり赤茶色に変色したりします。焼けた葉は元に戻らないので、暑くなる前に位置を変えるのが早道です。
- 梅雨明け前に窓から離す
- 六月下旬を目安に、直射が当たる窓辺からレース越しの位置か、窓から一メートル以上離した明るい場所へ移します。
- 屋外なら木陰か軒下へ
- ベランダで育てるなら午前だけ日が入る東側の軒下や、遮光率五割前後の寒冷紗の下に吊るします。西日は避けます。
- 焼けた葉は残して様子を見る
- 変色した葉も光合成はしています。新しい葉が出そろうまで切らず、株全体の勢いが戻ってから傷んだ葉だけを取り除きます。
葉の縁が赤みを帯びる程度なら、品種によっては正常な色づきです。裏側まで赤く葉がしおれるときだけ光の当たりすぎと判断します。
光が足りないと茎が間延びする
暗い場所に置くと、茎の節の間がだらしなく伸びて葉が小さくまばらになります。花芽も付かなくなるので、光不足の株は秋にほとんど咲きません。手遅れになる前に光の側へ寄せます。
- 節間で光不足を判断する
- 新しく伸びた茎の葉と葉の間隔が、古い部分の倍以上に開いていたら光不足です。葉の色が薄くなるのも同じサインです。
- 一週間かけて明るい方へ
- いきなり強い光へ出すと葉が焼けるので、五十センチずつ窓へ近づけ、一週間ほどかけて慣らします。
- 照明で補う
- 窓のない部屋なら植物育成用の照明を一日十時間ほど当てます。葉から三十センチ以上離し、光が直接目に入らない位置に吊るします。
風は欲しいが冷風と温風は避ける
着生植物のエスキナンサスは、鉢の中の空気が動かないと根が傷みます。ただしエアコンや扇風機の風が直接葉に当たると、葉先から乾いて落ちます。人の肌でかすかに感じる程度の空気の流れが理想です。
サーキュレーターを使うときは天井や壁に向けて風を回し、株には間接的に当てます。冬の暖房の温風も同じで、吹き出し口の正面に吊るすと一週間で葉が落ち始めます。
- 吊り鉢の上下の風を確かめる
- 線香の煙や薄い紙を鉢の近くにかざし、ゆっくり流れる程度なら問題ありません。紙がはためくほどなら風向きを変えます。
- 窓を開けるときは網戸越しに
- 春と秋は窓を開けて風を入れると株が締まります。ただし強風の日に吊り鉢が揺れて茎が折れるので、風の強い日は閉めます。
季節で置き場所を動かす
一年を通して同じ位置に吊るしっぱなしにすると、夏は葉焼け、冬は寒さで葉を落とします。下の表を目安に、季節ごとに数十センチから数メートル動かすだけで株の状態は安定します。
| 時期 | 置き場所の目安 | 注意する点 |
|---|---|---|
| 4〜6月 | レース越しの窓辺か東向きの窓 | 新芽が動くので光を確保する |
| 7〜9月 | 窓から一メートル離す、屋外なら軒下 | 直射と西日を避ける |
| 10〜11月 | レース越しの窓辺に戻す | 花芽が付く時期なので動かしすぎない |
| 12〜3月 | 窓から離した暖かい部屋の明るい場所 | 夜間の窓辺の冷えと暖房の風を避ける |
花芽が付いた株は、蕾が見えてから置き場所を大きく変えると蕾が落ちます。動かすなら十月中旬までに済ませます。
置き場所で失敗したときの立て直し
葉が落ちたり茎が間延びしたりしても、根が生きていれば春の新芽で立て直せます。原因を光か風か温度かに切り分けてから場所を変え、変えたあとは少なくとも二週間は動かさずに様子を見ます。
- 葉が一気に落ちたとき
- 寒さか冷風の可能性が高いです。十五度以上の部屋の明るい場所へ移し、水を控えて春を待ちます。茎が緑なら新芽が出ます。
- 茎ばかり伸びて咲かないとき
- 光不足です。春にだらしなく伸びた茎を三分の一ほど切り戻し、明るい場所で仕立て直すと、秋に新しい茎の先へ花が付きます。
- 葉が白く抜けたとき
- 葉焼けです。すぐにレース越しへ下げます。抜けた葉は戻りませんが、新葉が出るまで肥料を控えて回復を待ちます。
エスキナンサスの置き場所を整えるのに使うもの
室内は、人が明るいと感じても植物には暗いことがほとんどです。光を足すか、置き場所を変えるかのどちらかです。
- 植物育成ライト探す言葉「植物育成ライト 白色 クリップ」
- 規格の目安
- 白色(フルスペクトル)で、株から 30〜50cm に吊るせるもの。1 日 8〜12 時間。
窓から離れた場所では、どの植物も徐々に間延びします。紫色のライトは効きますが、部屋の見た目が変わるので白色が現実的です。
- レースカーテン探す言葉「レースカーテン 遮光 UV」
- 規格の目安
- 光を通すもの。遮光率の高すぎるものは逆効果です。
夏の直射は、室内で育った葉を焼きます。外から入れたばかりの株ほど、一枚挟んで慣らします。
- キャスター付き鉢台探す言葉「鉢 キャスター 台 室内」
- 規格の目安
- 耐荷重を土と水を含めた重さで見ます。8 号鉢で 10kg 前後。
大きな鉢は動かせないと、季節に合わせて置き場所を変えられません。床の通気も良くなります。
- 温湿度計探す言葉「温湿度計 デジタル 小型」
- 規格の目安
- 最低・最高を記録できるもの。
窓際は日中と夜で 10℃ 以上違うことがあります。冬に葉を落とす原因は、たいてい夜の冷え込みです。
- 窓辺に置けるなら、育成ライトは要りません。
- 加湿器は植物のためだけには要りません。霧吹きとサーキュレーターで足りることが多いです。
エスキナンサスの上手に育てるコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はエスキナンサスの育て方にまとめています。
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