一年の流れと月別の作業表
エスキナンサスの一年は、春の切り戻しと植え替え、夏の充実、秋の花芽作り、冬の開花と休みで回ります。下の表は関東平野部の室内管理を前提にした目安です。自分の株の状態と照らし合わせて、やることを決めてください。
| 月 | 作業 | 水やりと肥料の目安 |
|---|---|---|
| 1月 | 開花中は花がら摘み。暖かい部屋で管理 | 二〜三週間に一回。肥料なし |
| 2月 | 同上。葉水で乾燥を補う | 二〜三週間に一回。肥料なし |
| 3月 | 花が終わった株は花がらを整理 | 二週間に一回。肥料なし |
| 4月 | 切り戻し開始。挿し木ができる | 一週間に一回程度。薄い液体肥料を始める |
| 5月 | 植え替え、株分けの適期 | 土が乾いたら翌日。二週間に一回液体肥料 |
| 6月 | 切り戻しの締め切り。屋外へ出せる | 乾いたら翌日。二週間に一回液体肥料 |
| 7月 | 直射を避けて涼しい日陰へ | 三〜五日に一回。液体肥料は続ける |
| 8月 | 葉水をこまめに。夏バテ株は肥料を止める | 三〜五日に一回。暑い日は控えめ |
| 9月 | 最後の液体肥料。切らずに茎を伸ばす | 五日に一回程度。月末で肥料を止める |
| 10月 | 涼しさと乾きで花芽を作る。室内へ | 乾いて二〜三日後。肥料なし |
| 11月 | 蕾が見え始める。動かさない | 五〜七日に一回。肥料なし |
| 12月 | 開花。暖房の風を避ける | 二〜三週間に一回。肥料なし |
春(4〜6月)に形を作る
花が終わった春が、一年で最も手を入れる時期です。伸びすぎた茎の切り戻し、植え替え、挿し木をこの三か月で済ませます。六月を過ぎると秋までに茎が充実せず、花が減ります。
- 四月に切り戻す
- 花が終わった茎を三分の一ほど切り、株元から新しい茎を出させます。切った茎は挿し木に使います。
- 五月に植え替える
- 根詰まりの株だけ、一回り大きい鉢に粗い土で植え替えます。夜が十五度を超えてから行います。
- 肥料を始める
- 新芽が動いたら、規定より薄めた液体肥料を二週間に一回与えます。追肥(育ちの途中で足す肥料)はこの時期から九月までに限ります。
夏(7〜9月)は茎を太らせる
夏は秋に花を付ける茎を充実させる時期です。直射日光を避けた明るい場所で、水と葉水を切らさず、肥料を続けます。三十度を超える日が続いて葉がしおれるようなら、肥料を一時止めて涼しい場所へ移します。
- 屋外なら軒下の日陰に吊るす
- 風通しのよい軒下や木陰に吊るすと、室内より茎が締まります。台風の日は室内へ取り込みます。
- 葉水で暑さを和らげる
- 朝に葉の裏まで霧を吹くとハダニが減り、葉のつやが保てます。夕方以降に濡らしたままにしないようにします。
- 九月で肥料を止める
- 九月中に最後の液体肥料を与え、その後は春まで与えません。肥料が残ると花芽が付きにくくなります。
秋(10〜11月)は花芽を作って動かさない
夜の気温が十五度前後まで下がったら、水やりの間隔を少し空けて花芽を促します。屋外の株は最低気温が十二度を目安に室内へ入れ、その後は蕾が付いても置き場所を変えません。
- 十月中旬までに冬の置き場所へ
- 暖房の風が当たらない明るい窓辺を冬の定位置と決め、十月中旬までに移動を終えます。
- 水を一段階絞る
- 土が乾いてから二〜三日待って与えます。葉が少し柔らかくなる程度まで乾かすと花芽が動きます。
- 蕾を見つけたら触らない
- 茎の先に暗い赤の粒が集まったら蕾です。以降は霧吹きも株の周りに向け、鉢を回すのもやめます。
冬(12〜3月)は開花を楽しみつつ休ませる
冬は開花の時期であると同時に、株にとっては休みの時期です。最低でも十度、できれば十五度を保った部屋で、水は二〜三週間に一回、ぬるま湯で与えます。肥料は与えません。
- 夜は窓辺から離す
- 窓辺は夜に外気並みに冷えます。日中は窓辺、夜は部屋の中央へ吊り替えるか、厚手のカーテンで冷気を遮ります。
- 花がらを摘む
- 咲き終わった花は萼を残して指で摘み取ります。萼から次の花が出ることがあるので、萼ごと切らないようにします。
- 落ちた葉を片付ける
- 冬に落ちた葉を鉢の上に残すとカビの原因になります。見つけたら取り除き、鉢の周りを清潔にします。
地域と部屋の条件で前後する
表の月は本州の平地の室内を前提にしています。屋外に出せる期間と室内へ戻す時期は地域で一か月近くずれるので、下の表で読み替えてください。
| 地域 | 屋外に出せる時期 | 室内へ戻す時期 | 冬の注意 |
|---|---|---|---|
| 暖地(関東以西の平地) | 5月中旬〜10月上旬 | 10月中旬 | 窓辺の夜間の冷えに注意 |
| 中間地 | 5月下旬〜9月下旬 | 10月上旬 | 無暖房の部屋は十度を切る |
| 寒冷地 | 6月中旬〜9月上旬 | 9月中旬 | 暖房のある部屋でしか越冬できない |
| 屋内のみで通年管理 | 出さない | 出さない | 光不足で花が付きにくい |
作業が遅れたときの立て直し
暦どおりに動けない年のほうが多いので、遅れを取り返そうと無理をせず、いまの株の姿から次の一手を決めます。原因を切り分ければ、やるべきことは足すことより待つことに変わります。
- 切り戻しが七月にずれた
- 軽く先端だけ整えるにとどめ、本格的な切り戻しは翌春に回します。その年は花が少なくても株を弱らせないことを優先します。
- 植え替えが秋にずれた
- 根をくずさず、鉢を一回り大きくするだけにとどめます。土を落とす植え替えは翌年の五月まで見送ります。
- 取り込みが遅れて葉が落ちた
- 十度を下回る夜に当てた株は葉が落ちます。暖かい部屋へ移し、水を絞って春を待ちます。茎が緑なら新芽が出ます。
- 秋に肥料を与えてしまった
- その年は花が少なくなります。すぐに肥料を止め、置き肥は取り除きます。水を絞って十一月まで様子を見ます。
エスキナンサスの栽培に一年を通して使うもの
鉢ものは、季節ごとに買い足すものがほとんどありません。年に一度の植え替えと、日々の水やりの判断を支えるものだけです。
数量は直径 24cm(8 号)の鉢 1 個を単位にしています。号数は直径 cm を 3 で割った数です。
- 観葉植物用の培養土探す言葉「観葉植物 培養土 水はけ」
- 規格の目安
- 水はけ重視の配合。多肉植物・サボテンならさらに粒の粗い専用土。5〜14L の袋。
- 数量の目安
- 8 号鉢 1 個で約 8L、6 号鉢で約 3L。
室内では土が乾きにくく、水もちのよい土だと根が傷みます。用途の書かれた土を選ぶだけで失敗が減ります。
- 土壌水分計探す言葉「土壌水分計 観葉植物」
- 規格の目安
- 土に挿して読む針式。乾き・適・湿の 3 段階が読めれば十分です。
鉢ものを枯らす原因の筆頭は水のやりすぎです。表面が乾いていても中は湿っていることが多く、測るのがいちばん確実です。
- 緩効性肥料(置き肥)探す言葉「緩効性肥料 観葉植物 置き肥」
- 規格の目安
- 2〜3 か月効く粒状。土の上に置くだけのもの。
- 数量の目安
- 8 号鉢に 10〜15g を、生育期(春から秋)に 2〜3 か月ごと。
冬は生育が止まるので与えません。休眠中に肥料を置くと、吸われずに土に残って根を傷めます。
- サーキュレーター探す言葉「サーキュレーター 静音 小型」
- 規格の目安
- 小型で首振りのあるもの。植物に直接強い風を当てない置き方ができるもの。
室内は風がありません。空気が動かないと土が乾かず、ハダニやカイガラムシも増えます。弱い風を回すだけで変わります。
- 活力剤は肥料の代わりになりません。肥料を与えているなら急ぎません。
- 冬の間は、肥料も植え替えも要りません。水やりの回数を減らすだけです。
エスキナンサスの上手に育てるコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はエスキナンサスの育て方にまとめています。
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