植え替えが要るかどうかを判断する
エスキナンサスは根が細く、頻繁な植え替えを好みません。二〜三年に一度、根詰まりのサインが出てから行えば十分です。まず下の表で株の状態を確かめ、植え替えが本当に必要かを判断してください。
| 鉢と株の状態 | 判断 | やること |
|---|---|---|
| 鉢底の穴から根がはみ出ている | 植え替えが必要 | 一回り大きい鉢に植え替える |
| 水がすぐ抜けず表面にたまる | 土が細かくなって詰まっている | 土を替えて同じ大きさの鉢へ |
| 茎が増えすぎて鉢の中心が蒸れる | 株分けの適期 | 二〜三株に分けて植え直す |
| 買って一年未満で葉も元気 | まだ不要 | 翌年の五月まで待つ |
適期は五月から七月
根が動き出す五月から梅雨明けの七月上旬までが植え替えの適期です。この時期なら根を多少切っても一か月で回復します。九月以降に根をいじると、冬までに根が回らず、花も付かないまま弱ります。
花が咲いている間や蕾が付いている秋から冬は植え替えを避けます。春に花が終わった株は、切り戻しと同時に植え替えると、作業が一度で済みます。
- 最低気温十五度を確かめる
- 夜の気温が安定して十五度を超えてから行います。関東の平地なら五月中旬以降が目安で、寒冷地は六月に入ってからにします。
- 前日に水を与えておく
- 土が乾ききった状態で鉢から抜くと根が切れやすいので、前日に軽く水を与えて土を湿らせておきます。
鉢は一回りだけ大きく、浅めのものを
根が細く量も少ない植物なので、大きな鉢に植えると土が乾かず根腐れします。今の鉢より一回り、直径で三センチ程度大きい鉢にとどめます。吊り鉢なら軽いプラスチック製が扱いやすく、通気を求めるなら素焼きの浅鉢を吊るします。
| 鉢の種類 | 向き不向き | 注意点 |
|---|---|---|
| プラスチックの吊り鉢 | 軽くて吊るしやすい | 乾きが遅いので粗い土にする |
| 素焼きの浅鉢 | 通気がよく根が健康 | 重いので吊るす金具を確かめる |
| ヘゴ板やコルクへの着生 | 本来の姿に近い | 毎日の霧吹きが要り上級者向け |
| 深い鉢 | 不向き | 下の土が乾かず根腐れしやすい |
用土は粗く軽くする
木に着生する植物なので、市販の観葉植物用の土をそのまま使うと水持ちがよすぎます。観葉植物用の土に、樹皮チップやパーライトを三割ほど混ぜて粗く軽くすると、根の周りに空気が入って調子が上がります。
- 配合の目安
- 観葉植物用の土を五、樹皮チップを三、パーライトかバーミキュライトを二の割合で混ぜます。水苔だけで植える方法もありますが、乾きの判断が難しくなります。
- 鉢底石を入れる
- 浅鉢でも底に一〜二センチの鉢底石を入れ、水の抜け道を確保します。吊り鉢は軽さを優先して発泡スチロールの粒でも構いません。
- 肥料は混ぜない
- 植え替え直後は根が傷んでいるので、土に肥料を混ぜず、一か月後から薄めた液体肥料を始めます。
植え替えの手順
- 鉢から抜いて根を確かめる
- 垂れた茎を軽く束ねてまとめ、鉢を横にして株を抜きます。白い根は残し、黒く柔らかい根は指でつまんで取り除きます。
- 古い土を三分の一落とす
- 根鉢の肩と底の土を手でほぐして三分の一ほど落とします。全部落とすと根が乾いて弱るので、中心は残します。
- 浅めに植える
- 株元の茎が土に埋まらない高さに置き、周りに粗い土を入れて割り箸で軽く突き、隙間をなくします。深植えは茎が腐る原因です。
- 水を与えて日陰で休ませる
- 鉢底から流れるまで水を与え、一週間は直射の当たらない明るい日陰に吊るします。その後、元の場所に戻します。
作業中に折れた茎は挿し穂に使えます。十センチほどの長さで別の小鉢に挿しておくと、予備の株になります。
株分けで形を整える
茎が鉢いっぱいに増えた株は、植え替えのついでに二〜三株に分けると、それぞれが風通しよく育ちます。根が細く絡んでいるので、無理に引き裂かず、はさみで根鉢を切り分けるほうが傷みが少ないです。
- 根鉢を上から縦に切る
- 清潔なはさみか刃物で、根鉢を上から縦に二〜三等分します。それぞれに茎が五本以上付くように分けます。
- 小さめの鉢に別々に植える
- 分けた株は四号前後の鉢に植えます。切り口が乾くまで一日おいてから植えると腐りにくいです。
植え替え後に弱ったときの手当て
植え替え後に葉が落ちたり茎が垂れたりするのは、根が新しい土になじむまでの一時的な反応であることが多いです。原因を切り分け、水と光を控えめにして待つのが基本の手当てです。
- 葉がしおれて戻らないとき
- 根を切りすぎた可能性があります。水を控え、株全体に袋をかぶせて湿度を保ち、二週間ほど明るい日陰で回復を待ちます。
- 下葉が黄色くなって落ちるとき
- 植え替え後の水のやりすぎです。土が乾くまで待ってから与え、鉢を風の通る場所に吊るします。
- 一か月たっても新芽が出ないとき
- 鉢から抜いて根を見ます。白い根が伸びていれば問題ありません。黒く腐っていたら切り戻して乾いた土に植え直します。
エスキナンサスの植え替えに使うもの
植え替えは鉢を大きくする作業ではなく、根と土を新しくする作業です。同じ鉢に戻す選択もあります。
数量は直径 24cm(8 号)の鉢 1 個を単位にしています。号数は直径 cm を 3 で割った数です。
- 鉢(ひと回り大きいもの)探す言葉「植木鉢 8号 スリット」
- 規格の目安
- 直径で 3cm(1 号)だけ大きいもの。スリット鉢は根が鉢底で回りません。
急に大きくすると、根の届かない土が湿ったまま残り、根腐れの原因になります。1 号ずつが原則です。
- 培養土探す言葉「観葉植物 培養土 水はけ」
- 規格の目安
- 観葉植物用、または多肉・サボテン用。水はけ重視の配合。
- 数量の目安
- 8 号鉢 1 個で約 8L、6 号鉢で約 3L、10 号鉢で約 15L。
古い土は粒が潰れて水はけが落ちています。土を替えることが植え替えの目的の半分です。
- 鉢底石探す言葉「鉢底石 ネット入り」
- 規格の目安
- 軽石。ネット入りなら次の植え替えでそのまま取り出せます。
鉢底の穴が土でふさがらないようにするためです。ネット入りは繰り返し使えます。
- 根切りばさみ・割り箸探す言葉「根切りばさみ 園芸」
- 規格の目安
- 刃の厚いはさみ。根鉢をほぐすのは割り箸や竹串で足ります。
固まった根鉢は、外側を切ってほぐさないと新しい根が出ません。土をかむので、普通のはさみは傷みます。
- 同じ鉢に戻すなら、新しい鉢は要りません。根を整理して土を替えるだけで十分です。
- 鉢底ネットは、スリット鉢なら要りません。
エスキナンサスの上手に育てるコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はエスキナンサスの育て方にまとめています。
iPhone 対応(Android 版は準備中)。無料で使えます。
この記事は広告を含みます。