苗は種類の違う二株をそろえる
アケビは自分の花粉では実がつきにくい性質があり、同じ株どうしでは受粉してもほとんど実になりません。苗を買うときは三つ葉のミツバアケビと五つ葉のアケビ、または品種名の違う二株をそろえるのが基本です。一本だけ植えて何年も実がつかない失敗がとても多い作物です。
園芸店で売られる苗は挿し木か接ぎ木の一年生から二年生が中心です。つるが太く、節の間が詰まり、根鉢を崩さずに抜けるものを選びます。つるが細く徒長(ひょろひょろと間延びして伸びること)した苗は活着が遅れます。
| 種類 | 葉の枚数 | 特徴 |
|---|---|---|
| アケビ | 五枚 | 果皮は薄紫で実は大きめ、花は淡い紫 |
| ミツバアケビ | 三枚 | 果皮が濃い紫で果肉が多い、花は濃い紫 |
| ゴヨウアケビ | 三〜五枚 | 上の二つの雑種で、受粉樹としても使える |
同じ品種名の苗を二本買っても受粉樹にはなりません。種類か品種名が違うことを札で確かめてから購入します。
植え付けの時期と場所
植え付けは落葉して休眠している十一月から三月が適期で、関東平野部なら寒さがゆるむ二月下旬から三月中旬がもっとも根付きやすい時期です。暖地は十二月でもかまいませんが、寒冷地は雪解け後の四月まで待ちます。
場所は日当たりがよく、つるを絡ませる棚やフェンスがあるところを選びます。山では木に登って育つ植物なので、根元は半日陰でも先端に日が当たれば育ちます。夏の強い西日で葉が焼けることがあるので、根元に敷きわらをして乾きを抑えます。
- 植え穴を掘る
- 直径と深さを五十センチほど掘り、掘り上げた土に腐葉土をバケツ二杯と元肥(植え付け前に土へ混ぜておく肥料)として緩効性の化成肥料を一握り混ぜ戻します。
- 二株の間隔を決める
- 二株は二〜三メートル離して植えます。近すぎるとつるが絡み合って区別がつかず、剪定で受粉樹を切り落としてしまうことがあります。
- 根鉢を軽くほぐして据える
- 根鉢の底を軽くほぐし、接ぎ木部分が土に埋まらない高さに据えます。深植えすると台木から芽が出て品種のつるが弱ります。
- たっぷり水を与えて支柱を立てる
- 植え付け後にバケツ一杯の水をゆっくり注ぎ、つるを支柱に軽く結びます。棚まで届くまでは仮の支柱で誘導します。
鉢植えで育てるなら
アケビは鉢植えでも実をつけます。ベランダで育てるなら十号鉢以上に一株ずつ植え、あんどん支柱に巻きつけて育てます。鉢は二つ用意して種類の違う株を並べます。用土は赤玉土六に腐葉土四の水はけのよい配合が目安で、乾きすぎると落葉するので夏は朝夕の水やりが必要です。
| 鉢の大きさ | 苗の年数 | 管理の目安 |
|---|---|---|
| 八号鉢 | 一〜二年生 | あんどん仕立てで一年育てて根を張らせる |
| 十号鉢 | 二〜三年生 | 実をならせ始める大きさ、二年ごとに植え替え |
| 十二号鉢以上 | 四年生以上 | 毎年三〜五個の収穫が目安、根詰まりに注意 |
鉢植えは根が回りやすく、根詰まりすると花が咲いても実が落ちます。二年に一度は二月に鉢から抜いて古い根を三分の一ほど切り、新しい土で植え直します。
植え付け後一年目の育て方
一年目は実をならせず、つるを棚の高さまで伸ばして骨格を作ることに専念します。春に伸びる新しいつるのうち太いものを一〜二本残して支柱に巻き、細いつるはつけ根から切ります。伸びたつるが棚に届いたら、そこから横に広げて主枝にします。
水やりは植え付け後一か月は土の表面が乾いたらたっぷり与え、その後は雨に任せます。真夏に葉がしおれてきたら朝に株元へ水を注ぎます。肥料は三月と六月に緩効性の化成肥料を一握りずつ株元から少し離してまきます。
- 主幹にするつるを決める
- 四月に新芽が伸び始めたら、太くて真上に伸びるつるを一本選び、支柱にゆるく結びます。ほかの芽は指で欠き取って養分を集めます。
- つるを巻く向きを整える
- アケビのつるは左巻きに絡みます。支柱に巻くときは自然に巻く向きに合わせると、ほどけずにまっすぐ登ります。
- 棚に届いたら先を止める
- つるの先が棚の高さに届いたら先端を切り、そこから出る側枝を左右に広げて棚に結びます。これが翌年以降の主枝になります。
根付かないときの原因と立て直し
植え付け後に芽が動かない、葉が出てもすぐ黄色くなるときは、根の乾きか深植えが原因のことが多いです。株元の土を指で三センチほど掘り、乾いていたらたっぷり水を与えます。湿っているのに元気がないなら深植えや水のやりすぎで根が傷んでいるので、株元の土を少し取り除いて接ぎ木部分を露出させます。
| 症状 | 考えられる原因 | 手当て |
|---|---|---|
| 芽が動かない | 根の乾燥、活着前の水切れ | 株元に水を注ぎ、敷きわらで乾きを抑える |
| 葉が出た後に黄化 | 深植え、水のやりすぎ | 土を取り除いて接ぎ木部を出し、水やりを控える |
| つるが細く伸びるだけ | 日照不足 | 先端に日が当たる位置へ誘引し直す |
| 台木から芽が出る | 深植え、品種側の弱り | 台木の芽を根元から欠き取り、品種のつるを守る |
植え付けから二年たっても花が咲かないのは普通です。実がつき始めるのは三〜四年目が目安なので、慌てて植え替えないでください。
アケビの植え付けに使うもの
木は一度植えたら動かせません。植え穴と支柱をきちんと作るかどうかで、その後の何年かが決まります。
数量は苗木 1 本を単位にしています。
- 完熟堆肥・腐葉土探す言葉「完熟堆肥 バーク 40L」
- 規格の目安
- バーク堆肥か腐葉土。40L 前後の袋。
- 数量の目安
- 植え穴 1 つ(直径 60cm × 深さ 50cm)に 20〜30L を掘り上げた土と混ぜます。
穴を大きく掘って土を入れ替えるのが植え付けの本体です。ここを手抜きすると、根が広がらないまま何年も伸び悩みます。
- 支柱(添え木)探す言葉「園芸支柱 太い 180cm」
- 規格の目安
- 直径 25〜30mm × 長さ 180cm。1 本の添え木か、2 本の二脚(鳥居型)。
根が張るまでの 1〜2 年、風で株元が動くと細い根が切れ続けます。細い支柱では木の重さを支えられません。
- 樹木用の結束テープ探す言葉「樹木 誘引 テープ 幅広」
- 規格の目安
- 幅 20mm 前後の伸びる素材か、麻ひもと当て布。
幹は太ります。細いひもで縛ると食い込み、そこで水の通り道を締めてしまいます。幅の広いもので 8 の字に留めます。
- 緩効性肥料(元肥)探す言葉「緩効性肥料 元肥 樹木」
- 規格の目安
- 粒状で長く効くタイプ。
- 数量の目安
- 植え穴 1 つに 50〜100g。根に直接触れないよう、土を一枚かぶせてから植えます。
植え付け直後は根が傷んでいます。濃い肥料が触れると、そこから傷みが広がります。
- 鉢で育てるなら支柱は短いもので足ります。180cm の添え木は地植え用です。
- 植え穴に石を入れる必要はありません。水はけが悪いなら、盛り土にして高く植えるほうが効きます。
アケビの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はアケビの育て方にまとめています。
iPhone 対応(Android 版は準備中)。無料で使えます。
この記事は広告を含みます。