食べごろの見極め
アケビは九月中旬から十月上旬、果皮が紫色に色づいてから縦に一本の筋が入り、そこがぱっくり割れたときが食べごろです。割れると中の半透明な白い果肉が見え、黒い種がびっしり並んでいます。割れる前に採っても追熟しないので、割れる直前か割れた直後を狙います。
| 見た目 | 熟し具合 | 扱い |
|---|---|---|
| 緑色で固い | 未熟 | 採らない、追熟しない |
| 薄紫に色づき始める | 袋かけの時期 | 果実袋をかけて待つ |
| 濃い紫で筋が入る | 割れる直前 | 翌日から毎朝確かめる |
| 縦に割れて果肉が見える | 食べごろ | その日のうちに収穫 |
| 割れて数日、果肉が茶色い | 熟しすぎ | 鳥や虫に食われる前に処分 |
割れた実はそのまま棚にぶら下げておくと二〜三日で鳥に食べられます。朝に見回り、割れていたらすぐ採ります。
収穫の手順
収穫は朝の涼しい時間に、はさみで果柄(実と枝をつなぐ細い軸)を切って採ります。手で引きちぎると短い枝ごと取れて翌年の花芽を失います。割れた実は果肉が柔らかく落ちやすいので、下に手を添えて受けます。袋をかけている実は袋ごと切り取ってから開けると、果肉がこぼれません。
採った実は重ねずに一段に並べて持ち帰ります。割れた実どうしを重ねると果肉がつぶれて汁が出て、その日のうちに傷みます。浅いかごや平らな容器を用意しておくと安心です。
- 果柄をはさみで切る
- 実の上二〜三センチのところで果柄を切ります。短い枝を傷つけないよう、枝には刃を当てません。
- 割れた実は手で受ける
- 割れた実は果肉がこぼれるので、片手を下に添えてから切ります。袋がかかっていれば袋ごと採ります。
- 一株ずつ数を記録する
- 採れた数と大きさをメモしておくと、翌年の摘果の数や剪定の強さを決める材料になります。
果肉の食べ方
果肉はほんのり甘く、種ごと口に含んで果肉だけを味わい、種は出します。種は硬くて食べられませんが、飲み込んでも害はありません。冷やすと甘みが引き立ちます。果肉は日持ちしないので、収穫したその日か翌日までに食べます。たくさん採れたときは果肉を裏ごしして種を除き、砂糖と煮てジャムにすると保存できます。
- 冷やして生で
- 収穫後に冷蔵庫で二〜三時間冷やし、スプーンで果肉をすくいます。種は口の中でより分けて出します。
- 裏ごしでジャムに
- 果肉を目の粗いざるで裏ごしして種を除き、重さの半量の砂糖と弱火で十分ほど煮ます。レモン汁を少し足すと色がきれいに残ります。
アケビの種は多く、果肉の割合は小さめです。一つの実から食べられる果肉は大さじ二〜三杯ほどと考えてください。
果皮の食べ方
アケビは果皮も食べられる珍しい果物で、東北地方では果皮のほうを主役にした料理が多くあります。果皮はほろ苦く、油との相性がよいので、味噌炒めや天ぷら、肉詰めにします。苦みが気になるなら、切った果皮を水に三十分ほどさらしてから使います。果皮は果肉より日持ちし、冷蔵で三〜四日は使えます。
| 用途 | 下ごしらえ | こつ |
|---|---|---|
| 味噌炒め | 一センチ幅に切り水にさらす | ごま油で炒め、味噌とみりんで味付け |
| 天ぷら | 半分に切ってそのまま | 衣を薄めにして高温で短く揚げる |
| 肉詰め | 果肉を除いた皮をそのまま | ひき肉と味噌を詰め、油で焼いてから蒸し煮 |
| 油炒めの常備菜 | 細切りにして水にさらす | 苦みが残るほうが好きなら、さらす時間を短く |
保存と冷凍
果肉は冷蔵で二日、果皮は冷蔵で三〜四日が目安です。長く保存したいなら、果肉は裏ごししてから冷凍し、果皮は下ゆでしてから小分けで冷凍します。冷凍した果肉はジャムやシャーベットに、冷凍した果皮は炒め物に使えます。生のまま丸ごと冷凍すると解凍時に果肉が崩れて使いにくくなります。
- 果肉は裏ごしして冷凍
- 種を除いた果肉を製氷皿に入れて凍らせ、固まったら袋に移します。一か月ほどで使い切ります。
- 果皮は下ゆでして冷凍
- 果皮を使いやすい大きさに切り、熱湯で一分ゆでて水気を絞ります。一回分ずつラップで包んで冷凍します。
収穫で失敗したときの見直し
割れる前に採って固いまま食べられなかった、割れたのに気づかず鳥に食べられた、実が小さく果肉がほとんどなかった、というのが収穫でよくある失敗です。翌年はそれぞれ、色づきの記録をつける、袋かけと毎朝の見回りを習慣にする、六月の摘果で数を減らす、という対策で改善します。
| 失敗 | 原因 | 翌年の直し方 |
|---|---|---|
| 採ったら固くて食べられない | 割れる前に収穫した | 筋が入ってから毎朝確かめ、割れたら採る |
| 割れた実を鳥に食べられた | 見回りが遅れた、袋なし | 色づき始めに袋かけ、朝の見回り |
| 実が小さく果肉が少ない | 一房に実が多すぎた、水切れ | 六月に二〜三個へ摘果、夏の水やり |
| 実が採れる前に落ちた | 受粉樹の不一致、乾燥 | 種類の違う株で受粉、敷きわら |
アケビの収穫に使うもの
木の実は、落として拾うと傷みます。高さのあるところから、傷めずに下ろすための道具です。
- 収穫ばさみ(先丸)探す言葉「収穫ばさみ 果樹 先丸」
- 規格の目安
- 刃先が丸く、刃渡り 5cm 前後。
引っぱって穫ると、枝が裂けて翌年の芽まで落ちます。軸を残して切るのが基本です。
- 高枝切りばさみ(採果器付き)探す言葉「高枝切りばさみ 採果」
- 規格の目安
- 伸ばして 2〜3m。切った実を受ける籠の付いたもの。
脚立で無理な姿勢を取るより安全です。籠付きなら、切った実がそのまま落ちません。
- 収穫かご・コンテナ探す言葉「収穫かご 果樹 コンテナ」
- 規格の目安
- 20L 前後。浅めのものは実を重ねずに済みます。
深い容器に積むと、下の実が自分の重さで傷みます。柔らかい果実ほど浅い容器で。
- 保存用の緩衝材探す言葉「果物 緩衝材 ネット」
- 規格の目安
- 果実用のネットキャップか、新聞紙。
一つずつ包むと、傷んだ実から隣へ移りません。長く置く実ほど効きます。
- 手の届く高さに仕立てているなら、高枝切りばさみは要りません。低く保つほうが管理も楽です。
- 専用の収穫かごでなくても、浅い箱に新聞紙を敷けば足ります。
アケビの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はアケビの育て方にまとめています。
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