まず葉と実の症状から見分ける
アケビは病気には強く、家庭で問題になるのはほとんどが虫害と生理障害です。葉が大きく食われていれば蛾の幼虫、実に穴があいて果肉が傷んでいれば果実に入る虫、葉が黄色くなって落ちるなら水切れや根詰まりを疑います。症状から原因を絞ると対処が早くなります。
| 症状 | 考えられる原因 | 最初の手当て |
|---|---|---|
| 葉が葉脈だけ残して食われる | アケビコノハの幼虫 | 幼虫を探して捕殺 |
| 実に小さな穴、中が茶色く傷む | 果実に入る蛾の幼虫 | 傷んだ実を取り除き、翌年は袋かけ |
| 葉の裏が白っぽく、細かい斑点 | ハダニ | 葉裏に水をかけて洗い流す |
| 新芽が縮れて黒い粒がつく | アブラムシ | 指でつぶすか、水で流す |
| 葉が黄色くなって落ちる | 水切れ、根詰まり | 株元の乾きと鉢の根を確かめる |
| 花が咲くのに実が落ちる | 受粉不良 | 別の株の花粉で人工受粉 |
アケビコノハの幼虫
アケビコノハは枯れ葉そっくりの大きな蛾で、幼虫はアケビの葉だけを食べます。幼虫は体長七センチほどにもなり、胸に目玉のような模様があるのが特徴です。五月から九月に発生し、数匹いるだけで一枝の葉を丸裸にします。若い株や鉢植えでは葉を失って弱るので、見つけしだい取り除きます。
- 食痕をたどって探す
- 葉脈だけ残った葉や、株元に落ちた黒い粒状のふんを見つけたら、その真上の枝を探します。幼虫は昼間は枝に体を沿わせてじっとしています。
- 割りばしで取り除く
- 幼虫は毒はありませんが、驚くと胸を反らせて目玉模様を見せます。割りばしや手袋でつまんで取り、離れた場所で処分します。
- 大発生なら殺虫剤
- 葉の半分以上が食われ、幼虫が十匹以上いるときは果樹に使える殺虫剤を葉裏まで散布します。収穫前の日数を必ず確かめます。
アケビコノハの成虫は果実の汁を吸うこともあります。秋に果皮に針で刺したような跡があり、そこから腐るときはこの蛾の仕業のことがあります。
果実に入る虫と鳥
実が色づく八月下旬から九月は、果実に穴をあけて中に入る蛾の幼虫と、割れた実を狙う鳥やスズメバチが集まります。せっかく育った実を採る直前に失うのがもっとも悔しい失敗です。色づき始めたら果実袋をかけ、袋の口をしっかりしぼることで大半を防げます。割れてから袋をかけても遅く、色づき始めが目安です。
| 時期 | 被害 | 防ぎ方 |
|---|---|---|
| 8月下旬 | 果皮に小さな穴、中の果肉が茶色 | 色づき前に果実袋をかける |
| 9月上旬 | 果皮の吸汁跡、そこから腐る | 袋かけ、夜に懐中電灯で成虫を追い払う |
| 9月中旬以降 | 割れた実の果肉が食べられる | 割れる前に収穫、鳥よけの糸やネット |
| 9〜10月 | スズメバチが実に集まる | 割れた実を放置せず早朝に採る |
スズメバチが来ているときは無理に収穫せず、気温が低い早朝に手早く採ります。刺されるおそれがあるときは実をあきらめる判断も必要です。
ハダニとアブラムシ
梅雨明け後の乾燥した時期にはハダニが葉裏につき、葉が白っぽくかすれたように見えます。春の新芽にはアブラムシが群がり、葉が縮れます。どちらも大きな被害にはなりにくいですが、鉢植えやベランダでは一気に増えることがあります。ハダニは水に弱いので、葉裏に勢いよく水をかけるだけでかなり減ります。
- 葉裏に水をかける
- ハダニを見つけたら、二〜三日おきに葉の裏側へホースやスプレーで水をかけます。夕方より朝のほうが葉が乾きやすく、病気を招きません。
- アブラムシは新芽ごと取る
- アブラムシがつく新芽の先を指でつぶすか、ひどければ芽ごと摘みます。テントウムシがいれば放っておいても減ります。
- 増えすぎたら殺虫剤
- 葉全体に広がったときは果樹に使えるダニ剤や殺虫剤を葉裏中心に散布します。同じ薬を続けると効きにくくなるので種類を替えます。
実がつかない・落ちるときの切り分け
アケビでいちばん多い相談は「花は咲くのに実がつかない」です。これは病気ではなく、受粉樹がないか、受粉の作業をしていないことが原因のほとんどです。六月に小さな実が落ちるのは生理落果で正常ですが、すべて落ちるときは水切れや肥料切れを疑います。葉が黄色く落ちるのは夏の乾燥か鉢の根詰まりで、株元の土と鉢底の根を確かめれば見分けられます。
| 状態 | 見分け方 | 直し方 |
|---|---|---|
| 花が全部落ちる | 株が一本、または同じ品種のみ | 種類の違う株を足す、人工受粉 |
| 六月に実がすべて落ちる | 梅雨明けの水切れ、肥料不足 | 敷きわらと水やり、六月に追肥 |
| 葉が黄色く落ちる | 土が乾いている、鉢底から根が出ている | 水やりの見直し、二月に植え替え |
| つるばかり伸びて花が咲かない | 窒素肥料の与えすぎ、強剪定 | 肥料を減らし、冬の剪定を弱める |
アケビは自然のままでは実つきがまばらな植物です。三〜四年目で数個つけば順調と考え、毎年少しずつ短い枝を増やす管理を続けます。
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