採り時は果肉の裂け目で決める
アーモンドの実はモモに似た緑の果肉に包まれ、8月に入るとその果肉が縦に裂けて中の殻が見えてきます。これが収穫のサインです。裂ける前に採ると殻が果肉から離れず、中の種も未熟で縮みます。木の全体の八割ほどが裂けたら、枝を揺すってまとめて落とします。
採り時は木の姿と実を触った感触で確かめます。裂け目が乾いて茶色くなり、殻が指で押して硬ければ十分です。裂け目が湿って緑のままなら一週間待ちます。雨が続く予報のときは、多少早くても裂けた実だけ先に採って雨にぬれるのを避けます。
| 実の見た目 | 熟度 | 扱い |
|---|---|---|
| 果肉が閉じて緑 | 未熟 | 採らずに待つ |
| 果肉に裂け目が入り始める | 熟し始め | 早生の枝だけ様子を見る |
| 裂け目が開き殻が見える | 適期 | 揺すって落ちる実から採る |
| 果肉が茶色く乾いて開き切る | 完熟 | 急いで採る。雨に当てるとカビる |
収穫の手順
収穫は晴れが二日以上続いた日の午前中に行います。木の下にシートを敷き、枝を揺すって落ちる実を集めるのが最も楽です。落ちない実は無理に引かず、はさみで軸を切ります。採ったらその日のうちに果肉を外し、殻の表面を乾かします。
- シートを敷いて揺する
- 木の下に古いシーツやブルーシートを広げ、太い枝を両手でゆっくり揺すります。裂けた実は自然に落ち、未熟な実は残ります。
- 残った実ははさみで
- 揺すっても落ちない実で裂けているものは、軸をはさみで切って採ります。引きちぎると翌年の短い枝を傷めます。
- 果肉を手で外す
- 採った日のうちに、果肉を手で割って殻を取り出します。乾くと外れにくくなるので後回しにしません。果肉は食べられないので堆肥にします。
- 殻をさっと洗う
- 殻に付いた果肉のかすを水で洗い流し、ざるに上げて水気を切ります。長く水に浸けると中まで湿るのですぐに乾かします。
殻ごと干す
洗った殻付きの実は、風通しのよい日陰で一週間から十日ほど干します。直射日光に当てると殻が割れて虫が入りやすくなるので、軒下やベランダの日陰にざるを置きます。干し上がりの目安は、殻を振って中でカラカラと音がすることです。音がしないなら中身がまだ湿っています。
- 重ならないよう並べる
- ざるや網に一層に広げ、毎日一回かき混ぜて面を変えます。重ねると下側の殻がいつまでも乾かずカビます。
- 雨と夜露を避ける
- 夕方には室内に取り込むか、屋根の下に移します。ぬれると乾燥が振り出しに戻り、カビの原因になります。
- 振って音で確かめる
- 一週間たったら数個を振ってみます。カラカラ音がしたら乾燥終了、鈍い音なら数日追加で干します。
梅雨のような湿気の多い時期にかかったら、室内で扇風機の風を当てると乾きます。
殻割りと中身の乾燥
殻は品種によって硬さが違い、薄い品種は手で、硬い品種はくるみ割りやペンチで割ります。割った中身は薄茶色の皮に包まれており、そのまま食べられますが、さらに二三日干すか、低温のオーブンで軽く乾かすと保存性が上がります。中身が白くしぼんでいたら未熟か水切れで、食べても味がありません。
| 殻の種類 | 割り方 | コツ |
|---|---|---|
| 紙のように薄い殻 | 指で押す | 縫い目に爪を当てて開く |
| 中くらいの殻 | くるみ割り器 | 縫い目を器の刃に合わせて一気に締める |
| 硬い殻 | ペンチか金づち | 布で包んで縫い目に沿って軽くたたく |
栽培用の甘い品種は生でも食べられます。苦味が強い実があったら食べずに捨てます。野生種に近い苦い品種は食用に向きません。
保存の方法
殻付きのまま乾燥剤と一緒に密閉容器に入れ、冷暗所に置けば半年から一年持ちます。殻を割った中身は油分が多く酸化しやすいので、密閉して冷蔵か冷凍します。一度に割らず、食べる分だけ割るのが最も味を保つ方法です。食べる前に軽く炒ると香りが立ちます。
- 殻付きは常温で
- よく乾いた殻付きの実を密閉容器に入れ、乾燥剤を添えて冷暗所に置きます。ときどき振って音を確かめ、鈍くなったら干し直します。
- 割った実は冷凍
- 殻を割った中身は袋に入れて空気を抜き、冷凍します。一年は風味が保てます。使う分だけ取り出してすぐ炒ります。
実が育たない・空になるときの切り分け
殻はできたのに中身が空だった、あるいは中身が縮んで小さいときは、原因のほとんどが7月の水切れか、受粉の不足です。殻が小さくて数も少ないなら受粉、殻は普通で中だけ空なら水切れと切り分けます。若木で実の付きすぎも中身が育たない原因になるので、木の年齢と実の数も合わせて確かめます。
| 状態 | 原因 | 翌年の対策 |
|---|---|---|
| 殻が小さく数も少ない | 受粉不足 | 人工授粉を二日おきに、受粉樹の開花を合わせる |
| 殻は普通で中身が空 | 7月の水切れ | 梅雨明け後の水やりを増やす。鉢は毎朝 |
| 中身が縮んで薄い | 実の付けすぎ | 5月の摘果で10センチに一果に減らす |
| 殻にカビ、中が変色 | 収穫後の乾燥不足 | 採った日に果肉を外し、十日干す |
アーモンドの収穫に使うもの
木の実は、落として拾うと傷みます。高さのあるところから、傷めずに下ろすための道具です。
- 収穫ばさみ(先丸)探す言葉「収穫ばさみ 果樹 先丸」
- 規格の目安
- 刃先が丸く、刃渡り 5cm 前後。
引っぱって穫ると、枝が裂けて翌年の芽まで落ちます。軸を残して切るのが基本です。
- 高枝切りばさみ(採果器付き)探す言葉「高枝切りばさみ 採果」
- 規格の目安
- 伸ばして 2〜3m。切った実を受ける籠の付いたもの。
脚立で無理な姿勢を取るより安全です。籠付きなら、切った実がそのまま落ちません。
- 収穫かご・コンテナ探す言葉「収穫かご 果樹 コンテナ」
- 規格の目安
- 20L 前後。浅めのものは実を重ねずに済みます。
深い容器に積むと、下の実が自分の重さで傷みます。柔らかい果実ほど浅い容器で。
- 保存用の緩衝材探す言葉「果物 緩衝材 ネット」
- 規格の目安
- 果実用のネットキャップか、新聞紙。
一つずつ包むと、傷んだ実から隣へ移りません。長く置く実ほど効きます。
- 手の届く高さに仕立てているなら、高枝切りばさみは要りません。低く保つほうが管理も楽です。
- 専用の収穫かごでなくても、浅い箱に新聞紙を敷けば足ります。
アーモンドの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はアーモンドの育て方にまとめています。
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