症状から原因を見分ける
アーモンドの不調は、葉の縮れ、幹からの樹脂、実の腐れの三つに大きく分かれます。どこに症状が出ているかを見て、まず原因の当たりをつけます。葉なら縮葉病かアブラムシ、幹ならコスカシバか胴枯れ、実なら炭疽病か灰星病です。
| 症状 | 考えられる原因 | 最初にすること |
|---|---|---|
| 若葉が赤く縮れて厚くなる | 縮葉病 | 病葉を摘み取る。翌年2月に予防散布 |
| 新芽が丸まり、べたつく | アブラムシ | 水で洗い流すか野菜用の殺虫剤 |
| 幹の根元から樹脂と木くず | コスカシバの幼虫 | 樹脂の下を削って幼虫を取り出す |
| 実に茶色の斑点、腐って落ちる | 炭疽病・灰星病 | 病果を取り、殺菌剤を散布 |
| 枝先が黒く枯れ込む | 胴枯れ病 | 枯れ込みの下で切り、癒合剤を塗る |
| 葉に穴があき糸でつづられる | ハマキムシ | 巻いた葉ごと取って潰す |
縮葉病は芽吹く前にしか防げない
春の若葉が赤みを帯びて縮れ、厚くふくらむのが縮葉病です。モモと同じ病気で、雨の多い春に必ずといってよいほど出ます。葉が出てから薬をかけても効かず、防げるのは2月下旬の芽吹き前の散布だけです。出てしまった年は病葉を取り、夏の二番葉が出るのを待ちます。
- 2月下旬に一回散布
- つぼみの先が色づき始めたころ、殺菌剤を枝の隅々までかけます。芽が開いてからでは間に合いません。
- 縮れた葉は摘み取る
- 縮れた葉は見つけ次第摘み取り、袋に入れて処分します。地面に落とすと胞子が残り、翌年の感染源になります。
- 軽症なら放置も可
- 全体の二割程度なら木は枯れません。6月に新しい葉が出れば回復するので、無理に薬をかけず様子を見ます。
コスカシバは幹の根元を月に一度見る
幹の根元近くから樹脂が出て、木くずが混ざっていたらコスカシバの幼虫が皮の下を食べています。放置すると幹を一周されて木が枯れます。5月から10月の間、月に一度は幹の根元を触って確かめ、樹脂の下を針金や小刀で削って幼虫を取り出します。
- 樹脂の出た場所を削る
- 樹脂と木くずのある部分の皮を小刀で少しめくり、白い幼虫がいれば取り出して潰します。傷は癒合剤で塞ぎます。
- 幹に巻き物をする
- 成虫が卵を産むのは幹の割れ目です。粗い皮を削って滑らかにし、夏は幹の下部に不織布を巻いて産卵を防ぎます。
- 被害が広いときは切り戻す
- 幹を半周以上食われていたら、被害の下で切り戻し、台木から上の芽を育て直します。接ぎ木部より下なら諦めて植え替えます。
樹脂は虫がいなくても傷や日焼けで出ます。木くずが混ざっているかどうかで見分けます。
梅雨の実腐れ
6月の長雨で実に茶色の斑点が出て、やがて全体が腐って落ちるのが炭疽病や灰星病です。乾燥地の果樹なので雨に弱く、日本の露地では最もよく出る障害です。梅雨入り前の殺菌剤散布と、病果の早めの除去で被害を減らします。鉢植えは軒下に移すのが最も確実です。
| 見た目 | 病名 | 対処 |
|---|---|---|
| 実に黒っぽい斑点がへこむ | 炭疽病 | 病果を取り、梅雨入り前と中休みに殺菌剤 |
| 実が茶色く腐り灰色の粉が付く | 灰星病 | 病果とミイラ果を必ず片付ける |
| 実の表面に小さな黒点が散る | 黒星病 | 風通しを良くし、殺菌剤を散布 |
落ちた実や枝に残ったミイラ果は翌年の感染源です。冬の剪定のときに全て取り除きます。
虫ではない障害
病気や虫でなくても、環境が合わないと不調が出ます。水はけの悪い土で葉が黄色くなって落ちる根腐れ、夏の水切れで殻の中が空になる不稔、遅霜で花や幼果が黒くなる霜害が代表です。見た目が病気と似るので、まず土の湿り具合と直近の天候を確かめてから判断します。
- 葉の黄化は土を掘って見る
- 株元から20センチ離れた場所を掘り、土がいつまでも湿っているなら根腐れです。周囲に溝を切るか、鉢なら用土を替えます。
- 殻の中が空なら水切れ
- 7月の乾燥時に水が足りないと中身が育ちません。梅雨明け後は鉢植えを毎朝、地植えも週一回はたっぷり与えます。
- 霜には不織布
- 開花中に翌朝の最低気温が二度以下と予報されたら、夕方に不織布をかけます。鉢は玄関に入れます。
枯れ込んだときの立て直し
枝先が枯れ込んだときは、枯れの境目より5センチ下の緑の部分で切り戻し、癒合剤を塗ります。幹まで枯れ込んでいても、接ぎ木部より上に緑の芽が残っていれば、そこから育て直せます。台木の芽しか残らなかったら実の付く木には戻らないので、植え替えを判断します。
- 生きている境目を探す
- 枝の皮を爪で少しめくり、緑なら生きています。茶色から緑に変わる場所の5センチ下で切ります。
- 残った芽を育てる
- 切り戻した下から出た芽のうち、勢いのよい一本を新しい主幹として支柱に結び、ほかは取ります。
回復には二年から三年かかります。その間は実を期待せず、木を育てることに専念します。
アーモンドの収穫までのコツは作物ページに
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