自家結実性の有無で本数を決める
アーモンドの多くは自分の花粉では実が付かない自家不和合性です。一本だけ植えて毎年花は咲くのに実が付かない、という相談が最も多い失敗です。苗を選ぶ前に、一本で実が付く品種か、相手が要る品種かを札で確かめ、庭の広さと照らして本数を判断します。
庭に一本しか置けないなら、一本で実が付くとされる品種を選びます。二本置けるなら、開花期の重なる別品種を組み合わせたほうが実の付きは安定します。近くにモモやウメがある場合は受粉を助けることがありますが、確実ではないので当てにしすぎないほうが無難です。
| 品種 | 受粉相手 | 特徴 |
|---|---|---|
| ダベイ | 不要とされる | 国内で最も出回る。一本でも実が付きやすく初心者向け |
| オールインワン | 不要 | 樹が小さめで鉢向き。実は中粒で殻が柔らかい |
| ノンパレル | 必要 | 殻が薄く実が大きい。ほかの品種と組み合わせる前提 |
| カーメル | 必要 | ノンパレルの受粉相手として使われる。開花が重なる |
一本で実が付く品種でも、二本目があると実の数が増えます。置ける場所があるなら二本が安心です。
植え付けは落葉期の12月から2月
苗は落葉した12月から2月に出回る棒苗が中心です。根が動き出す前に植えると春の芽吹きが揃います。3月に入って芽が膨らんだ苗を植えると根付きが遅れ、夏に葉が落ちることがあります。寒冷地では厳寒期を避け、2月下旬から3月上旬に植えます。
- 苗の根を見る
- 白い細根が多く、太い根に傷やこぶのない苗を選びます。根にこぶがあるものは根頭がんしゅ病の恐れがあり、植えても育ちません。
- 根を水に浸す
- 植える前に根を一時間ほど水に浸して吸水させます。乾いた根のまま植えると、春に芽が出ても途中で止まります。
- 接ぎ木部を土に埋めない
- 幹の下部にある接ぎ木のふくらみが土の上に出るように高さを決めます。埋めると台木から芽が出て、実の付かない木に育ちます。
ポット苗は葉のある時期でも植えられますが、根鉢を崩さず、植えた後に二週間は水を切らさないようにします。
水はけの良い場所を選ぶ
アーモンドは地中海沿岸が原産で、日本の梅雨と秋の長雨が最も苦手です。水がたまる場所に植えると根が傷み、葉が黄ばんで落ちます。日当たりが良く、雨のあとに水たまりが翌日に残らない場所を選びます。粘土質の庭なら高畝にするか、鉢植えに切り替えるほうが確実です。
| 場所の状態 | 向き不向き | 対策 |
|---|---|---|
| 南向きで乾きやすい | 最適 | そのまま植える。夏の水切れだけ注意 |
| 雨のあと半日で乾く | 向く | 植え穴に川砂と腐葉土を混ぜる |
| 翌日まで水が残る | 不向き | 高さ30センチの盛り土に植えるか鉢植えにする |
| 建物の北側で日陰 | 不向き | 花は咲いても実が育たない。場所を変える |
地植えの手順
植え穴は直径と深さがそれぞれ50センチほどあれば十分です。深く掘るより、掘った土に腐葉土と苦土石灰を混ぜて水はけと酸度を整えるほうが効きます。アーモンドはやや弱酸性から中性の土を好み、酸性の強い土では育ちが鈍ります。
- 穴を掘って土を混ぜる
- 直径50センチ、深さ50センチの穴を掘り、掘り上げた土に腐葉土を二割と苦土石灰を一握り混ぜます。元肥(植える前に土へ入れておく肥料)は根に触れない穴の底に置きます。
- 根を広げて浅く植える
- 穴の中央に土を山にして根を放射状に広げ、周囲の地面より少し高くなるように埋め戻します。深植えは根腐れの原因になります。
- 60センチで切り戻す
- 棒苗は地上60センチほどの高さで先を切り、そこから出る枝を主枝にします。切らずに植えると上ばかり伸びて下の枝が出ません。
- 支柱を立てて水をやる
- 苗のそばに支柱を立てて八の字に結び、たっぷり水をやります。その後は土の表面が乾いてから、根付くまで週に一回程度与えます。
鉢植えの手順
鉢植えなら雨の当たらない軒下に移せるので、日本では地植えより実が安定することもあります。八号から十号の深めの鉢から始め、二年ごとに一回り大きくします。用土は水はけを最優先に、赤玉土に腐葉土と川砂を混ぜます。
- 鉢底に軽石を敷く
- 鉢底石を三センチほど敷いてから用土を入れます。水がたまると根が傷むので、鉢皿に水をためたままにしないようにします。
- 赤玉土主体の用土
- 赤玉土の中粒六、腐葉土三、川砂一の割合で混ぜます。市販の果樹用の土でも構いませんが、保水材の多いものは避けます。
- 高さ50センチで切る
- 鉢植えでは地植えより低く、50センチほどで切り戻します。樹高を1.5メートル以内に抑えると軒下への移動も楽です。
鉢植えは受粉樹も鉢で用意し、開花中は二鉢を寄せて置きます。
根付かないときの切り分け
植えて三か月たっても芽が動かない、あるいは芽が出たのに夏前に葉が落ちるときは、まず幹の皮を爪で少しめくって緑色かどうか確かめます。緑なら生きているので水やりと置き場所を見直します。茶色く乾いていたら根が枯れており、植え直しになります。
| 症状 | 考えられる原因 | 手当て |
|---|---|---|
| 芽が動かない | 根の乾燥か深植え | 幹をめくって緑なら水やりを増やし、深ければ植え直す |
| 葉が出た後に落ちる | 水のやりすぎか過湿 | 鉢皿の水を捨て、地植えは周囲に溝を切って排水する |
| 台木から芽が出る | 接ぎ木部を埋めた | 台木の芽をすぐかき取り、土を減らして接ぎ木部を出す |
| 葉が縮れて赤くなる | 縮葉病 | 病葉を取り、翌年は芽吹き前に殺菌剤を散布する |
一年目は実を期待せず、木を育てることに専念します。花が咲いても摘み取ったほうが根が充実します。
アーモンドの植え付けに使うもの
木は一度植えたら動かせません。植え穴と支柱をきちんと作るかどうかで、その後の何年かが決まります。
数量は苗木 1 本を単位にしています。
- 完熟堆肥・腐葉土探す言葉「完熟堆肥 バーク 40L」
- 規格の目安
- バーク堆肥か腐葉土。40L 前後の袋。
- 数量の目安
- 植え穴 1 つ(直径 60cm × 深さ 50cm)に 20〜30L を掘り上げた土と混ぜます。
穴を大きく掘って土を入れ替えるのが植え付けの本体です。ここを手抜きすると、根が広がらないまま何年も伸び悩みます。
- 支柱(添え木)探す言葉「園芸支柱 太い 180cm」
- 規格の目安
- 直径 25〜30mm × 長さ 180cm。1 本の添え木か、2 本の二脚(鳥居型)。
根が張るまでの 1〜2 年、風で株元が動くと細い根が切れ続けます。細い支柱では木の重さを支えられません。
- 樹木用の結束テープ探す言葉「樹木 誘引 テープ 幅広」
- 規格の目安
- 幅 20mm 前後の伸びる素材か、麻ひもと当て布。
幹は太ります。細いひもで縛ると食い込み、そこで水の通り道を締めてしまいます。幅の広いもので 8 の字に留めます。
- 緩効性肥料(元肥)探す言葉「緩効性肥料 元肥 樹木」
- 規格の目安
- 粒状で長く効くタイプ。
- 数量の目安
- 植え穴 1 つに 50〜100g。根に直接触れないよう、土を一枚かぶせてから植えます。
植え付け直後は根が傷んでいます。濃い肥料が触れると、そこから傷みが広がります。
- 鉢で育てるなら支柱は短いもので足ります。180cm の添え木は地植え用です。
- 植え穴に石を入れる必要はありません。水はけが悪いなら、盛り土にして高く植えるほうが効きます。
アーモンドの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はアーモンドの育て方にまとめています。
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