増やし方は種だけ
アニスは挿し木や株分けができません。花が咲いて種を付けると株は枯れる一年草なので、毎年種から育て直します。自家採種した種は一年目の発芽率が高く、二年目には落ちるので、毎年少しずつ種採り用の株を残しておくと途切れません。買った種と自家採種の種で、育て方に違いはありません。
| 方法 | できるか | 理由 |
|---|---|---|
| 種をまく | できる | 一年草の基本の増やし方 |
| こぼれ種 | できる(暖地や軒下) | 秋に落ちた種が春に自然に発芽する |
| 挿し木 | できない | 茎から根が出ない |
| 株分け | できない | 直根一本で分けられず、株も一年で枯れる |
種採り用の株を選ぶ
葉を収穫する株と種を採る株は分けておきます。種採り用は、生育がよく香りが強く、病気の出なかった株を二〜三株選び、葉を摘まずに花を咲かせます。こうすると翌年も同じ性質の株が育ちやすくなります。虫の多かった株、倒れた株、早く花が上がった弱い株からは採りません。
種採り株を二〜三株にするのは、一株では雨や虫で種が採れないときの保険と、性質の偏りを避けるためです。三株からそれぞれ種を採り、混ぜてから保存すると、翌年も安定した株がそろいます。
- 六月に印を付ける
- 草丈が三十センチになったころ、勢いのよい株二〜三株にひもで印を付け、その株の葉は収穫しないと決めます。
- 花を全部咲かせる
- 印の株は花茎を切らず、傘形の花をすべて咲かせます。中心の一番大きな穂が最も充実した種になります。
- 雨の日は軒下へ
- 開花中に長雨が続くと受粉できずに種が入りません。プランターなら軒下へ移し、地植えなら傘をさすように覆います。
種の採り方と選別
穂の七〜八割が茶色くなったら株ごと刈り、紙袋で二週間乾かして種を落とします。落ちた種を皿に広げ、ふっくらして色の濃い種を残し、しなびた種や小さい種は除きます。水に浮かべて沈む種を選ぶ方法もありますが、乾かし直す手間が増えるので、見た目で選ぶだけで十分です。
- 中心の穂を優先する
- 一株の中で最初に咲いた中心の穂が一番充実した種を付けます。脇の小さな穂は種も小さいので、来年用には中心の穂の種を使います。
- ふるいでごみを除く
- 目の粗いふるいで茎や花がらを除き、皿に広げて吹くと軽いごみが飛びます。残った種を指で押して硬いものが良い種です。
- さらに一週間乾かす
- 皿に広げて風通しのよい日陰でもう一週間乾かします。乾きが足りないまま袋に入れると保存中にカビが出ます。
種の保存
乾かした種は紙封筒に入れて日付と株の特徴を書き、密閉容器に乾燥剤と一緒に入れて冷蔵庫の野菜室で保存します。常温の引き出しでも翌春までなら発芽率は保てますが、夏の高温を越すと落ちます。料理に使う種と来年まく種は別に分けておき、まく種は冷蔵、料理用は台所のびんで構いません。
| 保存場所 | 発芽率の目安 | 向く用途 |
|---|---|---|
| 冷蔵庫の野菜室(密閉+乾燥剤) | 翌春でほぼ落ちない | 来年まく種 |
| 常温の引き出し | 翌春で少し落ちる | 半年以内にまく種 |
| 台所の密閉びん | 1年で半分に落ちる | 料理用 |
こぼれ種を活用する
種を採らずに残した穂から落ちた種が、暖地や軒下では翌春に自然に発芽します。関東平野部の露地では冬の寒さで発芽率が下がりますが、株元に落ち葉を敷いておくと生える年もあります。自然に生えた芽は移植できないので、生えた場所でそのまま育てるか、混みすぎた所を間引いて使います。
- 秋に穂を一つ残す
- 種採りした後、一番小さな穂を一つ株元に落としておきます。株を抜くときに土を軽くかけておくと発芽しやすくなります。
- 春に芽を見分ける
- 四月に細長い双葉が出て、次に切れ込みのある本葉が出たらアニスです。似た雑草と迷ったら葉をもんで甘い香りがするかで判断します。
- 生えた場所で育てる
- こぼれ種の芽は掘り上げると直根が切れて枯れます。移さずにその場で間引き、株間二十センチにして育てます。
発芽した芽の周りに雑草も一緒に出ます。本葉の香りで見分けがつくまでは、雑草を抜くときに芽を一緒に引き抜かないよう注意します。
種が採れない・発芽しないときの原因
花は咲いたのに種が入らないなら、開花中の長雨か株の力不足です。翌年は種採り株の葉を摘まず、開花中は雨を避けます。採った種が発芽しないなら、乾燥不足でカビたか、保存中に高温にあたったか、二年以上たった種です。自家採種の種は必ず一年目にまき、余った分は料理に回すのが無駄のない使い方です。
| 症状 | 原因 | 手当て |
|---|---|---|
| 穂に種が入らない | 開花中の長雨・株の力不足 | 開花中は雨を避け、種採り株の葉は摘まない |
| 保存中にカビた | 乾燥不足 | 皿で1週間追加乾燥してから密閉する |
| まいても発芽しない | 古い種・夏の高温 | 1年目の種を冷蔵保存し、翌春まく |
| こぼれ種が出ない | 冬の寒さ・乾燥 | 落ち葉を敷いて越冬させ、春まきで補う |
アニスの挿し芽・株分けに使うもの
ハーブは挿し芽で増やしやすいものが多く、水に挿すだけで根が出る種類もあります。
- 挿し芽用土(赤玉土小粒)探す言葉「挿し芽 用土 赤玉土 小粒」
- 規格の目安
- 赤玉土の小粒か鹿沼土の単用。肥料分のないもの。
- 数量の目安
- 3 号ポット 1 個で 0.2L。
肥料分があると、根が出る前に切り口が傷みます。清潔で肥料のない土が条件です。
- よく切れるはさみ探す言葉「園芸ばさみ 切れ味 ステンレス」
- 規格の目安
- 刃渡り 3〜5cm。使う前にアルコールで拭きます。
切り口が潰れると水を吸えません。節の少し下を斜めに一度で切ります。
- 3 号ポット探す言葉「ポリポット 3号 育苗」
- 規格の目安
- 直径 9cm(3 号)。
根が出るまでは小さい容器のほうが乾き具合を見やすく、管理も楽です。
- ミントやバジルのように水挿しで根が出るものは、用土も促進剤も要りません。
- 発根促進剤は、根の出にくい木質のハーブ以外では急ぎません。
アニスの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はアニスの育て方にまとめています。
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